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小さな会社に経営理念は必要か?|NEXTMEDIAのビジョン、ミッション、バリュー

こんにちは、ネクストメディアの坂上です。
ネクストメディアは、2021 年 4 月に高知市で創業したばかりの会社です。

中小企業の情報発信と Web 活用を推進するために、PR ツールを作ったりクリエイティブを考えたりするだけでなく、仕組みづくりや体制づくりを一緒に行うチームを目指しています。

現在は事業会社、Web制作会社、広告代理店の 3 つの立場を経験した 3 名のメンバーで活動しています。

この記事では、地方の小さな会社が Day 1(創業一日目)からミッションやバリューを掲げる意味について書きたいと思います。

僕自身は、メンバーと真面目に検討した末に、経営理念の言語化に意味があると結論づけました。言語化したミッション、ビジョン、バリューはWebサイトや社内にも掲載しています。この判断が正しかったかどうか、何年か後に振り返ったときに、また何か気づきがあるのかなと思っています。
…もしかしたらただ、恥ずかしいだけかもしれないけれど。

ミッションを言語化することの意義

僕が住んでいる高知県香美市は、アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんの出身地です。19 歳か 20 歳の頃、やなせさんが作詞した「アンパンマンのマーチ」の歌詞を改めて読んで、明らかに幼児向けではない歌詞の意味に、背中のあたりがざわざわした感覚を今でも覚えています。
以来「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」という問いが、いつも傍らにありました。

“在りたい自分” をイメージすると、理想からは程遠い現実の自分を目の当たりにします。目の前のことに打ち込む僅かな瞬間は忘れていても、壁にぶつかったり、より高い目標を掲げようとすると、繰り返し問いかけられるストレートな問い。

幼児たちに人気の ”菓子パンヒーロー”、なんて強いストレート打ってくるんだ…。(そういえば、アンパンマンは小型飛行物体に乗ったバイキンマンを一撃で山の向こうへ吹き飛ばすハードパンチャーでした)

就職を意識した前後『 7 つの習慣』に出会い、「なんのために生きるのか」を "ミッションステートメント" として言語化。
このステートメントは後に、いくつか人生の大きな挫折を乗り越える際に、背中を押してくれました。

今でも全く、人生において何かに成功した感覚はないのですが、現実を受け入れながらもミッションに沿って意思決定して ”ジブン” を生きていく
数行のテキストで書かれたミッションステートメントが、人生の “指針” や “柱” になってくれている実感があります。

「言葉が、意思決定や生き方の指針として機能する」

そんな原体験があって、会社選びも働き方も、副業やボランティア活動もすべて「ミッション」に照らして、文脈や距離感を考えて選択し、自分で自分を教育していく。ときにブレることもあるけど、重心があれば立て直せるように感じてます。

もし会社をつくる機会があれば、ビジョン、ミッション、バリューを設定して、あらゆる意思決定や情報発信の核にしたいと考えていました。
いっぽうで、先輩経営者の発言や書籍から、バリューをつくるタイミングについて「ある程度メンバーが増えてからが良い」といった意見もあり、Day 1 からバリューをつくるのは時期尚早なのかな…と迷いもありました。

しかし、ピーター・ティールさんの言葉と、Day 1 から理念を言語化していた Airbnb の例を知り、最初からバリューを掲げて、社内ルールやカルチャーに反映させる努力を行う考え方は間違いでもないし、僕たちネクストメディアに合うやり方だと確信しました。

最初は、中身が未熟でビジョンとの乖離が大きかったとしても、それを意識して仕事と事業開発に打ち込む。そうやって、一歩ずつ理想に向かっていくチームでありたいと思っています。

1)なんのために創業するのか

ネクストメディアのミッションは、価値を生み出す企業や事業家の成果と、価値を求めている顧客の成果を最大化することです。

We Maximize Value & Happiness
価値の提供者と それを求める顧客の成果を最大化する

企業が社会の公器として、真剣に「価値」を作り出し、それが本当に人々に役立つものであれば、求めている人にスムーズに届けられてほしい。

ドラッカーの言葉を借りると、商品は顧客に届けられなければ商品足り得ず、価値も価値足り得ません

僕たちは、会社員として Web 制作会社と広告代理店での勤務を経験し、このミッションをシンプルに実行するにあたり、クリエイティブ業界がクライアントだけを見て仕事をする状況から脱却すべきと考えていました。

会社員として働いていた会社や、全ての Web 制作会社や代理店がクライアントだけを見ているとは思っていません。
しかし、対価をいただく相手(クライアント)との関係が近く、価値を受け取る相手(クライアントの顧客)が遠いという構造上、セールスに関わるスタッフが短期的な目標に追われ、対価を払ってくれるクライアントのみを見がちなのかなと感じていました。

