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世界史動画の発表会をやりました

2019年3月13日。

1年間取り組んできた静岡県立掛川西高校世界史Bの授業の総決算を行いました。僕の世界史のコンセプトは、自分で問題を見つけてプロジェクトをクリアするPBL(プロジェクト型ラーニング)。

もちろん受験に対応するための授業も通常行いますが、それと並行して、一年間かけて世界史の中で面白い人物や事件はなにか?という問いを追求していきます。

世界史Bの授業は2年生時に5単位で行っています。つまり1週間に5回。生徒は毎日世界史に取り組むのです。

その毎回の授業で生徒はグループを作り、机を向かいあわせます。

このグループで1年間取り組む課題が、自分たちで最終的に作成する世界史動画のテーマを探すこと!

ゴールの世界史動画発表へ向かう年間スケジュールは以下の通り。

4月 隣のペアの紹介動画を作成。動画の作り方講座、絵コンテの書き方講座、フリー素材の使い方についての講習などを行います。   

8月 夏の思い出を作ろう! ➜ 9月 発表

10月 修学旅行の思い出を作ろう! ➜ 発表

1月 世界史動画の予告編を作ろう ➜ 発表

2月 世界史動画を作成して全国学生動画アワードに応募    

3月 発表会!

という流れです。

今回いよいよ6つの班が、世界史動画をが作成し発表しました。

動画を見る前に、見どころや苦労した点を発表します。

<内容>                               1班 ジャンヌ・ダルク

紙芝居がアニメーションで動くような作りになっていました。ナレーションも声優さんのような名演技!

2班 エリザベス1世

教科書では出てこないエリザベスの生き様が表現されていました。

3班 モーツァルト


映像も画像を使いながら、モーツァルトの意外な一面を表現しました。

4班 ナポレオン

ナポレオンの面白エピソードをうまくまとめていました。

5班 ヴァスコ・ダ・ガマ

ヴァスコ・ダ・ガマの生涯を劇で演じながら楽しく説明しました。女優のような名演技!に生徒は湧いていました。

6班 ルネサンス期の文化

ユーチューバーを模して、楽しい動画を作成しました。

最後は今回の活動の振り返りをグループで行います。

グループで相談しながら、今回の取り組みについて振り返ります。そして振り返りシートにどんどん記入。

最後はGoogleフォームに、アンケートを打ち込んで終了。(振り返りシートとGoogleフォームは同じ内容を聞いています。Googleフォームのほうが集計はしやすいですが、個人での振り返りになってしまうため、紙ベースでもグループで振り返ることをしています。)

Googleフォームの感想のまとめ

世界史動画づくりの89.3%の生徒が、楽しかった、非常に楽しかったを選んでくれました。理由は以下の通り。

「動画を編集するのがyoutuberみたいで楽しかった」というのが、現代の生徒の特徴をよく表しています。やはり動画作りを授業に取り入れることは、今の生徒と親和性がありそうです。

動画を作る際の苦労の中ででてきた「短い時間でわかりやすく、見やすく情報をまとめること」という点が重要だと思います。自分たちが面白いと思うことを、身内ネタや独りよがりにならずに、視聴する相手を思いながら作品を作る。これこそ世界史の知識とクリエイティブな感性の両方を育てる絶好の機会だと思いました。

他の班の動画を見た感想は、100%の楽しかった、非常に楽しかった。しかも非常に楽しかったが92.2%。

普段は必ずしも世界史に興味を持たない生徒がいたとしても、仲間が作った動画に対しては非常に前向きに視聴し、学ぼうとする姿勢が生まれます。

「授業で学んだこと以上のことや歴史上の人物の意外な事実を知ることができてよかった。」←この感想こそ、狙い通り。ただの知識として点として記憶していた世界史の情報が、仲間の動画(エピソード)により、立体的でいきいきとしたイメージに生まれ変わる瞬間だと思います。

今回の1年間にも及ぶ動画作りで、生徒たちに何らかの変化を感じることができ、とてもうれしく思いました。

今後も、昔のただ暗記する歴史教育から、生きる知恵や世界を見る目を広くする力を得る世界史へと進化させていきたいと思います。


・・・全国学生動画アワードにこの作品を応募しています。どのような賞をとるか楽しみです。

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