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観光客が行かない雷電国道の旅ー前編


雷電(らいでん)国道の旅

雷電国道

国道229号は日本海沿岸を通る道で、江差から小樽まで286.7 kmあります。
北海道で最も絶景を楽しめるドライブコースでしたが、1996年(平成8年)、28年前の豊浜トンネル崩落を代表とする危険と隣り合わせの国道でした。
現在は、新トンネルが開削され絶景は半減しましたが魅力ある国道であることに変わりはありません。

名称も多彩で、「日本海追分ソーランライン」「セタカムイライン」「雷電国道」「檜山国道」「ニシン街道」と呼ばれています。

島牧村から小樽間を雷電国道といいますが、雷電と言われる本来の区間は蘭越町港町から岩内町のピンノ岬を抜けた敷島内の約15キロをいいます。


本来の雷電国道




セバチ鼻

寿都町を過ぎて尻別川を渡ると蘭越町に入ります。この一帯は山部落を含めて地名を港町といいます。上の地図の矢印下が港町です。

蘭越町には道の駅が二つあります。
この海沿いに「道の駅シェルプラザ・港」があり、もう一つは札幌から小樽経由の内陸で国道5号沿いの「道の駅らんこし・ふるさとの丘」になります。

道の駅シェルプラザ・港


道の駅らんこし・ふるさとの丘



平成15年、「らんこし・ふるさとの丘」は、地元産の「らんこし米」や野菜を販売しています。
「シェルプラザ・港」は平成17年からで、日本海沿いの国道229号の休憩スポットとしてつくられました。珍しい貝や貝細工の販売で、隣接して「貝の館」もあります。

国道5号と229号では通行量も差があるので、採算を度外視してまで、何故「港町」に道の駅が作られたのか興味深いものがあります。
国道229号はドライブコースといいますが、港町を抜けてセバチ鼻(岬)までの海岸線は車で10分も走れば、磯谷トンネル(セチバ鼻)に入り、トンネルを抜けると岩内町となり、更に長い刀掛トンネル(2,754m)に入ります。
おそらく、港町の道の駅は江戸末期から明治の初めにはニシンのドル箱で大いに賑わった歴史があるのでしょう。

雷電岬 (らいでんみさき)


岩内町の西のはずれに雷電海岸があります。かつて、国道229号は雷電海岸の刀(かたな)掛岩(かけいわ)(義経伝説)で陸路をはばまれ、南に行くには海路を利用するか山越えをするかのどちらかでした。
刀掛岩は、ニセコのアンヌプリから西に連なるニセコ連峰の最後に連なる雷電山(標高1,211.7m)が日本海に断崖となって、雷電岬へと続き、義経伝説に出てくる弁慶の刀掛岩の奇岩を最後に日本海に落ち込む景勝地となっています。

「雷電」名の由来は、枯れ木「ライ・ニ」や、低い出崎「ラエンルム」、また義経伝説の「来年くる」とメイコをだましてここから船出した伝説から「来年」が「雷電」となったという説もあります。

この雷電岬を開削して刀掛トンネル(2,754m)が作られました。
昭和38年に国道が開通し、温泉宿が開業。かつては9軒の温泉宿がありましたが令和元年に三浦屋旅館を最後になくなりました。この温泉宿があったところから山越えの道があり、雷電峠の山道を4kmほど入ると一軒宿の朝日温泉があります。
明治のころは、駅逓所として大変繁盛していたといいます。日帰り温泉で訪れたことがありますが、2010年の集中豪雨で現在は長期休業中です。




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