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『菩薩処胎経 諸仏行斉無差別品』現代語私訳

画像は、訳し終わって開放された感じを出したかっただけであって、本文とはあまり関係ない。

すんげー頑張って翻訳したもん。
読んでくれ!

諸佛行齊無差別品第十三
第13章 諸仏の行は等しくて差別がない

[漢文]
爾時,世尊即復示現奇特像,變一切菩薩盡作佛身,光相具足,皆共異口同音說法。

[現代日本語訳]
その時、世尊は再び奇跡的な姿を現し、すべての菩薩を仏の姿に変えた。彼らには光と相が完全に備わり、みな異なる言葉でありながら同じ内容の教えを説いた。

[漢文]
分別無常生生歸盡,其德難量互相敬奉,威儀禮節雖說妙法,無有揖讓屈伸低仰,各坐七寶極妙高座羅縠帳幔。

[現代日本語訳]
彼らは無常や生死の繰り返し、そして滅尽について説いた。その功徳は計り知れず、互いに敬意を払った。彼らは礼儀正しく威儀を持って妙法を説いたが、誰も頭を下げたり、屈んだりすることはなかった。七宝でできた非常に精妙な高座に各々が座り、豪華な天幕に囲まれていた。

[漢文]
初一說法度于無數純男無女,第二說法純女無男,第三說法純度正見人,第四說法純度邪見人,第五說法男女正等,第六說法邪正亦等。

[現代日本語訳]
最初の説法では男性のみを無数に教化した。次の説法では女性のみを教化した。三度目の説法では正しい見解を持つ人々のみを教化し、四度目の説法では誤った見解を持つ人々を教化した。五度目の説法で男女を平等に教化し、六度目の法では正しい者と誤った者を等しく教化した。

[漢文]
當爾之時法法成就,而無吾我道果成熟。

[現代日本語訳]
まさにその時、すべての教えが成就し、自己という執着から離れる修行において、成果が熟した。

[漢文]
諸佛常法,法說議說,神足第三,八萬四千空行法門,八萬四千無想法門,八萬四千無願法門,一一法門有無量義。

[現代日本語訳]
諸仏が常に説く教え、法の説があり、法の議論があり、第三の神通力があり、84,000の空を行ずる法門、84,000の無想の法門、84,000の無欲無願の法門がある。それぞれの法門には無限の意味が含まれているのだ。

[漢文]
猶如黠慧之人,身有千頭,頭有千舌,舌有千義,欲得究盡三法門義,於百千分未獲其一。

[現代日本語訳]
ここに賢い者がいるとしよう。彼は千の頭を持ち、それぞれの頭が千の舌を持ち、それぞれの舌が千の意義を備えている。しかし、これら三つの法門をすべて究め尽くそうとしたところで、その百千分の一も彼は理解できないだろう。

[漢文]
此是諸佛祕要之藏,皆由前身宿學成就。

[現代日本語訳]
これは諸仏の秘要の宝蔵であり、全ては前世の修行と学びによって成就したものなのだ。

[漢文]
爾時諸佛異口同音,說偈頌曰:

[現代日本語訳]
その時、諸仏は異なる言葉でありながら同じ内容の偈を述べた:

[漢文]
「我等本所願,今者已果成;金體柔軟響,眾相悉具足。
[現代日本語訳]
「我々がもともと抱いていた願いは 今すでに成就した
金の体は柔らかく輝きを放ち あらゆる相が完全に備わっている

[漢文]
欲求無極慧,畢竟無有疑;善哉三界尊,最勝無能過。
[現代日本語訳]
無限の智慧を求めるならば ついには疑いがなくなる
素晴らしい、三界の尊者よ 最勝であり、何者も超えることはない

[漢文]
吾昔兜術天,選擇受生處;來降入母胎,集諸如來等。
[現代日本語訳]
私は、かつて兜率天にいたとき 生まれる場所を選んだ
母胎に降りて入り 様々な如来たちを集めた

[漢文]
外無緣眾生,謂吾不成道;因胎化眾生,倍於成佛時。
[現代日本語訳]
外部の無縁の衆生は 私が道を成し得ないと考えた
しかし、胎内で教化した衆生の数は、成仏の際に教化した数の倍以上もいたのだ

