三曲演奏会
5月に、三曲演奏会に行ってきた。
三曲とは一般に【箏・三絃(三味線)・尺八】を指す。
邦楽の演奏会である。
今、お稽古をお休みしているので、参加は出来ない。2年ぶりに聴く邦楽の演奏曲は、以前、自分が弾いていた曲もあり、「懐かしい」という印象。
と共に、やっぱり、また弾いて参加したい、と思った。
先生に一対一で受けるお稽古も好きなのだが、演奏会のために、大人数で一斉にお稽古するのが、好きなのだ。
途中、合間をぬって、先生に挨拶に伺う。私の体調など色々事情があることを考慮して、「落ち着いたら、またいらっしゃい」と優しくおっしゃっていただける。親しくさせてい頂いている生徒さんやその家族の方とも、久しぶりに少しお話した。
今回、演奏会に行って、邦楽の世界が直面している問題を再認識する。
高齢化だ。
演奏する人も、聴きに来場していただける人も高齢化して、人数そのものが減っている。勿論、若くて参加されている人もいらっしゃるが、減っていく人数を上回れない印象。演奏会そのものの運営も、三曲協会の運営も、人手や予算が必要なので、最低限の人数を維持しないと立ち行かなくなってしまう。
先生も確実にお年を召して、演奏そのものは相変わらず素晴らしいが、移動などにも社中(しゃちゅう:邦楽では、指導者の主催する会派のようなもの、またその同門の仲間をそのように言うことがあります)の生徒さんのサポートが必要な場面が出てきている様子。
再開するには、まず自身の体調であるが、加えて私の中の人生での優先順位も考えなくてはならない。
実際にお稽古を再開すると、お稽古日以外に毎月週末や祝日の何回か、演奏会の前なら立て続けに土日がお稽古で埋まってしまう。これは精力的に色々な演奏会に参加している師についているお弟子さん『あるある』である。そして、出費。お月謝・演奏会参加費・協会会費・着物を着たりすればメンテナンス代等も用意しないといけない。
自分がどう生きて行きたいか、何を取捨選択すべきなのか、ここでも迷う。
今は、お稽古をお休みしているので、思い立ってダムや温泉などに気分で出かけられる。しかし、お休みにお稽古へ出かけてしまうと、休みが休みで無くなる。お稽古に朝から出掛けるので、身体は疲れ、空いた休日が、本当に休むだけの日になってしまうのも寂しい。そういう意味では、お稽古をお休みしてからの休日は、一般的な休日として過ごせている。
お稽古をお休みする前は好きでしているお稽古だったが、やはり、疲れていた。お稽古をお休みしてからの休日にのんびり過ごしてみて、それを実感している。
それはそれとして、私一人が増えても現状が変わる訳ではないが、少しでも社中に貢献したい気持ちもある。
私はどうしたいのだろうか。
まずは体調が回復してからの問題として棚上げしてしまおう。
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