“広告代理店” という業態は、マスメディアの広告販売代理店(メディアに代わり、広告を販売する存在)ではなく、クライアント企業のコミュニケーションをより良くするために手段として広告を活用する存在であるべきと思うのです。

Webサイトや広告を売り込むのではなく、一緒に価値を届け、顧客満足を実現する。

横に並び肩を組んで、目標を目指すパートナーシップをつくりたい。

そう考えています。

2)そのためには、どんなチームでなくてはならないのか

ネクストメディアのビジョン(在りたい姿)は、進化と革新のエンジンと表現しました。

We are Growth & Innovation ENGINE!!
進化と革新のエンジンになる

クライアントの事業を伸ばし、ユーザーが得られる便益を最大化するためには、今あるものを「進化」あるいは「革新」させなくてはいけません。

そのためには、自分たちのチームの進化と革新が必要です。

チームの進化と革新を促し、導く存在になるには、創業メンバーそれぞれが、自己進化と自己革新する存在でなくてはなりません。

マネジメントチームは、メンバーがエンジンになるための努力をすることを推奨し、応援するための仕組みをつくらねばなりません。

そして、ビジョンを体現しようと努力する人が伸びる文化をつくる必要があります。

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チームとしての約束

進化と革新のエンジンであるために、チームとして 4 つの約束を掲げています。
クライアントに対する約束として掲げている、「提案するチーム」「共創するチーム」の 2 つは “最も親(ちか)しい第三者” という存在であるために必要だと考えています。
すなわち、クライアントの事業をジブンゴトとして考えて主体的に提案する姿勢、共に成果を追い価値をつくろうとする姿勢です。

また自らとチームメンバーへの約束として「変化するチーム」「学習するチーム」の 2 つを掲げています。進化の前提は変化することだと捉え、現状にとどまらず常に動き続け、変わり続けることを当たり前な状態にする。
そのためには、今自分たちの中にある情報や視点だけで発想するのではなく、新しい知見を取り入れる学習が必要です。

進化・革新につながる、提案・共創をするために、変化・学習を常とする
そんな能動的なチームであり続けたいと思います。

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3)ビジョンとミッションを実現するために、メンバーはどんな価値観で取り組むべきなのか

ネクストメディアのバリュー(行動指針)は、「7-BASICs」として 7 つを設定しています。バリューとは、言い換えると「何をカッコいいと思うか」じゃないかと考えています。

思い出しやすいように、アルファベットの頭文字 A, B, C, D, E, F, G の順番で並ぶようにしました。ネイティブ英語からすると、少しおかしな表現もありますが、響きを優先しています。

All For One / チームは、ひとつのミッションのために

One(コト=ミッション)のために All(僕たち全員)は協力して力を注ぐ。

All For One は「みんなは一人のために」と誤訳されることもありますが、本来の意味は All(みんな)は、for One(一つの目的)のために、だと以前教わりました。

僕たちは一人ひとり、姿かたちも経験したことも、一緒に過ごした人たちも異なります。
だから、感じ方や考え方が違う部分がたくさんあって当たり前。

でも、一つの曲を演奏するバンドや、甲子園を目指す高校球児みたいに、大きな一つの目標やビジョンを掲げたとき、互いの違いを前向きに活かし合おうとする建設的なエネルギーが生まれるんじゃないかと思います。

これを作った際に、アニメ『僕のヒーローアカデミア』を見て、All For One って敵方の悪い奴じゃん…ガーン…と思ったけど、言葉として好きなので気にしません。
…うん、気にしないぞ。

Being First / どう在りたいか、からスタートしよう

「どう在りたいのか」は、何かを行う理由「Why」につながる問いであり、日頃から深く強く仕事や生き方に向き合っていないと回答できない問いです。

ミッションに照らして「本来、どう在るべきなのか」「理想は、どう在るべきなのか」とより良い姿を追い求めるチームだけが、高い目標を掲げ、自らを進化させることができます。

また在りたい姿を共通認識できると、意思決定や判断の基準になり、チームがどこへ向かうのか、何故その方向へ行くのかを理解できるようになります。

チームが下した判断や、目標に向かうための戦略の「意図」が理解できると、意思決定スピードや「納得感」が生まれ、チームが一体となってスピーディに協力し合うための土台になると考えています。

Challenge, Change, Chance / 機会は、挑戦する者と変化を歓迎する者に訪れる

在りたい姿や果たすべきミッションは、行動によって現実化します。そのためには、挑戦し、その挑戦によって自らを変え、その変化によってコトを動かし、機会を掴まねばなりません。