[漢文]
前後所說經,八十四億象;象力及人力,荷載不能勝。
[現代日本語訳]
私が過去に説いた経典は 84億頭もの象のように膨大だ
象や人間の力でも 支えきれないほどである

[漢文]
令我歡喜子,強記不漏失;遺法不成道,流布胎正法。
[現代日本語訳]
私の歓喜の弟子たちに 忘れることのない優れた記憶力を与えたとしよう
そこで私が法を遺しても、彼らが成道することもないし 胎内で正法を流布することもない

※それほど教えが膨大と言いたい箇所だろうか。文法と文脈の整合が難しい。

[漢文]
佛行無差別,平等無若干;唯佛能知佛,功德多少義。
[現代日本語訳]
そのように仏の行為には差別がなく 平等であり、少しの区別もない
仏のみが仏を理解し その功徳の多寡を知ることができるのだ

[漢文]
欲得思議佛,所行奇特事;從劫無數劫,不能得毫分。」
[現代日本語訳]
仏の奇跡的な行為を 思案しようとしても
無数劫という長期間を費やしたところで わずかな部分すら理解できない」

[漢文]
爾時,諸佛說此頌已,初一說法純男無女者,即於座上立不退轉,信心不可沮壞。

[現代日本語訳]
その時、諸仏がこの偈を唱え終えると、最初に法を説かれた男性たちは座に立ち上がり、退転せず、その信仰心は決して挫けることがなかった。

※ 男性たち:「無女」とあるので、女性以外であることが強調されている

[漢文]
爾時釋迦牟尼,還攝威神如前無異,即說頌曰:

[現代日本語訳]
その時、釈迦牟尼仏は再び前と同じように神通力を収め、次の偈を唱えた:

[漢文]
「八正道果證,無師自然悟;獨步三界將,自得涅槃道。
[現代日本語訳]
「八正道の果報を証し、師なくして自然に悟りを得たのだ
欲界、色界、無色界の三界を一人歩む将として、自ら涅槃の道を得たのである

[漢文]
本無一相法,捷疾辯才義;我今已果獲,無愛無所染。
[現代日本語訳]
もともと法には一つの固定した形がなく それを迅速に理解し、説くための弁舌の才には意義がある
私は今、その果報を得て 何の執着もなく、何にも染まらない

[漢文]
五陰法性本,不見有善惡;神力拔濟苦,坦然寂滅道。
[現代日本語訳]
色・受・想・行・識の五陰の法の性質においては、もとより善悪の区別がないのだ
神通力を使い、苦しみを抜き去り、寂滅の道に至るのである

[漢文]
汝等諸會者,所願已成辦;未得今已得,快哉此利業。
[現代日本語訳]
ここに集った者たちよ、あなたたちの願いはすでに成就した
まだ得ていなかったものを、今はついに得たのだ なんと素晴らしい成果であろうか

[漢文]
因緣縛著礙,永除無處所;吾我羅網法,自然得毀壞。
[現代日本語訳]
因縁の束縛によって生じる障害は、恒久対策によって存在の根拠を失った
自我という幻想を生み出すネットワークの存在も 自然に崩れ去ったのだ

[漢文]
愚惑不見真,自墮四色緣;未得密諦觀,分別苦相本。
[現代日本語訳]
愚かで迷っている者は 真実を見ることなく、色・受・想・行という四色の因縁に自ら落ちていく
奥深い密なる真理の観察をまだ得ていない者は 苦の性質の根本について区別することができずにいる

[漢文]
如我今成道,功夫不足言;後佛師子吼,熾焰惡劍劫。
[現代日本語訳]
私が今、道を成し遂げたように 修行の成果というものは、言葉を尽くしても表現し切れないのだ
燃え盛り、刀剣が飛び交うような争いの時代において 後の仏は、師子が吼えるように力強く説くだろう

[漢文]
陶冶苦眾生,隨色染其素;忍辱受其害,對至終不報,執心如虛空,變易不久住。
[現代日本語訳]
苦しむ衆生を鍛え育て、衆生に備わる本来の性質が、色という物質的な条件によって染められることを防ぐのだ
害されることがあっても、耐え忍ぶ徳によってそれを受け、決して報復しない
心を虚空のように保ち、変化し続けて、長くとどまることはない

