Escher X nendo | Between Two Worlds
メルボルンのNational Gallery of Victoriaで開催されていたエキシビション Escher X nendo | Between Two Worlds へ行ってきた.
大晦日にもかかわらず開館直後から行列.
@ngvmelbourne /Flinders St. Stationより徒歩5分
先ず、海外の美術館で日本と特につよい所縁のない画家のインスタレーションを日本人のデザインカンパニーが担当することがすごいなと思う.
それと、エッシャー程の有名画家の展覧会で キュレーション側の名前が展示タイトルに並列されることは驚嘆に値すると思う.
nendoさん,すごい.
さてそんな日本人としての贔屓目もちつつだけれど展示もおもしろかった.
@ngvmelbourne /バッハの音楽が流れていた.子どもたちが隠れんぼしたりおにごっこしたり自由ですてきな空間.
以下、メモをつらつら。
▪︎1:M. C. Escherと日本の関係
この2者を敢えて繋げるとしたら彼の父親は対日本外交の仕事をしていて何度か渡航していた.
▪︎2:Escherの緻密なデッサンの源
幼少期に両親からカメラを与えられたことが一端だったよう。写真を通して植物や動物への関心を強くもったらしい.”Palms Trees” のデッサンからは複雑な自然のモチーフの抽象化へのプロセスがすこしわかる.
▪︎3:nendo主宰 佐藤ナオキさん
展示内では「Oki Sato」と表記されていた.海外用のニックネームかな名前の覚えやすさ大切.
▪︎4:we chat で解説が聞ける?
オーディオマークの横にwe chat アイコンが…これで解説読めたり聞けたりするのかなだとしたら中国すごい.
▪︎5:黒と白は(グラデーションではなく)表裏一体なのである
黒と白の関係は度々対極に置かれる.そして最近は社会的にも 多様性 が尊重される中でその中間のグレーへの意識が高まっている印象だけれど,実は黒白は軸の両端ではなく表と裏に位置するものかもしれない.
エッシャーはこの絵を世界大戦中に描いているけれど天使と悪魔は手を取り合いうるし混ざり合いうるし.
nendoの展示のひとつ “gathered house” は周りをぐるっと廻ると 白に見えるときも黒に見えるときもあるんだ.
@ngvmelbourne /お家モチーフの集合体
▪︎6:エッシャーの抽象化 と nendoが提示する再統合
展示ではエッシャーが複雑から抽象したモチーフを佐藤さんが抽象性を保ったまま解体と再結合を試みているのだけれど(と見えるのだけれど)
例えば 多分以下のイメージ.
Escherは雪の結晶を二重丸に単純化してモチーフにした.それを今回佐藤さんはこの二重丸を回転したり分解したり.
Escher: 🕸→◎
nendo: ◎→○+○ ? ⊆ ? 。+° ?
これを見て思ったのは.自分のモノの見方を変えるというのはずっと右脳的な作業だと思い込んでいたのだけれど実は論理的に可能な作業なのかもしれない(多分とてもむずかしいけれど)試してみたい.
最後に.エッシャーの作品番号のサインも.
nendoのサインも.
かわいすぎだ!
@ngvmelbourne
NGV,アボリジナルアートや西洋美術も見応えあって,グッズもかわいくて(スタッフTシャツほしい)メルボルン行かれる方にぜひおすすめしたい場所でした.