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「今日のニュース8/29 米国の農地価格、10年で5割の値上がり」

米国で機関投資家や、不動産投資信託(REIT)による農地への投資が増えている。これにより、2022年の農地価格は過去20年で最高値となった。また、不動産業者団体リアルターズ・ランド・インスティチュートによると、アイオワ州の農地の買い手に占める投資家の割合は3月に35%と19年(18%)に比べ約2倍に増えた。世界人口の増加やロシアのウクライナ侵攻などによる食料危機を背景に農地の重要さが改めて認識されたことが原因として挙げられる。また、株や債券との相関が低いのも農地投資の強みである。世界有数の穀倉地帯の米国の農地にマネーが流入すれば、食料増産や輸出拡大につながるとの期待も広がっている。

米農地平均価格推移

また、農地は当然であるが、キャピタルゲインだけでなく、農業従事者に貸し出すことで収入が見込める。米国の農地投資のリターンを示す指数を算出する全米不動産投資受託者協会(NCREIF)によると、小麦など一年生の作物を育てる農地の21年の年間リターンは11%となっている。一年生作物を育てる農地に投資する場合は土地を農家に貸して賃貸収入を得る。果物など多年生作物は機関投資家が付加価値を付けて作物を売って、利益を得るのが一般的だとする。

また、農地を投資家が保有することで、商業開発や太陽光発電の設置による農地の減少を防ぐとの見方もある。農地を買った投資家は農家に生産を任せるため、開発から守る効果があるのだ。


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