[漢文]
當於爾時世,五逆苦惱罪,難化不可度,諸佛所不救,尋為現緣本,將示無為處,破彼剛強心,專一得解脫。
[現代日本語訳]
その時代では、極めて重い五逆を犯した苦悩と罪があり、それらの者を教化して導くことは困難なのだ
諸仏にすら救われない
しかし、後の仏は、すぐに彼らのために因縁の本質を示し、不生不滅たる無為の場を指し示す
そして、強烈に凝り固まった彼らの心を打ち破り、ひたすらに解脱を得させるのだ」

[漢文]
初說一法教,無生無起滅;皆趣向佛道,不令有遺落。
[現代日本語訳]
後の仏は、最初に一つの真理を説く すなわち、生じることがなく、起こることも滅びることもないという教えである
皆が仏道に向かって進めるようにし、落第者を残さないのだ」

[漢文]
爾時,世尊說此頌已,男眾、女眾、正眾、邪眾,皆得盡信得不退轉地。

[現代日本語訳]
その時、世尊がこの偈を説き終えると、男たち・女たち・正しい者たち・誤った者たちが皆、教えを完全に信じ、退転しない境地に至った。

[漢文]
佛復告菩薩摩訶薩:

[現代日本語訳]
仏は再び菩薩たち、偉大な者たちに告げた:

[漢文]
「汝等,欲見如來神力化不思議道,法性純熟無男無女,善權義說受女人身無佛記別,魔釋梵王無真實相。汝等,欲知此四眾者受別成佛乎?」
[現代日本語訳]
「あなたたちは、如来の神通力によって変化する不思議な道を見たいのでしょう。法の性質は純粋で成熟しており、男もなく女もないのです。巧妙方便の教えにおいて、『女性の身を受ければ仏の記別がない』と説いたり、『天魔や帝釈天・梵天には真実の相がない』と説くのです。あなたたちは、これら四種の衆生が、それぞれ仏として成就することを知りたいと思いますか?」

[漢文]
爾時,有菩薩名曰無盡意,即從坐起偏露右臂右膝著地,叉手合掌前白佛言:

[現代日本語訳]
その時、「無尽意」という名の菩薩がいた。彼は座から立ち上がり、右腕を露わにして、右膝を地につけ、手を合わせて仏に向かって申し上げた:

[漢文]
「未曾聞如來說法,此四種人得成佛者,今日乃能開演大義。」
[現代日本語訳]
「私は、如来のこのような説法を今まで聞いたことがありません。これら四種の衆生が成仏するという教えは、今日これから大いなる義として開示されたのです。」

[漢文]
即重白佛:
[現代日本語訳]
無尽意菩薩はさらに仏に重ねて尋ねた:

[漢文]
「捨身、受身、即身成佛耶?」
[現代日本語訳]
「身を捨てて成仏するのですか?新たな身を受けて成仏するのですか?あるいは、そのままの身で成仏するのですか?」

[漢文]
佛告無盡意:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に告げた:

[漢文]
「諦聽!善思念之!今當與汝一一分別。
[現代日本語訳]
「よく聞きなさい!そして心に留めなさい!今、あなたに各々のケースに沿って説明しましょう。

[漢文]
過去九十一劫有梵天王,名大辯才,分別古今常樂閑居坐天宮內。
[現代日本語訳]
過去、九十一劫という非常に遠い昔に「大弁才」という名の梵天王がいました。彼は過去と現在のことをよく理解し、常に楽しみながら天宮の中で静かに座っていました。

[漢文]
『今我寧可化此宮女及諸梵天,我得成佛諸天翼從,剃鬚髮著法服,一時成道,不亦快乎?』
[現代日本語訳]
『今、私はこの宮中の女性や諸梵天を化導するのが良いだろう。私が仏となって、諸天が翼のように私に従い、髭と頭髪を剃り、法衣を着て、同時に成道することができるだろう。それは何と嬉しいことか。』

