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#026 ハワイイのホームセンターに関する豆歴史

Hardware Hawaii
って、言ってみればホームセンターなんですけど、CITY MILL と並んでハワイイの地場の店ゆえ、やはり THE HOME DEPOT とか Ace Hardware とかアメリカ本土資本のホームセンターは脇に置いて、こっちに肩入れしたくなるのが人情ってものです。

沿革の記すところによりますと、元はミネソタ州ミネアポリスの田舎町で興した事業だそうで、その経営者が家族旅行で訪れたハワイイをいたく気に入って、ミネアポリスの事業を売却してハワイイに移り、1954年に Hardware Hawaii を設立した
とのこと。
てことは、今年は創業70周年ですね。

いや ちょっとした買い物をした際に、その70周年メモリアルで製作したらしいカレンダーをもらったんですよ。
これが毎月、創業以来のいろんな歴史的写真が掲載されておりまして、じつに味わい深いんです。

例えば2月のカレンダーは、Hardware Hawaii が創業に合わせて最初に出店したカイルアショッピングセンターのオープンを知らせる、1954年6月19日のホノルル・アドバタイザー紙の新聞広告。

カイルアショッピングセンターのオープンを知らせる 1954年6月19日の新聞広告

ちなみに現在のカイルア店は、カイルアショッピングセンター内にはなく、さほど遠くない場所に移転して営業しています。
このカレンダーはそこでもらいました。
他に、マプナプナとカポレイと、なぜかカウアイ島コロアの計4店舗を展開しており、カポレイ店以外は過去に訪れてみたことがあります。

そしてこのトンカチのロゴマーク。いいですねえ。
縦並びの
H (ardware)
H (awaii)
をうまく図案化しており、魅力的です。⁡

プラカゴ欲しい病。商品でないのがもったいない。

なお、THE HOME DEPOT と Ace Hardware、それから CITY MILL についても触れておきましょう。

THE HOME DEPOT が初めてハワイイに登場したのは1993年。アメリカで最も規模が大きいホームセンターのチェーン出店です。

一方 Ace Hardware はというと、こちらも全米に展開するチェーン店ではありますが、各店舗はそれぞれ独立した所有者によってフランチャイズ運営される形となっているのが THE HOME DEPOT とは違う点です。
Ace Hardware は、こういった小売業者が独占株主となる協同組合であり、この文の冒頭で「アメリカ本土資本のホームセンター」と書いたのは、早計かつ乱暴でしたね。

例えばハワイイに関して言うと、マウイ島、ハワイイ島、カウアイ島にある14店舗の Ace Hardware は HouseMart というハワイイの会社によって運営されています(これらを Ace Hardware Hawaii と称しています)が、オアフ島の5店舗に関しては、HouseMart とは異なる企業または個人がフランチャイズオーナーとなっていて、Aceというブランドの下にはありながらも、それぞれ自主独立の思惑のようなものがうかがえます。

最後に Hardware Hawaii と並ぶハワイイ地場のホームセンター CITY MILL は、中国からの移民が1899年にホノルルのチャイナタウンで木材輸入と米精米のビジネスを始めたのが母体。その会社を CITY MILL と命名したのだそうです。
ホームセンターとしては、1950年にニミッツ店を1号店として開業。カイムキ店は4番目の店舗として1984年にオープンしたとのこと。現在、オアフ島に全8店舗を展開。
今でも、その創業家の一族が経営しています。


こんな具合に、ハワイイのホームセンターひとつとってみても、それぞれに歴史や成り立ちが違い、そりゃ小売業ですから販売している物品には特段の差異はないかもしれませんが、そういう現在に至るまでの道は、それぞれ違う。
Hardware Hawaii のカレンダーのおかげで、いろいろとまた新たに知ることができました。感謝。

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