⓮s0/Mungo Enterprises
1985年。航空機が墜落し、石立鉄男さんの連続レギュラー番組出演記録が止まった年。楽器業界はサンプラーの出現で活気づいていた。Prophet5は購入できたが、フェアライト、Emuといった数100万円以上の高級機種はさすがに手が出せず、何とかサンプラーを買いたいと思い、そこで398000円のMirageと222800円のAkaiS-612に照準を合わせた。すると158000円でS612がLaoxの中古フェアに出る情報を察知し前日から泊まり込みで並んだ。大学に入ったものの厭世観のあった私はその時並んだメンバーに「一緒に硬式野球部に入ろう!」と声掛けし、その数日後に野球部の門を叩いたのであった。大きく人生の変わった徹夜の1日であった。
そしてそのS-612は野球部に入るまでの夏休みに使い倒した。サンプリングしたものを逆回転させたりスピード変えたりするのが新鮮でとても楽しかった。JohnFoxxがTEACのマルチオープンでGardenを作ったと聞いて買ったTEACの40-4で録音して「Youth People」という作品を作った。ラジオのセリフをループさせてそこに握力強化のグリップの音を被せるというモノ。当時は楽器音をマルチサンプルして出そうとしていた時代なので早かったかなと思う。
という歴史を思いださせるモジュールがこちら。S612と同じことが簡単にできる。SDカードから2音しかLOADできないのも当時と同じ。いじっていると数時間経ってしまう。現在SDに入っているのは天本さんの声。くだらんループを35年前と同じように作って一人で笑っている。人間は進歩しないものだ