「藩校を前身とする学校」とは
いわゆる江戸時代、全国各地にあった各藩の中には「藩校」と呼ばれる教育機関を設ける藩があった。そしてその「藩校」の歴史を継承していると言いながら学校運営をしている学校が現代には存在している。「藩校を前身とする学校」とでも呼ぼう。
しかし、中には、明確な継続性を指摘できない学校もある。なのにできるだけ古い歴史を持っていると言いたいのであろう、継続性をこじつけては公式サイトに掲載している。
「藩校」は江戸時代のものであり、明治開始のムーヴメントとは相容れない。廃城令も藩時代の政治を否定するものであるし、廃藩置県とともに藩校が廃校に追い込まれたのも、明治の流れと「藩校」が水と油だからだ。
明治に入って「藩校」の歴史を継承したいと考える主体は誰かと言えば、それは士族だろう。学校令によって全国各地に学校が作られていく流れに抗うように、江戸時代の教育風土を保持したいと思う学校が、「公立学校」であるはずがない。その多くが「私塾」の形を採っている。
なので、その成り立ちから、公立学校として開始したような学校が、「藩校を前身とする学校」ではあり得ないであろう。その観点から、「藩校を前身とする学校」を、一つひとつ検証していきたいと思っている。