187.甘露台座談会#3 甘露台の意義


はじめに

教祖から直接話しを伺っていた先人の先生方が、かんろだいの事についての座談会が、昭和10年1月5日号に載っていました。

前回の記事はこちら


今回はいよいよ本題となる「甘露台の意義」についてです。

尚注意して頂きたいことは、先生方が記憶を頼りに話されているので、年号など記憶に誤りがある可能性があるということです。

メンバー
管長様(中山正善)
山澤為造氏(元治元年より、父良治郎に連れられて参拝していた)
松村吉太郎氏(明治19年に身上を助けられてから本格的に入信)
高井猶吉氏(明治7、8年頃入信、明治12年に身上を助けられ本格的に入信)
飯降政甚(明治7年、飯降伊蔵の次男として生まれる)
梶本宗太郎(明治13年、父松治郎の長男として出生)
上原義彦(東大教会2代会長)
史料集成部より
桝井孝四郎氏、上田嘉成氏
道友社より
堀越儀郎氏、中山慶一氏、上田理太郎氏、高野友治氏、出沖虎夫氏

甘露台の意義

中山
それでは大分時間も立ちましたから、歴史の方は記録に依って充分検討さして頂く事に致しまして、甘露台の意義の方に写らせて頂きます。
先ず甘露台という言葉の意味からお聞かせ願います。
山澤
甘露台は人間始めた元の証拠に立てるのやと仰った。
高井
なんで甘露台と言うかきいてんねやろ。
山澤
人の心が神の教え通り澄み切ったら即ちその心は甘い心や、その時になって降るものであるから甘露ろ言うのやろ。
松村
そら信仰的に悟って行けばそういう事になる。
管長様
天から下さる甘露を受ける台、ぢきもつを受ける台という意味であろうが、何かその他に教祖様から聞いていませんか。
高井
山澤はん、あんた聞いてるやろ。
山澤
――――
管長様
高井さんは何か聞いているのか。
高井
聞いてます。話しましょうか。甘露台というのは肝心要という事や。息の切れる時はあ人間の肝心要の時や、肝心要の寿命をつなぐ台や「かんじんかなめの継ぐかんろ」と言う事を仰った。三十一ヵ所のうちわけ場所を廻って来ると、いざりでも、めくらでも、おしでも、なんでも御守護頂く。しかも助かったからと言うて中途で杖を捨てたらあかん。車を捨てたらあかん。三十一ヵ所のうちわけ場所廻り終わるまでは杖を持ち、車に乗って廻る。そして最後におやしきへ帰って杖も、車もおさめる。そこで百十五歳の定命を頂くのである。人間は生まれた時に定命がある五十とか六十とか。それが甘露を頂戴すると百十五歳まで引き延ばして貰える。その生まれた時に定まった寿命と百十五歳の寿命を継ぎ変えして頂くかんじんかなめの継ぐかんろや。台はそれを下ろす台
 そんなら今からほしいと言うやろう。
岐様に月様の心入込んで、これに月読命様の理を仕込み、美様には日様の心入込んで、これに国狭土命様の理を仕込み、人間を産み下ろして下さった。それ故にこれを六台の神様と言う。その理を現してかんろう台はどの段も皆六角。
 八寸といふは、この六柱に洗い更えの道具大食天命と大戸邊命を入れた八柱の理。
 二尺四寸は四、二寸。四、二尺、四、二間の理。
 一尺二寸は面足命の頭十二の理を現したもの。刻限話と言うのはその頭から頭へ移り変わられる時に下さるのである。その時には筆々とおっしゃって、その時はづしたらもう聞けなんだ。
 真中十段積み上げるのは十柱の神様お揃いになった理。
 ねえ、これはみんな聞いてるやろ。教祖様からも聞かして貰ったが、さよみさんからも何度も聞いた、こんな大事な事は滅多に忘れへん。
 その時分はくどい程話しを聞いた。それで、みんなから河内から来る髙井という奴は蓮みたいな男や、根ばっかり堀りよる。と言われた。しまいに辻さんなんかも「お前にはもう話す事がない」言うて逃げられた。
管長様
三十一ヵ所と言うのは。
高井
国々入れて九十三ヵ所です。三十一ヵ所は屋敷のぐるり、その内一ヵ所は遠い所らしい。遠いからと言うて放っておいたら又始めから廻り直しや。
松村
うちわけ場所はおやしきの六里以内に出来るのやないか。
高井
それは決まっていない。一ヵ所毎に七十五人の人衆がいると聞いている。
松村
要するに天から甘露を受ける台という意味やな。
高井
百十五歳からは向うは又心次第で十年と言えば十年、二十年延ばしでやると仰った。

