美味いメロンパンが食べたいだけなのに(二〇二四年二月十三日)
お昼ご飯にコンビニのメロンパンを食べることにハマっている。
各社コンビニのメロンパンを食べ漁り、個人的にはローソンのそれがベストマッチなのが判明。
ここで重要なのが作られて日が浅い=消費期限が先であるということ。作りたての方がクッキー生地がサクサク&パン生地がフワフワしており2つの食感が奏でるハーモニーがなんとも…という具合なのだ。
日が経つにつれてクッキー生地の方に水分が移りメロンパンとしての一体感は増していく為、それはそれで「あり」である。
ただやはり、サクフワメロンパン。これには敵わない。
陳列棚の基本として消費期限が近いものから手前に並べられている為、目当てのブツを手に入れるにはメロンパンの山を掻き分け奥から抜き取る必要がある。
そんな時、あるPOPが目につく。
「てまえどり」にご協力ください。
……初めてSDGSが憎いと思った。
フードロスを減らすため、すぐに食べるなら手前からとってね。当たり前のことのように掲示されている言葉。均一の太さの線で書かれたキャラクターがこちらを見ている。
では、「てまえどり」をしない僕は悪なのか。
僕はただ美味いメロンパンが食べたいだけなのに、「てまえどり」をしないやつ、という烙印を押される。
それでも…それでもやはりサクフワメロンパンが食べたい。
反SDGS野郎という謗りを受けながらも、それでもメロンパンの山を掻き分ける僕。
ローソンに行ってはパンコーナーへと向かう日々。
背中の方から叫び声が聞こえる。裏切り者、と。
涙が溢れてきても、掻き分ける。
掻き分けては(メロンパンの)山の奥へ奥へと進む。
最奥部にたどり着けば、そこにあるメロンパンを貪る。
掻き分けては貪り、掻き分けては貪り。
メロンパンが僕の脳を支配する。
掻き分けては貪って
消費期限の遠いメロンパンのことしか考えられない。
掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って
どうしてしまったんだろう
掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って
サクフワ
掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って
掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って
掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って掻き分けて貪って
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………
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………
………いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
瞼を開けると、眼前にはメロンパンが陳列された棚が無数に広がっていた。
あぁ、そうだった。
何も考えず、僕はメロンパンに手を伸ばした。