徒然なるままに気後れ。 -第二十一回-
近況
今週末はLIVEです。
通常通り金曜日に配信しているとしたら明日ですね。
頑張ります。
まだ配信は買えるんで観てください。
…と告知はしておきます。
あ、今回の大テーマは「冠婚葬祭」です。
冠婚葬祭ハイ
はぁ…次はお姉ちゃんの結婚式か…
瓶ビールを片手にロミィは呟いた。
ここ最近冠婚葬祭が続いている。
そういえば担任の先生がこぼしてたっけ…
''最近友達がどんどん結婚していって大変なのよ''
先生もこんな感じだったのかなぁ…
期待と嫉妬で少し濁ったビールを瓶の底まで飲み干した。
…昔から決断は遅い方だった。
ファミレスでのオーダーも
クラス会での発言も
パチットモンスターの最初の3匹でさえ
なかなか選ぶことができず周りを困らせていた。
いわゆる青春と呼べる時代はすぐに消え去り
中身のない責任だけが重く背中にのしかかっている。
身体は大人でも中身は子供のまま。
例えるなら逆名探偵カナンだ。
そんなジョークに笑えるはずもなく
机に突っ伏して眠りにつくふりをした
失意とともに重力とビールが逆流を始める。
もはや婚期を逃してしまったのは確実だろう。
時間が解決してくれるはずだった失敗を引きずったまま
気付けばこんな歳になってしまった。
はぁ…次はお姉ちゃんのお葬式か…
空のビール瓶が細かく震えていた。
冠祭の憂鬱
「葬のやつまたドラマ決まったらしいぜ」
「マジかよあんな辛気臭いやつのどこがいいんだよ」
「ほんとだよな~」
現在売り出し中のアイドルグループ''冠婚葬祭''
その楽屋は今日も愚痴ばかり
…と言ってもネタは決まって葬についてだ。
「婚はわかんだよあいつは魅力的だよ」
「そうだな!俺らとしても誇らしいよ」
「でもよ葬はダメだあいつは」
「それな!なんつーかハナから期待されてないっつーか」
「まず期待するのなんて不謹慎…っつーかな!」
「でもな?あいつには数は少ないけど太いファンが付いてんだよ」
「あ~なんかいるよなそういう逆張りオタク的なヤツ?」
「そうそう…葬くんかわいそう!私が推してあげなきゃ!みたいな?」
「…そうそうそうそううるせぇよ!」
「あぁ…すまん」
「…まぁヤツらは金に糸目付けないからエグいんだよな」
「な!一人で同じバッジ50個とかブロマイド100枚とか買うんだぜ」
「痛バ作ったり布教とか言ってバラまいたりな!」
「結局周りがウンザリしちゃってフリマサイトで売るんだよ」
「あいつのグッズめっちゃ値崩れしてるもんな!!」
「まぁ、俺らはそれにおまけで付けられるんだけどな…」
「やめろよ!」
「…」
「…リサイクルショップとかあいつのグッズばっかだもんな!」
「俺らのグッズは買い取り拒否らしいぜ…」
「やめろよ!」
「…」
「…あいつ嫌いな芸能人ランキングで上位だもんな!」
「冠婚葬祭のタレントパワー 婚が70%で葬が30%らしいぜ…」
「え…」
「俺らももっと頑張ろう...」
「おう…そうだな…」
これぞ冠祭の憂鬱
おめでとうさようなら知らない人
今日は日差しが強いから
南口から駅を出た
乾いた舞台で踊ってる
知らない人が笑ってる
ここではたくさんの涙と達成感のカタマリが
空に浮かんで消えていく
弔いの歌は蛇か小鳥か
最初で最後の恥じらい
どうか目を背けないで
当たり前だと思ってた人生が 音をたてて消えていく
最後の景色はあなたのあくびと白い花でした
今日は少し肌寒いから
北口から駅を出た
追われた兵隊叫んでる
知らない人が夢語る
ここでは微かな懺悔と勇気のオモイデが
笹舟に乗って流れてく
安らぎの声は針か砥石か
最初で最後の贖罪
どうか足を向けないで
当たり前だと思ってた人生が 音をたてて消えていく
路傍に放った反省の色は儚いモノクロ
当たり前だと思ってた人生が 音をたてて消えていく
…そんな想像巡らせ僕は今日も家路を急ぐ
タネアカシ
冠婚葬祭ハイ
ランナーズハイ的なハイを想像して書き始めたらお酒のハイになりました。
ビールだけど。
こぼす…とか飲み干す…とか逆流…とか。
意外と高度なことしてるようなしてないようなただの気まぐれサラダです。
冠祭の憂鬱
これに近いことって現実のアイドルグループでもあるのかな…
ある程度人数が多ければいいけど
3人組で一人だけ人気ないとかだったらやばいよね。
おめでとうさようなら知らない人
詞のコーナー。
知らない人だもんねだって。
…ほんとにウチの最寄り駅の南口には斎場があります。
次回未定