自殺者数の推移はどうなっているのか?
引用元:令和4年中における自殺の状況https://www.mhlw.go.jp/content/R4kakutei01.pdf
近年は、2万人程度で推移しており、令和4年は、令和3年と比べて男女とも少し増えている。男性のほうが女性に比べて、2倍ほど自殺する人数が多い。
勤務問題を原因に自殺する人の割合はどうなっているのか?
現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は53.3%となっています。自殺のほとんどは多様な背景が複合的に影響しあい起こります。勤務問題が原因として挙げられている人数は、自殺者の中で、約4700人ほどで、健康問題、家庭問題の次に多い数字となっています。
ポストベンションとは何か?
自殺予防は、プリベンション(prevention:事前対応)、インターベンション(intervention:危機介入)、ポストベンション(postvention:事後対応)の3段階に分類されます。
プリベンションとは、現時点で危険が迫っているわけではありませんが、その原因を取り除いたり、教育をしたりすることによって、自殺が起きるのを予防することです。
インターベンションとは、今まさに起きつつある自殺の危険に介入し、自殺を防ぐことです。なお、予防に全力を挙げることは当然ですが、自殺を100%防ぐことは不可能です。
そこで、ポストベンションとは、不幸にして自殺が生じてしまった場合に、遺された人々に及ぼす心理的影響を可能な限り少なくするための対策を意味しています。
これまで一緒に働いてきた同僚の自殺が突然生じると、職場の人々は強烈な心理的打撃を受けます。
「自殺なんて信じられない」、「どうして私に相談してくれなかったのか」、「なぜ防ぐことができなかったのだろう」、「あんなに真面目な人が自殺してしまうなんて、私も今の職場に耐えられるだろうか」
といったさまざまな思いが遺された人々の心にしばしば浮かんできます。
もともと職場の状況や上司に不満などがあると、それが一挙に噴き出して、職場の士気が極端に下がってしまうこともあるでしょう。また、自殺の事実をひた隠しにし、外部から故人宛に電話がかかってきても、「退職しました」などと事実とは異なる答えをするように指示が出ていて、「この対応はなにか変だ」などと感じている人もいるはずです。あるいは、職場で誰かが冗談を言い合っている場面に出くわしたり、宴会の話などが出たりすると、「同僚が自殺した直後なのに不謹慎だ」と怒りを覚える人もいるかもしれません。このように自殺は、病死や事故死以上に、故人とつながりが強かった人に深刻な打撃をもたらす可能性があります。場合によっては、遺された人が、うつ病や不安障害などといった心の病になってしまい、専門的な治療が必要になることさえあります。
引用元:自殺後に遺された人への対応
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/03_0042.pdf