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進化する医学、その情報が命を繋ぐ。ー現場の医師を支える医学情報アプリ

医師といえば、どんなイメージを思い浮かべますか?冷静で的確な判断を下し、患者の命を守る頼れる存在——そんな印象を抱く方も多いと思います。しかし、その冷静な判断の裏には、膨大な医学情報を日々収集し、最新の知識を診療に反映させる努力が欠かせません。
医師にとって、医学情報を常に更新し続けることは、患者の命を守るための重要な責務です。しかし、日々の診療や患者対応の中で、必要な情報を効率よく収集し、適切に活用するのは簡単なことではありません。

今回の記事では、聖路加国際病院 血液内科の藤野先生に、医療現場における情報の重要性や、日々の情報収集の在り方、さらにはHOKUTOの役割についてお話を伺いました。


最新かつ正確な医学情報の重要性

鎌田)藤野先生、本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、診療の現場で医学情報の重要性についてどのように感じていらっしゃいますか?

藤野先生)こちらこそよろしくお願いします。患者さんが適切な治療を受け、生活の質を向上させるためには、正確で最新の医学情報が欠かせません。特に、私の専門分野である血液内科では、治療法が頻繁に更新されるため、情報収集を怠ると診療に支障をきたすこともあります。

鎌田)頻繁に見直される治療法とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

藤野先生)血液内科では、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など、多くの病気を扱います。それぞれ治療法が異なり、その中でも「標準治療」と呼ばれる、現在の医学で最も有効性と安全性が高い治療法が定期的に更新されます。これに基づいて治療方針を選択するため、最新のガイドラインや臨床試験のデータを常にアップデートしておくことが求められるのです。情報が更新されていなければ、患者さんへの説明が不十分になったり、最適な治療法を提示できないこともあります。

編集部補足
白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫は、患者さんの命を一瞬にして脅かすほど進行が早い重大な疾患です。しかし、医療の進歩により、これらの病気でも早期に適切な治療を受けることで、生存率を向上させることが十分に期待できる時代になりました。そのため、医師が最新の医学情報を把握し、最適な治療法を迅速に提供することが重要です。医師の知識と判断は、患者さんとそのご家族にとって「命の架け橋」となるのです。

鎌田)患者さんの信頼を得るためにも、医師が正確な情報を把握するのは大切ですね。

藤野先生)はい。最近では、患者さんがインターネットで調べた情報を基に受診されるケースが増えています。ただし、インターネット上の情報には誤りも多いため、患者さんの誤解を解き、正しい医学情報を提供するのも医師の重要な役割です。一方で、膨大な情報を追い続けることは医師にとって大きな負担です。特に聖路加国際病院のように多くの診療科をカバーする病院では、あらゆる疾患の最新情報を把握し続ける必要があり、情報収集の負担がさらに増します。

膨大な医学情報をいかに効率よく収集するか

鎌田)膨大な情報の中から必要なものを選ぶのは難しそうです。普段、どのように情報を収集されていますか?

藤野先生)基本的には、原著論文を直接確認することを心がけています。原著論文とは、医師や研究者が行った独自の研究結果を初めて発表する論文のことです。ただ、日々膨大な量が発表されるため、効率よく情報を得るために、信頼性の高い二次情報を活用しています。

鎌田)具体的には、どのような二次情報を利用されているのですか?

藤野先生)「UpToDate」という医療従事者向けのエビデンスベース情報サイトや、診断や治療の根拠と手順を専門家がまとめた「診療ガイドライン」をよく活用します。これらの概要を把握した上で、特に重要なテーマについては原著論文を確認し、深く掘り下げています。

鎌田)なるほど、効率よく情報を収集されているのですね。他にも参考にされている情報源はありますか?

藤野先生)国際的な情報源としては、アメリカのNCCNガイドラインをよく参照します。特にがん診療の分野では、このガイドラインが国際的な標準となっているため、最新の知見を把握する上で欠かせません。

鎌田)お忙しい中で、それだけの情報を追い続ける時間はどのように確保されているのでしょうか?

藤野先生)勤務中に情報収集する時間を確保するのは難しいため、主に勤務後の時間を活用しています。1日3時間ほどを自己研鑽に充てるようにしていますが、夜勤や外勤、家族との時間もあるため、毎日取り組めるわけではありません。働き方改革のおかげで、以前より時間の余裕は増えましたが、自主的な努力が求められる時代です。情報収集や学習の取り組み方は医師ごとに異なるため、日々の診療スタイルにも違いが表れると感じています。

HOKUTO=「縁の下の力持ち」

鎌田)そのような状況でHOKUTOを活用されていると聞きましたが、どのように役立っていますか?

藤野先生)HOKUTOは、診療に必要な情報が一つのアプリにまとまっているため非常に便利ですね。豊富な情報と、優れた検索機能のおかげで、「この情報が必要だ」と思ったときに、スマートフォンでHOKUTOを開けば一瞬で確認でき、他の資料を探す手間を省けます。

鎌田)他にもおすすめの機能はありますか?

藤野先生)専門医が監修した記事も非常に役立ちます。日常診療でよく直面するテーマに関する情報がわかりやすくまとめられており、診療中にも即座に参考にできます。

鎌田)HOKUTOに今後期待することはありますか?

藤野先生)これからも、臨床の現場で役立つ情報を「無駄なく」「スムーズに」提供してほしいですね。HOKUTOは自分にとってまさに「縁の下の力持ち」の存在だと思います。動作が重くならないよう、今の軽快さを保ちつつ、オリジナルコンテンツをさらに充実させてもらえると嬉しいです。

藤野 貴久先生
聖路加国際病院 血液内科 常勤嘱託医 / フェロー

  • 学歴・経歴

    • 2016年3月 福岡大学 医学部 卒業

    • 2018年3月 聖路加国際病院 初期研修 修了(ベストレジデント受賞)

    • 2019年 自治医科大学さいたま医療センター 集中治療部、諏訪中央病院などで院外研修を経て内科チーフレジデント 就任

    • 2021年3月 聖路加国際病院 内科専攻医プログラム 修了

    • 2021年~ 現職に就任

    • 2022年~ 内科チーフフェロー

私たちHOKUTOは、「より良い医療を届ける世界の医療従事者のために」をミッションに掲げ、医師が直面する情報収集や診療現場での負担を軽減するためのソリューションを提供しています。この記事を通じて、私たちが取り組む課題やその価値を感じていただき、一緒に未来の医療を形作る一員になっていただければ幸いです。


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