[漢文]
作是念已,即於天宮詣晝度樹,端坐思惟一意一心,繫念在前無他異想,即得成佛,三十二大人相八十種隨形好。
[現代日本語訳]
彼はこのように考えた後、天宮から昼度樹に赴き、端然と座して一心に思索し、他の考えを持たずに念をとどめ、直ちに成仏しました。彼は三十二の大人相と八十の随形好を得ました。

※畫度樹
https://www2.buddhistdoor.net/dictionary/details/畫度樹

[漢文]
諸天眷屬修行比丘正法,得阿羅漢,皆是利根;彼天女眾有得須陀洹、斯陀含、阿那含,不往還此間,即於彼般涅槃。
[現代日本語訳]
彼に従う諸天の眷属たちは、比丘として修行し、正法を行じ、阿羅漢となりました。彼らは皆、優れた才能を持つ者たちでした。また、天女たちの中には、須陀洹・斯陀含・阿那含に到達した者もおり、もはやこの世には戻ることなく、そこで般涅槃を得ました。

[漢文]
是謂梵天王不捨身、受身、現身得成佛道。」
[現代日本語訳]
これが、梵天王が身を捨てず、新たな身を受けず、現にそのままの姿で成仏の道を得た事例です。」

[漢文]
佛告無盡意菩薩:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に告げた:

[漢文]
「過去七十六劫有第六天王,典領三千大千世界,名曰害惡,從六天以下自在無閡。
[現代日本語訳]
「過去、七十六劫前という遥か昔に『害悪』という名の第六天の魔王がいました。彼は三千大千世界を統治し、六天以下の世界で自在に行動していました。

[漢文]
在彼天宮經歷無數久久思惟:『悔本所作謗毀三尊遮截道果,設我受報墜墮三塗不離惡道,我今寧可改心惡行,并此天宮諸天眷屬,共修梵行求無上道,進前成佛,不亦樂乎?』
[現代日本語訳]
天宮で、魔王は計り知れないほどの長期間にわたって思索し続けました。『私はかつて仏法僧の三尊を謗り、悟りの成果をいただけるチャンスを妨げてしまったことを後悔している。このままでは、私は報いを受けて地獄・餓鬼・畜生に堕ち、悪道から離れられないだろう。今こそ私は心を改め、悪行をやめ、この天宮の諸天や眷属と共に清らかな行いを修め、無上の道を求め、前進して仏となるべきだ。それは何と喜ばしいことか!』

[漢文]
復自思惟:『所典境界無量無限天女娛樂樂豈過是,設我成佛與此國界正等無異。』
[現代日本語訳]
さらに彼は思索しました。『私が統治するこの世界は計り知れないほど広く、数限りない天女たちが楽しんでいる。これ以上の楽しみがあるだろうか?いや、ない!すでに最高なのだから、私が仏となったとしても、どうせこの国と等しい楽しさであり、差はないだろう。』

[漢文]
漸漸懈慢,復更劫數。魔有知識,行登十住說佛功德,出家修道眾相具足,魔心開解改心入定,無若干想利根捷疾。
[現代日本語訳]
魔王は次第に怠慢になり、さらに多くの劫を経過しました。その後、魔王は知識を得て十住という悟りの階梯を登り、仏の功徳を説きました。彼は出家して修行し、数々の身体的特徴をすべて備えました。魔王は心を改め、解脱に向かって心を開放し、深い瞑想に入りました。彼は優れた才能を持ち、修行の進展も早かったのです。

[漢文]
即於天宮三明通達,莊嚴佛土不更受身,便成無上至真等正覺,放大光明普照魔界,莫不眼見見魔成佛。
[現代日本語訳]
彼は天宮で、宿命通・天眼通・漏尽通という三つの智慧をマスターし、仏の国土を荘厳しました。生まれ変わって新たな身体を受けることなく、ただちに無上真実の完全なる悟りを達成したのです。そして、彼は大きな光を放ち、魔界全体をあまねく照らしました。魔王の成仏を目の当たりにしなかった者は一人もいませんでした。

