見出し画像

有機溶剤とは、何ですか?

①有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称であり、様々な職場で、溶剤として塗装、洗浄、印刷などの作業に幅広く使用されている。
②有機溶剤は常温では液体ですが、一般に揮発性が高いため、蒸気となって作業者の呼吸を通じて体内に吸収されやすく、また、油脂に溶ける性質であることから皮膚からも吸収される。
③取扱いを誤ると作業者の健康に大きな障害を与えることがあり、不適切な取扱いによる事故も数多く発生している。

有機溶剤にはさまざまなものがあり、国はそのうちの54種類を「有機溶剤中毒予防規則」(以下「有機則」)において規制対象としている。

a.第1種有機溶剤
クロロホルム、四塩化炭素、1.2 ジクロルエタン、1.2 ジクロルエチレン、1.1.2.2-テトラクロルエタン、トリクロルエチレン、二硫化炭素の7物質
b.第2種有機溶剤
アセトン、エチルエーテル、キシレン、酢酸ブチル、スチレン、トリクロルエチレン、ノルマルヘキサン等40物質
c.第3種有機溶剤
ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリットの7物質

・有機溶剤とは、有機溶剤または有機溶剤含有物(塗料、インキ等)をいいます。
有機溶剤含有物:有機溶剤と有機溶剤以外の物との混合物で、有機溶剤の含有率が5%(重量パーセント)を超えるもの
・有機則では、12の業務を有機溶剤業務として列挙しています。

a.有機溶剤等を製造する工程、染料、医薬品、農薬、合成樹脂又はこれらの中間体を製造する工程における有機溶剤等の濾過、混合、撹拌、加熱の業務
b.有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
c.有機溶剤含有物を用いて行う文字の書き込み、描画の業務
d.有機溶剤等を用いて行う艶だし、防水、その他の物の面の加工業務
e.接着のための有機溶剤等の塗布業務、塗布された物の接着業務
f.有機溶剤等を用いて行う洗浄、払拭の業務
g..有機溶剤等を用いて行う塗装業務
h.有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
j.有機溶剤等を用いて行う試験、研究の業務
j.有機溶剤等を入れたことのあるタンクの内部の業務

有機溶剤はどのような健康障害を引き起こしますか?

有機溶剤検診とは、何ですか?

有機溶剤はどのような急性中毒事故を起こしますか?

引用:【安全衛生管理】 トルエン中毒の予防
https://www.tokyotsa.com/file/51_kanri.pdf

原因物質に暴露されると、急性期の症状が出現します。中枢神経に影響を及ぼすことから頭痛や吐き気、ふらつき、判断力の低下、歩行障害などが出現します。暴露量が多い場合には、意識消失を来たし、最悪の場合死に至ることもあります。肺や心臓などの臓器が影響を受けることもあります。肺炎を起こすと咳や発熱、呼吸困難などが、心臓に影響が及ぶと不整脈や心停止などが引き起こされます。その他、腎不全や電解質異常、皮膚の発赤や水ぶくれ、肝障害、下痢などが出現することもあります。急性期の症状だけでなく、慢性的な頭痛や疲れやすさ、吐き気などにつながることもあります。また、筋肉や神経、腎臓などの臓器障害が慢性的に進行することもあります。

局所換気装置はどのように設置すればよいですか?

プッシュプル型換気装置とはどのようなものですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?