北海道のむかし話16 江差の繁次郎
江差の繁次郎
札幌方面から国道227号で江差町に入ると、海に沿って道の駅があります。
「笑え 笑へば ええごとある」
笑いの守り神に出会う道の駅です。
“江差の五月は江戸にもない”といわれたころに、実在していたと伝えられる繁次郎という男がおりました。
生まれは厚沢部村で福田といい、五尺に足りぬ小男で、頭と目玉と鼻が大きく、40過ぎまで母と二人暮らしでした。
酒よし、ボタモチ結構の大食漢、しかも女には目がない、これだけでも笑い話のタネになる資格はありました。仕事は身が入らず、頓智頓才をきかしたヘラズ口ばかり叩いて、みなに笑いを振りまいていたといいます。
「繁次郎の頓智話」の冊子も出ており、落語のネタや諸国の頓智話と共通するものも少なくありません。
江差でなければ筋道の合わない話も残されています。
明治のはじめに60歳くらいで死んだということです。
繁次郎の話を、当時の人々の生活の様子や辺りの様子などを想像しながら読んでみると面白い話がたくさんあります。
「北海道のむかし話」として幾つかを紹介していきます。