[漢文]
有三億天子心自生念:『謂魔幻化非真實佛。』盡退還宮,十六億天子皆來影附,承事供養如佛無異,尋於坐上皆成四果。
[現代日本語訳]
魔王の成仏を見た三億の神々は、心の中で『これは、魔が幻を作り出したものであり、真実の仏ではない』と思いました。彼らは皆、天宮に引き返してしまいました。しかし、残った十六億の神々は、仏となった彼のもとに来て、影のように付き従い、仏に対するのと同じように供養し、まもなくその座で須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢という修行の成果を得ました。

[漢文]
是為害惡大天王,不捨身受身而成佛道。」
[現代日本語訳]
このようにして、害悪大天王は身を捨てることなく、新たな身を受けることもなく、仏道を成し遂げたのです。」

[漢文]
佛復告無盡意菩薩:
[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に再び告げた:

[漢文]
「過去六十一劫東方有釋天子,修天眼淨心樂禪定,常欲求出家進向佛道。
[現代日本語訳]
「過去、六十一劫前に、東方の世界に帝釈天という神がいました。彼は何でも見通せる天眼の力を修め、心を清らかにして深い瞑想を楽しんでいました。彼は、出家して仏道を求めたいと常に願っていました。

[漢文]
彼諸天法有衰瑞應不久命終,諸天翼從轉轉減少,貪著睡眠身體塵垢,花自萎枯,不樂寶座,所食不甘,即出到後園中沐浴澡洗。
[現代日本語訳]
彼の天界では法が衰退する予兆があり、彼の命が尽きるまで長くありませんでした。彼によく従う天人たちもどんどん減っていきました。彼自身も惰眠を貪り、身体は垢にまみれ、持っていた花も萎れて枯れてしまいました。彼は宝座に楽しみを見いだせなくなり、食べ物も美味しく感じなくなりました。そこで、自宅の裏にある園に出て沐浴をし、身体を洗い清めました。

[漢文]
『今我天身眼能徹視,何方有佛,當往禮省恭奉供養受佛禁戒,即以此身得成佛道。』
[現代日本語訳]
『私は今、この天眼でどこに仏がいるか見極めよう。その仏のもとへ参り、礼拝して供養し、仏の戒律を受けよう。そして、この身をもって仏道を成就するのだ。』

[漢文]
作是念已端坐思惟,以天眼視上方有佛,名無量空行,世界名清淨,今現在說法,初中竟善。
[現代日本語訳]
彼はこのように思い、姿勢正しく座って瞑想し、天眼を使って上方を見渡しました。すると、無量空行という名の仏がおられ、『清淨』という名の世界で、今まさに法を説いていました。その教えは始めも善く、中ごろも善く、終わりまで素晴らしいものでした。

[漢文]
即以神力如人屈伸臂頃,到彼佛所頭面禮足在一面立。即以此偈讚歎佛德:
[現代日本語訳]
すぐに彼は神通力を使い、まるで人が腕を曲げ伸ばしするほどの一瞬で、その仏の元に到達しました。そして、仏の足元に礼をし、側に立ちながら次の偈をもって仏の徳を讃えました。

[漢文]
『光相照十方,降伏眾魔怨;為說道徑路,斷疑永無惑。
[現代日本語訳]
『あなたの光は十方を照らし、すべての魔の怨念を打ち倒した
 あなたは進むべき正しい道筋を説き、すべての疑いを断ってくれるので、私たちは永遠に迷うことがありません

[漢文]
梵行清淨人,皆蒙最勝行;隨類說真法,不違本行法。
[現代日本語訳]
清浄な修行を行う人々は すべてあなたの最も優れた教えを受けている
あなたはあらゆる者のレベルに合わせてその真実の法を説き、修行本来の道から外れることがない

[漢文]
我為諸天主,欲修清淨道;唯佛垂愍念,得至安隱處。』
[現代日本語訳]
私は諸天にとっての主であり、清浄な道を修行したいと願う
仏よ、どうか憐れみの心をお示しくださり 安らかで穏やかな場所に導かれんことを』

