メタバーススタートアップのセールス事情
ブラック企業出身のほくぴーです。今はメタバース関連のスタートアップでセールスなどやってます。
※XR、メタバース関連のことを説明面倒なのでメタバース、と一括りに言ってます。言葉の定義的なことは一旦無視でお願いします。
メタバースやXRに限ったことではないですが、営業でこれ抑えておけば成果出しやすいかも、というものを自分用にまとめます。商談前のヒアリングの重要度がめちゃくちゃ高い気と感じてるので、その時にこれくらいは確認しよう!というものをピックアップしてつらつらと書きます。
結論から言うと、以下の3つです。
BANT条件
組織把握
動機、熱量
一つずつ見ておきます。
BANT条件
これはセールスであれば当たり前に聞いてると思いますが、内容やニュアンスによっては深追いすると良くない場合があります。
B(予算):当たり前ではあるが、予算がすでに確保されている中での相談なのか、もしくはこれから予算を確保するために金額感を知りたいのか、などによってアプローチの方法が大きく異なります。段階とそのアプローチ方法はそれぞれ下記。
予算確保の検討をするために金額感を知りたい:クライアントが想像していることを可能な限り聞き出し、費用感のレンジの提示。この時、クライアントは具体的な施策は検討してない可能性が高いため、深追いはせずに情報提供に徹するのが良い
予算確保予定で、金額感を知りたい:ヒアリング重視で、フィジビリティに注意しつつ、具体的な施策や企画や金額と一緒提案してあげると良い。このあたりでクライアントが求めているものは、費用の安さなのか、費用対効果効果なのか、将来に対する投資として新しい施策を検討しているのかがおよそわかる。
具体的な予算があり、その中での施策の検討をしている:予算の確保は完了してるので、それを超える金額の提示は、例外を除いて論外。クライアントには明確な目的があるため、その目的を外さないように、筋道の立ったものを提案する。
印象の話だが、XR、メタバースに関しては比較的高単価の相談の方が前に進みやすく、実施確率が高い印象がある。と言うのも、XR/メタバースのマーケットは未成熟であるため、どこも検証フェーズにある。また、3DCGが絡むことが多く、Unityエンジニアも不足してるので単価が高くなりやすい。その中で、低単価の案件は提案できることが少なくなりがち。効率が悪いから受けたくない、なのではなく、予算がないとそもそもできること自体が非常に少なくなる。結果的に大きな予算を確保している相談に関しては、提案も充実するし、成果も出やすい。逆に言えばXRやメタバースが広がっていく際の課題でもある。このあたりSTYLYが解決できるようにしたい。
A(決済者):当たり前だが、誰がそれを決めるのか、と言う話がすごく重要。これ勘違いして欲しくないのは、担当者に決済がない場合は上司を引っ張り出せ!と言うものでは決してない。担当者であっても、決済フローや決済者が求めているものを提示して稟議に出してもらうことができれば普通に通る。ここで言いたのは、「誰が、何を求め、何を、どんな形で提示するのが良いか」をきちんと把握して動こう、と言うもの。決済を持っていない担当者であれば、一緒に上司を説得する仲間として動くことで、大きな成果に結びつくことが多くある。
このあたりの立ち回りの重要性は、後述します。
N(ニーズマッチ):XR、メタバース関連の相談は捌き切れないくらいくる。そもそもの提供しているサービスが、クライアントが抱えてる課題に対してマッチしてるかどうかは非常に重要。メタバースがバズワードになっている現在、なんでもできる魔法の言葉のように使う人もいる。実際は過去の技術の組み合わせだったりするので、できることのレンジはある。あまりにもかけ離れてることを無理矢理実現すると、自分もクライアントにもメリットが小さくなる場合があるので、ミスマッチしている場合はお断りするか、もしくは知ってるマッチしてるサービスを案内する方が長い目でみて全員喜べると感じている。
