「読む笑い」 『美容院』④
(美容院③の続き)
A:それでなんだけどさ
B:なによ
A:この調子でいったら
40くらいではじめて髪を切ることになるのよ。そんなのたまらんだろ?
B:ん〜、まぁそうなるか、
A:いやいや!
だってお前、
40までかなりハードルの低い童貞ってことだぞ?
B:よく分からんけど
じゃあ、そんな心配するなら
切ったらいいじゃん
A:お前なぁ、
別に切りに行く長さではないだろ?
B: …そうかもしれんけど、
一旦、どんなもんか美容院に行ってみたら
安心するんじゃない?
A:なんもわかってないな!
B:なんでよ!?
A:そんないっても切ったら
次切りに行くのに10年後くらいだぞ!
またそのときの気持ち忘れてしまってるだろ!
B:いや、気持ちとか別にいらないのよ!
軽い気持ちで
普通に行って美容師さんに任せたらいいだろ
A:お前それで、もし気に入らない髪型とかにされたらどうすんのよ!
おれは10年くらい待たないといけないんだぞ!
B:それだったら、そのときはまた
修正してもらったらいいじゃん
A:お前なぁ、さっきからそんな軽々しく言ってるけど
B:軽々しくって…だってそうだしな、
A:お前はな!?
お前は数ヶ月でコロコロ髪型変えられるかもしれないけど、
おれはこの先の10年、20年がかかってるんだぞ!そんな簡単に決めれるか!
B:待て待て!
そんな大袈裟なことか?
A:大袈裟じゃないだろ!
じゃあなにか、
家を建てるってなって
とりあえず作ってみよ、だめやったらリフォームすればいいっかってなるか?お前は?
B:いやいや、家と一緒に考えんなよ!
A:こちとらそんくらいのもんなんだよ!
B:わかったわかった!
じゃあ今んところ
とりあえずどんな髪型にしたいのよ?
それだけは考えとけば
A:坊主
B:なんだったんだよ今までの話は!
おわり