このバリューを「幸運の女神は、挑戦の神と変化の神を愛する」とも表現しています。

「過去と他人は変えられない」という言葉がありますが、基本的に影響の輪の内側にあるのは、自分の考え方と行動のみです。「挑戦するか / しないか」は自分次第。「変化を受け入れるか / 受け入れないか」も自分次第。

運や機会は完全にコントロールできないけれど、変化を恐れず、挑戦する人の前に幸運につながる機会が現れると信じています。

挑戦や変化を楽しめる心をつくっていきたいものです。

Do Our Best / チームとしてベストを尽くそう

時として、一個人の好きなことや心地よさとチームの成果は合致しない状況が起こりえます。高校球児が全国優勝という目標を掲げ、目の前の試合に勝つためにベンチの控えに回るメンバーがいたり、短期的に見ると辛い練習をしなくてはいけないように。

でも、一人でできないコトを成すためにチームを作ったからこそ、大きな価値を提供できるし、人に喜んでもらえる。そして、コトを成したときにチームで分かち合える喜びの質や大きさは、個人で完結する目標とは別物です。
それを忘れないチームでいたいと考えています。

Excite Work, Enjoy Life / ワクワクする仕事をして、人生を楽しもう

人間は社会的な生き物で、群れで生活します。また僕たちは様々な人たちの仕事によって、豊かな生活ができます。一人の人間として、社会の一員として、仕事をする意義や自分の仕事で社会を前進させる意識を忘れないように。

仕事が「嫌だけど、食べるためにやらなくちゃいけないこと」と捉えている人が、少なからずいる。僕はそれをとても哀しく思っています。

「大人になる=一人前になる」ことは、自由を獲得することであり、自分の可能性を自分で広げていける力を持つってことだと思います。

それってワクワクすること。楽しいこと。

僕たちは、野生動物と違って、皆で生活することが前提になっている。誰かのおかげで食料にありつける。代わりに自分が何かを他者に提供し喜び合う。そうやって「人類」は「人間」になれると思います。

人生の可能性や楽しみが広がるワクワクする仕事がしたいですね。

Feed Forward / 未来の可能性を信じ、解決策を示そう

過去の眼で現状を見るか、それとも未来の眼で現状を見るか。同じ事象に対して打つべきアクションは、その目線によって異なります。

より良い未来をつくろうとする姿勢があれば、「次はどうするのか?」「このままで良いのか?」という視点で「いま」を捉えることになります。

未来の可能性を信じ、理想から逆算して「より良い自分」「より良いチーム」「より良いサービス」「より良い社会」を考える。
この視点で、自分とチームにポジティブなフィードバック(フィードフォワード)をする。この姿勢で仲間やお客さまからのアドバイスや指摘を受け取り、より良い未来のために改善・改良・革新の行動を起こす。

「未来へつなげる」視点と姿勢が当たり前のチームになれば、今日より明日、明日より明後日には、より良い未来を開拓できると信じます。

Greatness from Gratitude / 偉大は感謝から生まれる

偉大な成果や偉大なチームは、尊大な態度や自己本位の姿勢からは決して生まれない。
多くの尊敬できるアーティストやクリエイター、アスリート、そして経営者の方を見てそう思います。

また、売上や組織がとにかく大きければ良いという時代は、もう過去のものになりつつあると感じます。ただ物量が増えるだけではなく、”偉大” な事業 や “立派” な行動、あるいは “カッコいい” チームとは、どうやって創られるのか。

それは、自分たちが様々なものに活かされている自覚から生まれると思うのです。活かされていることに感謝し、それ以上のものを提供したいと考える。このシンプルな考えに基づく行動が、自分たちの魂を少しずつ磨き、 “偉大” や “カッコいい” に近づいていけるんじゃないかと思います。

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おわりに

この文章は、2021 年 6 月 5 日に社内向けのメッセージとして、チャットで共有した内容に加筆・修正したものです。
創業期の忙しさや迷いを乗り越える際、不安や短期的な利益に囚われて、誤った決断をしそうになるたびに、繰り返し繰り返しメンバーやパートナーと確認していきたい。
そうやって、積み重ねた試行錯誤が、仕事や人生の指針になっていったらなと思います。


ネクストメディアは、創業期からミッション、ビジョン、バリューを定めて、理想に現実を近づけていくために日々の仕事に打ち込んでいます。
興味を持ってくださった方は、スキ!やフォローいただけると嬉しいです。
また、同じように考えている皆さんと、バリューの策定や浸透について、ディスカッションできたら幸いです。


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hokutooo
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