ここでも気になる話しが沢山出ていますので、順番に取り上げていきたいと思います。


甘い心


山澤
人の心が神の教え通り澄み切ったら即ちその心は甘い心や。その時になって降るものでるから甘露と言うのやろ。

「澄み切った心=甘い心」
この解釈は、初めて見ました。
「甘い」という言葉からイメージされることは、
優しいとか、
柔らかいとか、
甘やかしてくれる親心とか、
そういった事がパッと思いつきます。

いずれにせよ、悪いイメージはありません。

確かにこのように解釈すれば、「降ってくる甘露」についても、目に見えないものとしてすんなり解釈できるので、スッキリ心に納まりやすい、他人に説明しやすい解釈だと思いました。


高井氏の人柄が出た場面


管長様
………何かその他に教祖様から聞いていませんか。
高井
山澤はん、あんた聞いてるやろ。
山澤
――――
管長様
高井さんは何か聞いているのか。
高井
聞いてます。話しましょうか。………

このやりとりは、お互いの人間関係が想像できてちょっと面白かったです。

高井氏はわざわざ山澤氏に一回振ってから、甘露台について話されてます。

ここからは僕の妄想ですが、この甘露台のお話は、
「これはみんな聞いているやろ(中略)こんな大事な事は滅多に忘れへん」
と言われているように、高井氏が自身を持って話せる「十八番」のお話だったのではないかと思います。

だから、山澤氏が黙っている間の心境は。
「いやいや高井はん、あんたが喋りたいんやろ」
といった心境で黙っておられた。

管長様(二代真柱)も高井氏が話されるものと思い、その空気を読んで
「高井さん何か聞いているのか。」
と高井氏に振った。
そんな人間模様が想像できるため、高井氏の人柄が想像できて面白かったです。


こんな大事な事は滅多に忘れへん


高井氏の話された甘露台の意義を、箇条書きにしてまとめてみます。

・肝心要の寿命を繋ぐ台
 「かんじんかなめの継ぐかんろ」
・三十一ヵ所のうちわけ場所をまわって来ると、
  なんでも御守護頂く。
・助かったからといって途中で杖や車を捨ててはいけない。
 三十一ヵ所まわり終え、お屋敷に帰り杖や車もおさめる。
・上の事を通して、百十五歳の定命を頂く。
・頂こうと思っても頂けない者もいる。
・甘露台の六角は
 「いざなぎのみこと」に「くにとこたちのみこと」
 の心が入り込み「つきよみのみこと」を仕込む。
 (身体:いざなぎ、心:くにとこたち、能力:つきよみ)
 「いざなみのみこと」に「をもたりのみこと」
 の心が入り込み 「くにだづちのみこと」を仕込む。
 (身体:いざなみ、心:おもたり、能力:くにさづち)
 この六台の神様を現して、台はどの段も六角。
・八寸は上の六柱の神様に洗い更えの道具である
 「たいしょくてんのみこと」と
 「をうとのべのみこと」を入れた八柱の理。
・二尺四寸は四、二寸。四、二尺、四、二間の理。
・一尺二寸はをもたりのみことの頭十二の理を現したもの。
 (頭十二、尻尾三の大蛇です)
・刻限話はその頭から頭に移り変わる時に下さる。
 その時筆々と仰り、その時を外したらもう聞けない。
・国々入れて九十三ヵ所、三十一ヵ所は庄屋敷ぐるり、
 その内一ヵ所は遠く、放っておいたら始めからやり直し。
・一ヶ所ごとに七十五人の人衆がいる。
・百十五歳定命で、心次第で十年二十年と伸ばしてくださる。

高井氏は「こんな大事なことは滅多に忘れへん」と言っている程ですので、ほとんど間違えずに覚えているお話なのだと思います。

この高井氏のお話は、どこかで読んだことあるなと思っていたら、
「みかぐらうた語り艸」桝井孝志郎の中に、同じような内容がありました。

そしてこの座談会のメンバーを見ると、史料集成部の枠で桝井氏が入っていました。

桝井氏はここで聞いた高井氏の話も著書の参考にされたようです。


言い訳タイム


えー今日は高井氏が話された「かんろだいの意義」について解説していきたいと思っていましたが、内容が濃すぎて一晩で調べ切ることができません泣

文字数も結構いってますし、時間も午前2時をまわりました。


ですので、もしこの記事にスキが30個以上付けば、しっかり調べて記事にしたいと思います。
(大変そうなので絶対無理な数字を掲げる男)


おまけタイム


どーも!明日から夏季休暇でウハウハな男
ほこりまみれの信仰者こーせーです!

明日から月曜日まで少し遅めの夏季休暇を頂きました。

GOTOトラベルの県内バージョンを使い、泊まりで出かけますので、先に宣言しておきますが、明日からしばらくは通常更新おやすみです。

いつもこういった休みが続く時は、番外編を書いていたので、何を書くか閃きがあれば番外編をあげたいと思います。


本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!


ほな!






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ほこりまみれの信仰者こーせー / 天理教note
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