[漢文]
爾時,世尊即告釋曰:
『善哉,善哉!發心廣大欲得拔濟眾生之苦,未得者得、未獲者獲、未成者欲令成就,欲令盲者見明、聾者聞聲、僂者得申、無手足者令得手足,汝還本宮坐道樹下,分別眾行聚法散法。』
[現代日本語訳]
その時、世尊は帝釈天に告げました:
『素晴らしい!素晴らしい!あなたは広大な心を発し、衆生の苦しみを取り除こうとしています。まだ悟りを得ていない者には悟りを得させ、まだ悟りを獲ていない者には悟りを獲させ、まだ成し遂げていない者にはそれを成し遂げさせようといているのです。盲目の者には視力を与えようとし、耳が聞こえない者には音を聞かせようとし、体が曲がっている者にはそれを伸ばさせようとし、手足のない者には手足を得させようとしています。さあ、元の天宮に戻り、悟りの樹の下に座って、様々な行いを観察し、法の集め、法を説き広めなさい。』

[漢文]
釋聞語已即前禮佛,於彼不見還至天宮。諸天眷屬皆來歸附,功德轉盛,衰耗之相永滅無餘,端坐攝身心意不動,得成無上至真等正覺。
[現代日本語訳]
帝釈天は仏の言葉を聞き、仏に礼拝した後、そのまま仏を見ずして天宮に帰りました。諸天の眷属たちは彼のもとに来て帰依しました。その功徳がどんどん増大し、衰退の兆しは完全に消え去りました。彼は姿勢正しく座して、身心を一つにし、動じることなく、無上真実の等正覚を得たのです。
[漢文]
所將天女九十三億成四道果證,是謂天帝釋不捨身受身而成佛道。
[現代日本語訳]
彼に従った九十三億の天女たちも、須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢という四道の果報を得ました。このようにして、帝釈天は身を捨てることなく、新たな身を受けることもなく、仏道を成し遂げたのです。」

[漢文]
佛告無盡意菩薩:
[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に告げました:

[漢文]
「過去五十四億恒河沙劫,有世界名曰火焰,佛名無欲如來、應供、正遍知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、佛、世尊。
[現代日本語訳]
「過去、五十四億恒河沙劫という計り知れないほどの昔に、『火焰』という名の世界がありました。その世界には『無欲如来』という名の仏がいました。彼は『応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊』という十の称号を持つ仏でした。

[漢文]
彼土人民悉受女身,解了無常、苦、空、非身,分別受入無諸煩惱,厭患身苦,齊同一願發大弘誓。
[現代日本語訳]
その国の人民はすべて女性の身を受け、無常、苦、空、非身という教えを理解して受け入れており、煩悩もありませんでした。彼女らは身の苦しみを嫌い、皆が一同の願いを持ち、大いなる弘誓を立てました。

[漢文]
著無畏鎧欲度眾生,淨佛國土蠲除穢惡,立志堅固樂不退轉。
[現代日本語訳]
彼女たちは無畏の鎧、すなわち恐れることのない強固な心を備え、衆生を救い仏の国土を清めたいと願い、穢れや悪を取り除くことを目指しまし、その志は堅固であり、喜んで退転することのない者たちでした。

[漢文]
時有七十萬二千億女,在大曠野非人行處,齊同一行,解空無想無願之法,一日一時三等通達,即成佛道,眾相具足。
[現代日本語訳]
その時、七十万二千億人の女性が広大な荒野にいて、人が行かないような場所で、同じ行いを実践していました。彼女たちは空、無想、無願の法を理解し、一日一時の修行でその三つの法を完全にマスターし、すぐに仏道を成就し、あらゆる仏の相を備えました。

[漢文]
存亡自在,以小受大以大入小,即於彼日度阿僧祇無量眾生,於無餘涅槃化度眾生。
[現代日本語訳]
彼女たちは生死を自在に操り、大小を自由に変え、すぐにその日、無数の衆生を救済しました。彼女たちは完全な解脱に至り、衆生を救い、解脱へ導きました。

[漢文]
是謂不捨身受身而成佛道。」
[現代日本語訳]
このようにして、彼女たちは身を捨てることなく、新たな身を受けることもなく、仏道を成し遂げたのです。」

[漢文]
爾時世尊欲重宣此義,而說頌曰:

[現代日本語訳]
その時、世尊はこの教えをもう一度明確にするために、次の偈を説いた:

[漢文]
「法性如大海,不記有是非;凡夫賢聖人,平等無高下。
[現代日本語訳]
「法の性質は大海のよう そこには是か非かといった区別はない
凡夫も、賢者も、聖人も 平等にして、上下の区別はない

