#016 ハワイイのスリフトストアはワンダーランドだと思う
ジョギングをしたり、蕎麦を茹でてラナイで食べたり、スーパーに買い物に行ったりと、短いハワイイの滞在中でも日本にいるときとたいして変わらない日常を過ごします。
むしろ「日頃と同じ生活行為を異なる環境でやることで際立って感じられる、違いの部分」を楽しんでいる、という感じ。
そのなかで、スリフトストアを巡ることだけは、少しスペシャルな行為です。
thrift=倹約。
衣食住全般にわたる各種の雑多な寄付物品を、非営利で販売している店のことを、スリフトストアと称します。
ハワイイを訪れる観光客にも割と知られているものとしては、Saversがあるでしょうか。
アンティークショップが、主に希少性などの意味付けであらかじめ商品としての市場的な価値が約束された物品を扱っているのとは異なり、スリフトストアでは、一応の値付けはあるとはいえ、当方の意思とのマッチングこそが価値を決めると言っても良いと思います。
並べられている品々を眺めることで、現地の普通の人たちの生活を垣間見ることができるのがまず楽しい。
現地の人たちがじっくり品定めして何を買っているのかをこっそり盗み見るのも楽しいし、さらに当方も物色の中であわよくば何か気に入り、買って帰るものが見つかったりすれば、そりゃもう楽しさは数倍になります。
さてこの写真は、街中にあるドネーションコンテナ。住民から無償寄付される物品をいったん無作為に受け付けて、いずれそれらが選別されて格安の商品となり店舗に並び、あるいは誰かの手元に渡ることになるわけですね。
行ける範囲にあるスリフトストアは大小問わず全店舗を訪れますし、それでも飽き足らず、最近は不用品を日本から持参するようにしています。
いつだったか。ローカルの枯れたオジイチャンがソース瓶サイズの小さな仏像(のような?そうでないような?もの)をひとつ、しっかと握りしめてレジに向かうのを見て、妻が「ああいうものなら実家にも転がってるよね」と。
そうか!
ということで、日本を発つときのスーツケースに、ドネーションのための不用物を詰めるのが習慣になりました。
観光客としてハワイイをただ消費するばかりではなく、生活サイクルの一部に加担させてもらうという新しい楽しみを見つけて、ハワイイやスリフトストアを訪れる喜びが、さらに増すことに。
そのスリフトストアの代表的なものが、創業100年を超える、非営利団体 Goodwill。
単に寄付された不用品を無料回収して販売するリユースストア、というだけの存在ではないんです。
不用品販売による収益の多くを、障がい者や失業者や移民など社会的に不利な立場にある人たちが社会復帰するための「支援」に充てているのでありまして。
支援内容としては、例えば職業訓練プログラム。
金融、医療、コンピュータープログラミングなど、幅広い分野をサポートしているとのこと。
さらに、キャリアアップ支援。
職業訓練プログラムで培った知識やスキルを活かして職探しやキャリアアップにつなげるための、手助けまでも行っているそうです。
不用品を処分する人やそれを安価に購入する人、という狭いループにとどまらず、広く皆が幸せになれる、すばらしいシステムだと思います。
と、なんだか頼まれもしないのに宣伝するような形になっちゃいましたが。
アジアだと韓国、台湾、タイに組織があるらしい。同じように日本でも展開すればいいのになー。
ちなみにこちらは、某スリフトストアで$1.99で購入したコーヒーメーカー。おやハワイイのダイナーっぽくてちょっといい組み合わせだな、と思いついて、アロハ醤油と並べてみました。
毎度、何かしら買って帰っていますので、スリフトストア購入物件の報告もおいおい記事にしていきますね。