インクジェットと印刷の違いの解説 インクジェットはアート作品になる タブレット絵画の可能性
1.いろいろな印刷手法
印刷手法には、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷があり、最終印刷物の用途によりその印刷手法が決まります。
1-1 凸版印刷(活版印刷やフレキソ印刷)
印鑑や木版画の手法で,版の盛り上がったところについたインクを紙に押しつけて印刷します。
以前は書籍やはがきなど文字物に多く使用され、最近はパッケージ印刷に使用されています。
凸版画、木版画などwikiより凸版(とっぱん)は、インクをローラーなどで版の出っ張った部分だけに付着させて、版に紙をバレンまたはプレスで押しつけて、紙に写し取るという方法である。
凸版の製版では、版の出っ張った部分を作る作業を行なう。それを簡単にできるように、版の材料として、加工がしやすい材質の物が好まれる。
例えば、木材、ゴム、リノリユムなどが凸版の版の材質としてよく使われる。 凸版画とは、凸版という方法で印刷された結果の物を指す場合もあれば、凸版の意味で使われることもある。
凸版の製版は、版の出っ張った部分が、原画を左右反転させた鏡像になるようにして、製作する。
凸版画には、木版画、リノリウム板を版材とするリノカット、ごむ版画、芋版画、紙版画などが含まれる。
凸版の製版に必要な道具は、比較的安価に入手でき、また販売されている場所も比較的多い。製版の作業も比較的簡単である。
1-2 凹版印刷(グラビア印刷)
金属や石などの版に彫刻し、版面全体にインキを入れた後に、表面のインキをそぎ取り、用紙に押しつけて印刷します。
大部数印刷する場合や、菓子や食品などの軟包装フィルムなどのパッケージ印刷に使用されています。
凹版画、エッジング、メゾチントなどwikiより
西洋美術の世界では、もっとも広く用いられた版画技法であり、とりわけルネサンス期以降、銅を版材とする銅版画において多くの製版技法が開発・蓄積されてきた。
平版画や孔版画が未発達であった19世紀以前においては、単に版画といえば、多くの場合に「銅による凹版画」を指していた
。銅が高価なため、今日では工業用や教材用としてポリ塩化ビニル板なども用いられるが、美術作品としては依然として銅材によるものが多い。
凹版画の印刷手順はまず、版全体にインクを乗せたのちに、これを布などで拭き、凹部にのみインクを残す。
あとは、この版と紙を重ねて圧力をかければ、凹部のインクが転写されて完成である。
しかし製版の手順は、それほど単純ではない。版の凹部をどう作るかで、いくつかの技法があり、大きく直接法と間接法に分かれている。
版に直接に凹部を刻む場合が直接法、酸などの浸食作用を利用して版面に凹部を作るのが間接法である。
単一技法による作品もあれば、併用される場合もある。 ここでは直接法としてエングレービング、ドライポイント、メゾチントを、間接法としてエッチング、アクアチントについて詳説する。
1-3 孔版印刷法/スクリーン印刷
絵柄部分を切り抜いた型紙を使用し、画像となる部分が網目状に開いているため、その部分にインキを塗布し押し出すことで紙に転写し印刷します。
紙以外の被印刷体繊維、プラスチック、ガラスなどの曲面体に印刷することが可能です。
シルクスクリーンとはwikiより
20世紀初頭に芸術の表現方法としての可能性をさぐるように実験的に芸術作品として使われ始めるより以前は、主に商業印刷の目的で広く利用されていた。
1950年代後半以降、シルクスクリーンを使った作品を発表した作家の先駆者として特に有名な作家として、アメリカのロバート・ラウシェンバーグとアンディー・ウォーホルがあげられる。
この2人は、ともにアメリカのポップアートの作家でもある。
ロバート・ラウシェンバーグはキャンバスにシルクスクリーンの技法で写真を転写した。アンディー・ウォーホルは1960年代に、ポップアートのシルクスクリーン版画作品を積極的に発表した。
そのような先駆者の作品の影響で、シルクスクリーンによる表現方法が、芸術の表現方法の一つとして確立し根を下ろしたと世間に認知されるようになった。
日本人作家では、木村光佑が1970年代以降、国際的な版画のコンクールや展覧会などで版画を取り入れた作品を発表し、受賞するなどして注目を集めた。
木村秀樹は1974年に開催された第9回東京国際版画ビエンナーレで京都国立近代美術館賞を受賞し、注目を集めた。
横尾忠則は、シルクスクリーンやリトグラフなどの版画作品を発表した。
