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ほっかいどう暮らし39 江差の繁次郎と五勝手屋羊羹

子供の頃、日本の昔話や民話を読むのが好きでした。お昼休みや放課後には、よく学校の図書室で「日本昔話」などの本を読み耽っていました。

親になってからも、子供達への読み聞かせには

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日本の昔話が多かったです。

中でも、僕も子供たちも「とんち話」が大好きで、一休さんや吉四六さん、彦一どんのお話は何回も読みました。威張っている人や意地悪な人をとんちでギャフンと言わせるのが愉快でした。

さて4月も半ばにもなると、北海道も春らしくなってきます。有名な松前町の桜も開花したというニュースが流れて「あぁ道南方面に行きたいなぁ」と思い、雑誌やネットでいろいろ調べていたところWikipediaに

繁次郎(幕末ころ、江差に住んでいたとんち名人)

繁次郎(しげじろう)?とんち名人??

まったくの偶然に、僕の中で「道南」と「とんち名人」がつながり、これは

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ということで江差町に行くことに。

日曜日の朝早くに出発(僕の住んでいるところから江差町までは約270Km)。この時期車の運転で気をつけなければならないのは

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鹿の飛び出し。

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道路脇のいたるところに鹿の群れが。内地の人なら「まぁ、かわいい」となるのでしょうが、我々にとっては怖い存在です。というのも

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急に道路に飛び出してきたりするので。追突してしまうと、鹿も気の毒ですが車もかなりのダメージを受けます。

江差町を訪れるのは今回で2度目です。初めて行ったのは数十年前、高校生の頃夢中になって読んだ五木寛之「青春の門」の影響でした。「第七部 挑戦篇」の前半の舞台が江差町なのです。

江差は風の街である。季節によっては、北海道でも最もつよい風が吹くという。秋が過ぎ、冬が到来するころ、この街には異様な風が吹きはじめる。漁師たちが俗に、〈タバ風〉と呼ぶ、西北、または北北西からの強烈な海風である。(中略)その全道随一の風の街の中でも、さらに群を抜いてつよい風の吹く場所があるらしい。〈鷗島〉が、それだ。 (「青春の門 第七部 挑戦篇」プロローグより抜粋)

主人公が鷗島(かもめじま)に向かうところから物語は始まります。ということで

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まずは鷗島。強い風は吹いていませんでしたが、雨が降ってました(笑)。

前回来た時は鳥居と奇岩があるだけの寂しい島で、小説のイメージに合っていたのですが、今は観光地になっています。

繁次郎

今回の目的である「繁次郎」については予め調べていたのですが、一休さんのようにとんちで困っている人を助けるような話ではなく、どちらかというと自分が美味しいものにありついたり、借金取りを追い返したり、といった話が多いようです。

それでも町民に愛されているようで

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日本一小さな道の駅「道の駅 江差」にある繁次郎像。台座には「笑え わらへば ええごとある」。

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繁次郎温泉。

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江差町のマスコット「しげっち」。

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「銘菓 江差の繁次郎」。

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「ぱぶ 繁次郎」。

町中いろいろなところで「繁次郎」を見かけます。

繁次郎愛を感じることができたところで、江差町に来たらもう一箇所行きたいところが。

五勝手屋羊羹本舗本店

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言わずと知れた北海道の老舗中の老舗、「五勝手屋羊羹本舗」さんの本店。

実はうちの妻が道南の出身で、子供の頃から五勝手屋羊羹を食べていたそうで、今でも大好きなんです。

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こちらが五勝手屋羊羹。

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下から押し出して、付属の糸でくるりと切って食べます。とりわけ妻は

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この「最初の砂糖でシャリシャリしたところ」が好きなのだとか。

江差の道の駅でお店の人に「五勝手屋羊羹の普通のやつは割とどこでも買えますが、本店ではナッツの入った限定品が買えます」と教えていただいたので、妻へのお土産にしようとやってまいりました。

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こちらが本店限定のナッツ入り羊羹。後で聞いたら「ピスタチオ」が1番おいしかったと言ってました。

そしてカウンターの端っこに発見!!

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なんと「最初の砂糖のシャリシャリしたところ」だけの袋入り!その名も「通好み」。これも本店限定らしいです。きっとこれは妻も喜ぶだろうと1袋購入。

この後、雨の中街歩きを少しだけ楽しんで帰りました。(昔の街並みを模した『いにしえ街道』はとても良かったです)

約4時間ほどかけて家に帰り、妻に「はい、お土産。五勝手屋羊羹のシャリシャリした部分だけのやつ」と「通好み」を渡しました。

「まぁ、私のことわかってくれてるのね」「ステキよ」「おこづかい上げなきゃ」って言われるかと思ったら

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おしまい。

…今回もお小遣い上がりませんでした。

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