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徒然:蒼き航跡

波間に溶ける影は、時の流れに縛られたまま揺れていた。
空を映す水面は、沈黙のまま行くべき道を問いかける。
立ち止まることも、進むことも許される静寂の中で、
船体の奥深く、眠っていた鼓動が微かに震えた。

雲間からこぼれる光が、ひとすじの道を描く。
迷いを振り払い、鋼の影がゆっくりと前へ。
蒼き航跡は、今、静寂を断ち切り刻まれ始める。

fin

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