1-4 平版印刷(オフセット印刷)
版は画像部とそうでない部分が同一平面上にあり、水と油の反発を利用して印刷します。
水がつけられることでインキの着くところ着かないところが分けられ、こうしてついた版面のインクを油性インクになじみやすいゴムのドラムに一度転写してから紙に押しつけて印刷するやりかたです。
現在の主流となっている印刷で商業印刷、パッケージ印刷に使用されています。
これはリトグラフに当たります。
wikiより
リトグラフとはリトグラフ (lithograph)とは
版画の一種。平版画。水と油の反発作用を利用した版種で、製作過程は大きく「描画」「製版」「刷り」の3工程にわかれる。
ほかの孔版画、凹版画、凸版画などに比べると複雑で時間も多く要する。
クレヨンの独特のテクスチャや、強い線、きめ細かい線、筆の効果、インクを飛ばした効果など、描写したものをそのまま紙に刷ることができる。
多色刷りも可能で、版を重ねるにつれて艶を有した独特の質感が出てくる。
と印刷技法を学んだところで、インジェットとレーザーという印刷技法はどうなのか
となってくる。
レーザープリンタとはコンピュータから送られた印刷イメージデータを内部の演算プロセッサでメモリ上に展開、これは版画デジタル化したということである。
帯電された感光体(大抵はドラム型)にレーザー等の光源を用いてイメージを照射し、その部位の電圧を変化させる。
電圧の変化した部分にトナー(顔料+ワックス+外添剤で出来ている粉)が静電気の力で付着する(外添剤の働きにより、静電気に反応しやすい)。
感光体上に出来たトナーの電気的な潜在画像は、感光体とは逆の電圧(電位)がかかっている転写ロールにより用紙に転写される(転写ロールの上を用紙が通過)。
その後、定着ローラーの熱と圧力によって用紙上にトナーを定着させ、紙の上に印刷結果が得られる。
基本的には今までの印刷と同じようにドット構成になっている為、拡大してみるとドットが見える、光沢が出るという点がレーザープリントの特徴となっている。
現在では長尺のレーザープリンタなども登場しており、欧州や世界では壁紙などもこの手法によって製造されることが多い。
ただし、幅限界が600mmくらいであるため、日本では普及していたない為このプリンタの存在を知る人は少ない。
また、レーザーは静電気の力を使い、トナーを配り熱によって定着させるため、ロールが接触するので通すことができるシートは制限される。
インクジェット、ジークレーは同じものを指します。
そもそも、シークレーとは吹き付けて描くというフランス語です。イギリスのメーカーがジークレーという商標権をとりブランデイングしてきた歴史があり、その商標権が切れてからは
一般的に使われるようになってきました。つまり、ジークレーはインクジェットのことを指しています。
インクジェットに関しては、キャノンとEPSONの違いでプリンタヘッドの違いを解説しています。
こちらをご参照ください。
その上で、インクジェットには水性、溶剤、ソルベント、ラテックス、UVというインクの種類があります。この件は後日別にまとめて解説します。
インクジェットの大きなポイントはシートと全く接触することなくインクを打ち込んでいくという点にあります。
この事によって機材の選択肢は格段に広がったという点が大きな変化であります。
しかしながら、印刷の歴史には紙、布、フィルムという規定材と共に進化してきたということがあるためにその発想がその規定材の限界を越える事ができない。
HOKUSHINは塗壁メーカーという歴史を持ちその規定材の質感をバリエーション多く提供できる可能性があると考えています。
アート作品と考えた場合インクジェットにしかなしえない表現というものがどこにあるのかということをまず認識する必要がります
その点から考えれば、凹凸というものに対する許容度は明らかにインクジェットという手法以外には開拓できないと考えられ、そしてそれが多くの可能性を秘めている事がわかっていただけると
思います。
また、版画デジタル化してきたこと、さらにはデジタルカメラの進化、さらにはiPadやタブレットで描かれる作品たちはもっともアート作品としてなり得る可能性を秘めていると
考えることができます。
そういう意味において、歴史に残る作品として残せる可能性、潜在能力が多くあるのがこのインクジェットによるアート作品の創出という事であると考えられます。
ご興味にのある方は、コメントをぜひください。
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