【第25回】感性を磨く

みなさん、こんにちは!
またまた久しぶりのほっこり通信です。


レッスンを重ね、いろいろな方と触れ合う度に
成長とは「感性を磨く旅」だなぁ、と思います。

今クルマがどうなっているのか
どうなりたがっているのか
それを自身がどう感じているのか

それらに合わせて操作する。

ただ、それだけですが、簡単ではない。
 
 

思うようにコントロールできた瞬間、
人馬一体感が感じられ、そこに喜びがある。
 
その追求の連続なのかな、と思います。

スタンプラリーのチェックポイントのように
「小さい成長が」たくさんあり、スタンプが増えるごとに喜びが増す。

例え、スタンプが増えなくても、
「次のチェックポイントまで近づいてるぞ!」
という実感も喜びのひとつですよね。
 
 
 
今日はその人馬一体感「感性の磨き方」についてのお話です。
 
 



■TVやYOUTUBEではない

 
レッスンに来られているみなさんは
「教えてもらいに」来ている方が大半です。
 

・講師が発するアドバイスを受け取る
・次に何をしたらいいか指示をもらう
・どこがよくないか指示をもらう
・正解の走り方を聞き出す

こういう考えの方がとても多いです。
そして、こういう考え方の講師もとても多い。
 

これは、TVや動画などから情報を得るのと似ていて一方通行の情報。

受け取る時に何も考えていなくても情報が入ってきますし
受け取ることばかりに気を取られているため
「自分は今どう感じているか」と思考を巡らす時間がないことが多いです。
 
 
 
こうなるのも、経験のある大人なので自然なことだと思います。

でも、「何かに取り組む」上ではあまりよくない事だと考える、
私の過去の失敗例から一緒に考えてみて欲しいです。


 
 


■過去の失敗例

私は、過去13年の間、年間延べ人数 1000人~1300人の生徒さんを見てきました。

自然と、この先この生徒さんが
どのように成長し、どのような壁に出会うのか、
以前よりリアルに予測できるようになってきています。

「教えてもらいに」来ている方は「感性」が磨かれません。

何でも教えてもらうということは、
よりベターな方法を逐一指示してもらうため
中級レベルぐらいまでは速く成長できます。

ただ、中級から先の壁は、簡単には超えられません。
講師が治すべき箇所を指摘し続け、指示を与え続けたとしても
それを実践するのは生徒さん自身です。

自身「感性」が成長していないので

今クルマがどうなっているのか
自分は何をしているのか
自分はどう感じているのか

さまざまな情報を客観視することが出来ません。
そのため、自分の力で修正することが出来ません。


初心者の頃の壁は、わかりやすいものが多いため、
イメージや客観視が上手に出来ていなくても超えていきやすい。

中級から先の壁は、「こうして下さい」と言われてすぐ超えられるものではなく、
自身の感性と客観視する力なくしては超えづらいものが多いからです。


そして、その「感性」は
中級レベルまで行ってから磨こう!と思っても簡単には身に付きません。


「感性」の成長レベルと、走りの成長レベルがアンバランスになっていきます。
体は成長したのに、心が成長できていない状態と似ている気がします。

「正解の走り方を教えて下さい」
「正解のラインを教えて下さい」
「先生、僕は何を直したらいいですか?」

とよく口に出す方は要注意。

その先は、地道にじっくり努力した人に追い抜かれ、
自身で成長することが難しくなるため楽しさが半減。
なんだか辞めることもできないし、続けても以前ほどの情熱がない、、、、

そんな状態になってしまいます。

そして、そういう方をたくさん見てきました。
だから伝えたい。




■じっくり「感性」を磨きバランスよく成長して欲しい

「きちんと目標を持ち、情熱を燃やして取り組む!!」

そんな感じではなくても、成長し続けられます。

数か月に一度のペースでも
やれる範囲で大丈夫です。

ただ走ることが楽しい♪でも大丈夫!

これだけを大切にしてください。

「感じる時間」
「悩み考える時間」

この時間をどれだけ積み重ねたか、だと思うんです。
この時間だけが自分を育ててくれます。

本当の自分の底力です。



例えば、初めてコース走行する時。
コースを走ってみる前から「正解を教えて下さい」と感性を磨く時間を省こうとしないこと。

その道は、近道なようで数年先は行き止まり。
だいぶ進んだ時には進むことも、引き返すこともできず、辛い思いをする道です。

まずは、ドライブでいいからコースを走ってみる。
その時に何か感じるはず。

・怖い、狭い、
・意外と広かった!
・広すぎて何をしたらいいか分からない~!
・このコーナーが怖かった、
・どれぐらいスピード出していいか分からない、

など、感じることがあるはずです。

何でもいいんです。
率直に感じること、思うことを一つでも多く拾ってみてください。

これが「感じる時間」


高レベルのことを感じる必要は全くなし。
今の自分が素直に感じるままに、その感想を講師に伝えてみてください。

伝えることも「悩み考える時間」です。


そこから

・何でそう思うんだろうね?
・どうしたらいいんだろうね?

と、講師が一緒に考えます。


「感じる時間」
「悩み考える時間」

この時間が感性を磨くのに必要なんです。
その時間こそが、自分自身が愛車をしっかり向き合っている時間。

ぜひともこの楽しんで欲しいし
本当の意味で愛車と仲良くなっていって欲しい。

このことは、講師にも言いたいし、部下のいる方にも伝えたいです。



■最近の質問

スキルだけ上がっていって、感性が磨かれていない、、、、

そんなアンバランスな生徒さんが増えてきた昔。
私自身、「運転を教える」ということを
一から見直すターニングポイントになりました。

その当時の生徒さんには申し訳なかったな、と反省ばかりです。


そしてその後、

「運転を通してその人自身が成長するんだ」(運転技術ではない)
と考えを改めて8年ほど。

最近、生徒さんからよく言われること。

「先生、この練習がしたいです!」
「コースを走った時にここがどうしても苦手で思うように走れません」
「(自分で)ここがダメなのかな?と思いますが、どう思いますか?」
「こういう自分になりたいです」
「この人に教えてあげたいけど何と言ったらいいか分からず悩みました」



以前とは、生徒さんから発せられる言葉が変わりました。

全員ではないですが、その空気感は同じ空間にいる皆さんに伝わり
自然と変化していくのを実感しています。


【感じ、悩み、考える】

その工程があるが故に、時間がかかるように感じるでしょう。

でも、3~5年ぐらいの目で見ると、
感じ、悩み、考える力を培ってきたかそうでないかの差は大きい。

最後に自分の礎となる力です。

じっくりと、自分と愛車と向き合って、先生とも一緒に向き合って。
生涯成長し続けられる習慣を一緒に身に付けていきたいです。

私自身「運転が楽しい!」が、運転を始めた頃からずっと右肩上がり。
昨年よりも今年の方が運転が楽しい!です。

そんな幸せすぎる

モータースポーツライフを過ごす方が増えたらいいな♪と思っています。


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