197.病気には「手引き」と「ためし」の2種類があります 加見兵四郎
はじめに
天理教では助かりに密接に関係している言葉として「人たすけたら我が身たすかる」という言葉があります。
人を助けたら、自分も助かるという分かり易い意味の言葉ではありますが。
自分が助かりたいと思って人助けをしても、自分は助からないという少しややこしい側面を持っています。
なぜこういった側面があるかと言うと、自身に起こってくる、困難や病気は「手引き」と「ためし」の2種類があるからです。
※細かく言えば、「せきこみ」や「りっぷく」等もありますが、広く捉えれば「手引き」の内に入ると捉えさせていただきます。
そのことについて東海大教会初代会長加見兵四郎について書かれた「風のこころ」(草の中の聖たち 著:高野友治に収録)に分かり易く書いてあったので紹介したいと思います。
手引きとためし
兵四郎は、ハッと我に返って頭を上げてみると、それまで三尺先が見えなかった眼が、夢みたようにすっきると見えるようになっていた。
「有り難うございます」
「兵四郎は、ただただ恐れ入って家に帰った。帰ってみると9月のはじめ以来、眼を患っていた娘の眼もなおっていた。
「俺あ、はじめて、本当に神様のお話をお聞きした。こんな有りがたいことはない。有難い有難い」
と喜んでいた。
けれども、眼は見えるようになったのだが、朝方がよくなかった。毎朝8時ごろまでは、目の前に雲がかかっているようで、遠見は出来なかった。
「どうしたのだろう」
といろいろ思案してみたが、どうにも御守護いただけなかった。
明治19年の正月、兵四郎はおぢばへ参拝して、教祖にお目にかかり、このことをお伺い申し上げると、教祖の仰せには
「それはなあ、手引きがすんでためしがしまんのやで。ためしということは、人をたすけたら我が身たすかるという。わが身思うことはならんで。どうでも人をたすけたい、たすけてもらいたいという心に取り直すなら、身上はあざやかやで」
通せになった。
手引きがすんでためしがすまんのやで。
この御言葉を読んで二つ学んだことがあります。
1、「手引き」と「ためし」で目的が違う
2、「ためし」とは人たすけたらわが身たすかるを実行できているかどうかである
更に、この本は親切なことに、手引きとためしについて詳しく解説がついているので、そこも引用したいと思います。
手引きというのは、まあ言うてみるなら、何も知らない子供が、目先のことにとらわれて、知らず識らずの間に危い道に陥るのを、親が見ていてそちらは危ないから、こちらの安心な道に来いと、手を引いて下さるようなもの。ためしというのは、親から安心の道を教えられたら、その通り実践していくことを言われていると思う。
人間の身上の障りや、事情の出来事には、この手引きとためしの二つの意味が含まれていると思われる。
兵四郎の眼の障りにしても、神の手引きとためしの二つの意味が含まれていた。神様のお話を聞いて、夢みたよう眼が見えるようになったというのは、神の手引きである。それが分かったなら、その通り実践せよといわれるのである。それがためしなのである。
人間の常識からいうと、日々おたすけ生活に邁進していたのである。なれども、その通る心の中に、わが家わが子を思う心がまじっている。その心をすっきり忘れて、どうでも人をたすけたい、たすかってもらいたいという心一つに取り直してもらいたい、と仰せられているものと拝察される
加見氏が経験した「手引き」と「ためし」を軽く比較してみたいと思います。
手引き
神の思惑:危ない道を歩いている子供を、手を引いて引き寄せること
症 状:眼の患い
結 果:自身を助けていただく
性 質:お諭し(教えてもらうことで気付く)
ためし
神の思惑:親から教えられた道を、その通り歩いて行けるか見守られていること
症 状:朝方だけ目がかすむ
結 果:自分の都合を忘れ、人を助ける心になる
性 質:悟り(自分で実践し考えて気付く)
このように「手引き」と「ためし」を並べて気がついたことは、
手引き=受動的
ためし=能動的
だということです。
助けられるばかりだったのが、次は人を助ける側に回れるかどうか。
受け身ではなく、自らの意志で人助け出来るかどうか。
ここは、人としての段階に明確な差が生まれるところでもあると思います。
当時は、ほとんどの信者が助かりたい時だけお参りにくる「ご利益信心」でした。
そういった、自分が助かった喜びで満足する心から、人を助ける喜びで満足する心へと心の段階を1段階上に引き上げてくださる(心の入れ替えをする)のが、「ためし」なのではないかと思います。
そう考えると、教祖はある意味「ためし」によって人間をふるいにかけておられるように思います。
信仰2代目以降で、この「ためし」を自覚していない人が、かなり沢山いるのではないかと思ったりもするので、
「あれは手引きだったかな?」
「あれがためしかな?」
と自分の人生を振り返ってみるのも面白いかもしれません。
おまけタイム
どーも!食の誘惑を断ち切るのにめちゃくちゃ苦労している男
ほこりまみれの信仰者こーせーです!
先日、魔女スープダイエットなるものをやっていると書かせていただきました。
昨日体重計に乗ってみると、確かに5日目にして1キロ以上体重が減っているのですが、いかんせんお菓子をつまみぐいしたくなってしまいます。
特に脳みそが働いていない感じがするので、そこに厄介さを感じたりするのですが、とりあえず、結婚前の体重に戻すべく、7キロ減を目指した良いと思います。
えー本日は、宣言することで本気で取り組まないといけない状況を作りたかっただけです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
ほな!