STYLYでは、クライアントの要望のほとんどを、技術的には可能だと答えることができる。ただ、そういったほとんどの場合、費用対効果が伴わない場合が多いと私は感じてしまうので、アイデアの再考をお願いするのと同時に、メタバースやりたい!といった経緯を深掘りのヒアリングをし、深い場所の課題の発見に努めることにしている。
T(スケジュール感):いつまでに、何を、どの程度やりたいか、そもそもの決済のタイムライン、関係各所との調整の時間軸、など時間に関わること全般。XRやメタバースに関しては、各所を巻き込んで行うことも多々ある。単純に「いつまでにこれをやりたい!」「了解です、〇〇月までに決めていただければ問題ありません!」だとかなり事故る。施策に関わるタイムラインやスケジュールは全て確認する必要がある。
組織把握
組織把握とは、クライアントの会社全体の組織組みを把握すること。XR、メタバース観点からするとこれが想像以上に重要。未成熟な市場なので正解のやり方が確立されていないから。把握する必要がある情報は、大きく分けると下記。
会社全体のミッション、バリュー、など
会社として何を目指してるかを言語化されているので、必ず確認が必要。特にXR、メタバースに関しては会社全体のこととして捉えられることが多いので、担当者と盛り上がった話題、方向性などだけで提案内容を作ってしまうと、最後の方の稟議で落ちる場合が多い
決算資料などに数年後に何を見据えてるか、など書いてることが多いので、要チェック。ここを外さなければ、的外れば提案になることを避けることができる。
商談者が所属してるチームの目標、、ミッション、KPI
多くの人が会社に所属しており、自分の仕事を持っている。その仕事の目標を達成するために動いているので、相手先のチーム、部署の目標やKPIをヒアリングし、「相手の目標、KPIを達成するため」に一緒になって考える必要がある。細分化すると下記のようなイメージ。
新規事業の創出
シナジーあるメタバース市場への参入方法の検討
協業方法の検討
XR、メタバースを効果的に活用方法(この場合、XRが手段ではなく目的になってる可能性があるので要深掘り)
情報収集段階(ただの興味本位の場合もあり)
その他、部署が持っている目標や他部署との関連、どんな立ち位置か、どこの部署の誰を巻き込む必要がありそうか、など、あらゆる観点から相談内容を実現するための情報提供とヒアリングをする必要がある。
商談者自身のこと
これは下記に詳しく書く。
動機、熱量
XR、メタバースについては、関係者の動機と熱量も重要。なぜ重要か。
動機が重要な理由:興味本意であれば案件することはなく、話は盛り上がるが成果に繋がらない場合がある。なので、「個人的に興味を持っているだけ」なのか、「会社として取り組もうとしていること」なのかで話は大きく変わってくる。代表の方や役職者であっても、個人的にめちゃめちゃ興味あるが、会社として取り組む話ではないことだってある。なので、「なぜ相談に来たか、なぜ取り組もうとしているか」は重要。
熱量が重要な理由:会社として「リサーチしてこい!」と言われた担当者が熱量がなければ、単にやらされ仕事でつまらないと感じているだろう。そうなると担当者からすれば話が進めば進むほどやりたくない仕事が増えることになるので、話を進めたくない気持ちになる。本人がそもそもXR、メタバースに興味あるかどうか、は話が進むかどうかの一定の判断基準にはなる。
まとめ
書いてみたけどまだまだ言語化が足りない気がするので、図解などできるようにもしてみます。また、今回はセールスノウハウ(売上を作っていく)の観点で書きましたが、基本的には要望を伺って最善の策を提案するスタンスでおります。相談があれば全て受けますし、私が思う最善策を必ず提示しますので、ぜひお気軽にご相談ください(TwitterのDMでもOKです)
また、最後になりますが、Psychic VR Labではセールスを募集しております。必ずしも上記のようなことをやれる必要はなく、僕が勝手に「こうやったらいいんじゃないか?」と思ってるだけです。必要なのはXR、メタバースに対する熱量だけです。もしご興味があれば、ぜひDMください!
おしまい。
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