見出し画像

#018 フラの祭典、メリーモナーク・フェスティバルに見るオキナ問題

ハワイイのテレビ局であるK5がライブストリーミング中継をしているフラの祭典、第61回 メリーモナーク・フェスティバルを観ておりまして、合間のコマーシャル映像のひとつとしてハワイイ・フォード・ディーラーズのそれが流れるんですが、
ロゴの表記が HAWAIʻI ではなくて HAWAI'I になっているのが非常に気になる。

いやnoteのフォントで書くと判別しにくいんですけど、つまり、本来のオキナではなくアポストロフィになってるんですよね。
これ、誰も指摘せずに通っちゃったんだろうか。

HAWAII NEWS NOW のサイトから拝借したオープニング画像。

ちなみに冒頭の写真がオキナです。
アポストロフィがアラビア数字の「9」の向きだとすれば、「6」の向きになるのがオキナで、言語学的には「声門閉鎖音」と呼ばれるらしい。

オキナは単なる記号ではなく、ハワイイ語では文字の一つと見なされていて、音でいうと日本語の小さな「ッ」に近いか。
大げさに書くなら
ハワイッイと
いう感じ。

部外者がこうしてオキナ警察みたいなことをあげつらうのにはいささかの躊躇があったんですけど、言語はその土地の歴史や文化を表すものですから、無神経に、雑に扱っていいものではないと思うんです。

その点で言うと、そもそも文字という表記を持たなかった言語にアルファベットを充ててしまうことの乱暴性、というのがまず指摘されるべきなんですが、それはここではいったん措いて話を進めましょう。

堂々たるミス。誰も指摘しないのか。

こうして、メリーモナーク・フェスティバルというハワイイの固有文化を継承するイベントのスポンサーでありサポーターとなっている会社なわけですから、なんとも残念です。

しかも、メリーモナーク・フェスティバルの放送における発見例はこれだけではないんですよ。

フラにまつわる様々なアイテムを扱う事業をおこなっている、アロハ・フラ・サプライという会社がありますね、ここのコマーシャルは先に紹介したフォードよりもずっと頻繁に流れますが、なんとここでもミスが。

メリモ向けのCMなのに

ミスの例がひとつだけではないとなると、しかも無知な個人ではなく名だたる大手のそれだとなると、だいぶ複雑な気持ちになります。
どう理解したらいいのか。

特にアロハ・フラ・サプライの方は、過去のメリーモナークでも何度も見ているコマーシャルなわけで、このミスがおそらくずっと放置されてきていると考えられるんですよね。
「あるあるミス」として黙認する雰囲気があるのか、あるいはもはやアポストロフィでも良し、というコンセンサスができていたりするんでしょうか…?
いやそれだとしても、開き直らずきちんと修正するべきなんじゃないのか。
謎です。事情を知る識者に教えてほしいものです。

いいなと思ったら応援しよう!