[漢文]
唯在心垢滅,取證如反掌;道成王三界,闡揚師子吼。
[現代日本語訳]
心の汚れを消し去るだけで 悟りを得るのは手のひらを返すように容易である
仏道を成し遂げて、欲・色・無色、三界の王となり 師子が吼えるように教えを広める

[漢文]
分別本無法,無有男女行;今在五濁世,現有受身分,斷滅計常者,障閡經劫數。」
[現代日本語訳]
本来は、真理において区別はない 男女の行いにも区別はない
今は五濁悪世にあって 肉体を受けている
中道から外れるならば 永劫に悟りを妨げられてしまう」

※ 「常住や断滅を計る」を「中道から外れる」と解釈した

[漢文]
爾時,世尊說此偈時,八萬四千億眾生立志堅固,皆願成佛不經後身。

[現代日本語訳]
その時、世尊がこの偈を説き終えると、八万四千億の衆生が堅固な志を立てた。皆、生まれ変わりの肉体を経由せずに成仏することを願った。

[漢文]
佛告無盡意菩薩:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に告げた:

[漢文]
「過去七十二億恒河沙劫,有佛出世,名妙音如來、應供、正遍知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、佛、世尊。
[現代日本語訳]
「過去、七十二億恒河沙劫という遥かな昔に、『妙音如来』という名の仏が現れました。彼もまた『応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊』という十の称号を持っていました。

[漢文]
彼佛國土名曰無垢,所有眾生,皆樂梵行,修八正道。
[現代日本語訳]
その仏の国土は『無垢』という名で、そこにいるすべての衆生は、清らかな行いを楽しみ、八正道を修行していました。

[漢文]
彼佛常於大會中,為菩薩眾說法度生,眾生敬信,無有懈慢。
[現代日本語訳]
その仏は、常に大きな集まりの中で菩薩たちに教えを説き、衆生を導いていました。そこにいる衆生は仏を敬い信じ、怠慢になることはありませんでした。

[漢文]
彼國眾生,雖受女人身,皆無欲貪,出家學道,速證佛果。
[現代日本語訳]
その国の衆生は、女性の身を受けて生まれてきても欲望や貪りの心がなく、皆が出家をして道を学び、すぐに仏の果を証しました。

[漢文]
是謂彼國不捨身受身,而得成佛道。」
[現代日本語訳]
このようにして、彼の国において身を捨てることなく、新たな身を受けることもなく、仏道を成就したのです。」

[漢文]
爾時世尊欲重宣此義,而說偈曰:

[現代日本語訳]
その時、世尊はこの教えを再び明らかにするために、次の偈を説いた:

[漢文]
「妙音佛無上,智慧如大海;無垢淨國中,度生常說法。
[現代日本語訳]
「妙音仏は無上であり その智慧は大海のように広大である
彼の住む無垢浄国で 常に衆生を導き、法を説き続けている
[漢文]
國中諸眾生,受身悉女人;修行八正道,速證無上道。
[現代日本語訳]
その国のすべての衆生は 女性の身を受けている
彼女たちは八正道を修行し 速やかに無上の道を証する
[漢文]
如來神通力,現有無量身;住彼不思議,國土淨光明。
[現代日本語訳]
如来の神通力によって 計り知れない身を現じ
不思議な力でその国土に住し その国土は清らかな光明に満ちている
[漢文]
彼國諸菩薩,淨修梵行樂;以度無量衆,疾證最上道。
[現代日本語訳]
その国の菩薩たちは 清らかな梵行を楽しみ
多くの衆生を救い 速やかに最上の道を証す

[漢文]
爾時,無盡意菩薩白佛言:
[現代日本語訳]
その時、無尽意菩薩は仏に申し上げた:

[漢文]
「世尊!是妙音佛國,其有衆生修梵行者,疾證無上正等菩提耶?」
[現代日本語訳]
その時、無尽意菩薩は仏に申し上げた:「世尊!妙音仏の国において、梵行を修行する衆生は速やかに無上正等菩提を証するのでしょうか?」

[漢文]
佛告無盡意:

[現代日本語訳]
仏は無尽意に告げた:

