ドラマ「アンメット」第9話感想

昏睡状態だと思われていたが、『身体が硬直して動かないが、意識がある』。
そんな患者さん(なおちゃん)が、今回、大迫教授(井浦新さん)と三瓶先生(若葉竜也さん)の過去として出てきた。三瓶先生は周囲の反対を押し切って「ITB療法」という当時の未承認薬・方法(?)を使用し、なおちゃんは「おかあさん」と一言、発することが出来た。しかし、1週間後、肺炎で亡くなってしまう。

三瓶先生には兄がいた。重度障がいがあり、既に亡くなってしまっていることも三瓶先生の口から語られる。

三瓶先生が脳性麻痺や重度障害に対して、諦めないのはそういったお兄さんやなおちゃんの存在があるから。当時の葛藤や、後悔、色んな感情があると思われる。

物語は、そういった過去を踏まえて、ミヤビ先生(杉咲花さん)の脳には「ノーマンズランド」と言われる、メスを入れてはいけないとされる領域に問題があることが大迫教授からミヤビ先生に伝えられる。”メスを入れてはいけない領域”であっても三瓶先生ならば、諦めないで、可能性にかけて手術をしようとしてしまうことを恐れて、大迫教授はその事実を隠していた。

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今回、ドラマ視聴中からずっと、考えていたのは、ドラマの物語からは外れるが、ALS末期等になることがある「閉じ込め症候群」についてだった。ドラマの「なおちゃん」はALSではないし(脳幹の損傷となっていた)、医療的には違うのかもしれないが、四肢が動かせず、眼球などでも意思を伝える方法がない状態になった時に、自分が「何を思い、どうしたいと考えるのか」を思っていた。

ドラマの「なおちゃん」は献身的な介護をする母(池脇千鶴さん)が、聞こえていることに気づき、三瓶先生に伝えることで、ITB療法を行うことが出来る。聞こえていて、感じていることが、伝えられてなおちゃんは嬉しかったと思う。

だからこそ、同じ状況に自分がなった時に、『どうしたいか、何を考えているか』を伝えられなくなることは、恐怖でしかない。この一言を書くことが、現在、同じ状況で闘病されている方・看病されている方を傷つけることになってしまわないか、とも考える。傷つける意図はないのですが、表現が稚拙で申し訳ありません。


なおちゃんには、お母さんという、寄り添い、気づいてくれる存在がいた。
それが救いであるように思う。
※介護を母親がすべき、ということではありません。



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