[漢文]
「然也。彼國修梵行者,皆速疾證無上正等菩提。」
[現代日本語訳]
「その通りです。彼の国で梵行を修める者は、すべて速やかに無上正等菩提を証するのです。」

[漢文]
無盡意菩薩白佛言:

[現代日本語訳]
無尽意菩薩は仏に申し上げた:

[漢文]
「世尊!彼佛國土,何故多女人?彼女人等何以故疾得無上正等菩提?」
[現代日本語訳]
「世尊!なぜ彼の仏国土には多くの女性がいるのでしょうか?その女性たちは、なぜ速やかに無上正等菩提を得ることができるのでしょうか?」

[漢文]
佛告無盡意:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に答えた:

[漢文]
「彼佛國土諸女人等,皆由於過去世中,曾發弘誓修行梵行,以此因緣,疾得無上正等菩提。」
[現代日本語訳]
「彼の仏国土にいる女性たちは、皆、過去世で大いなる誓いを立て、清らかな行いを修行したため、その因縁によって速やかに無上正等菩提を得るのです。」

[漢文]
無盡意菩薩白佛言:

[現代日本語訳]
無尽意菩薩は再び仏に申し上げた:

[漢文]
「世尊!如我解佛所說法義,彼國女人既能修行梵行,疾得無上正等菩提,是則無有男女差別。」
[現代日本語訳]
「世尊!私が仏の説かれた法義を理解する限り、彼の国の女性たちはすでに梵行を修め、速やかに無上正等菩提を得ているのです。つまり、そこには男女の差別はないということになります。」

[漢文]
佛告無盡意:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に答えました:

[漢文]
「汝說是也,彼國女人無有男女差別,修梵行者,皆平等疾得菩提。」
[現代日本語訳]
「その通りだ。彼の国の女性たちには、男女の差別はない。梵行を修める者は、すべて平等に速やかに菩提を得るのだ。」

[漢文]
爾時,無盡意菩薩白佛言:

[現代日本語訳]
その時、無尽意菩薩は仏に申し上げました:

[漢文]
「世尊!我今欲發願,願得速疾成佛,度一切女人令皆離女身。」
[現代日本語訳]
「世尊!私は今、願いを立てたいと思います。速やかに成仏し、すべての女性を救済し、彼女たちを女性の身から離れさせたいのです。」

[漢文]
佛告無盡意:

[現代日本語訳]
仏は無尽意菩薩に答えました:

[漢文]
「汝發此願,無量無數諸佛所共讚歎,當來諸佛亦當護念汝。汝必能疾成無上正等菩提。」
[現代日本語訳]
「汝がこの願いを立てたことは、無量無数の諸仏によって共に讃えられるでしょう。未来の諸仏も汝を守り、念じることです。汝は必ず速やかに無上正等菩提を成し遂げることができるでしょう。」

[漢文]
爾時,無盡意菩薩聞佛所說,歡喜踊躍,為諸眾生廣發弘誓,精進修行,速疾成就佛道。

[現代日本語訳]
その時、無尽意菩薩は仏の説かれたことを聞き、大いに喜び、跳び上がるほどの歓喜を得た。そして、すべての衆生を救うために広く弘誓を立て、精進して修行し、速やかに仏道を成し遂げようと決意した。

[漢文]
爾時,世尊於彼大會中,復為無盡意菩薩及諸菩薩摩訶薩,說甚深法門,稱讚梵行之德,廣顯無上正等菩提之道。

[現代日本語訳]
その時、世尊は、その大集会の中で、無尽意菩薩および他の菩薩たち偉大な者たちに向けて、非常に深遠な法門を説き、清らかな行いの徳を讃え、無上正等菩提の道を広く明らかにした。

[漢文]
爾時,諸大菩薩及天人,聞佛所說,皆大歡喜,信受奉行。

[現代日本語訳]
その時、偉大な菩薩たちや天人たちは、仏の説いた教えを聞き、皆が大いに喜び、その教えを信じて受け入れ、実践したのだ。

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以上。

頑張った。かなり頑張った。
ミスとか翻訳間違いの指摘はぜひください。
でもその前に何か一言褒めてくれー。
頑張ったもん。

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