地域おこし協力隊インタビュー vol.5
【弟子屈町】川上 椋輔さん
弟子屈町の協力隊となった経緯を教えてください。
弟子屈町のことは、人気ラーメン店の屋号として町名を知っていた程度でした。ちょうど、報道の限界を感じ、地域づくりの当事者になりたいと次のキャリアを模索していたときに、津別町にある道東テレビの立川社長(津別町元地域おこし協力隊)から弟子屈町が地域おこし協力隊を募集していると紹介されたのがご縁です。初めて町内を見て回ったとき、川湯温泉や硫黄山、摩周湖、蕎麦など、贅沢なぐらい様々な資源がある宝石箱のような町だと感じたため、その良さを伝えることが逆に難しい、町のプロモーションに課題があるのかなと感じました。
弟子屈町に来て地域に馴染むために意識したことは何ですか。
着任してから初めの一ヶ月間は居酒屋にしか行っていなかったと言ってもいいぐらい通っていました。そこでは町で働く様々な方、いろいろな立場の人、個性がすごく強い人、引き寄せられる人、巡り合うのが必然だったと思うような人など多くの出会いがありました。私はすべてを吸収したかったので、一人でも多くの方と会話することを意識しました。その結果、この町の地域課題に全力で取り組む意思のある人間だと町民の皆様に理解されたと思っています。
弟子屈町の魅力を教えてください。
町民の皆様は外から来る人に対して寛容であり、移住者が増えて町に活力が生まれてきた事だと思います。私は今年で28歳になりますが、同世代の移住者が多くなったと身にしみて感じています。
また、親から子へ、子から孫へと世代交代が進んでいることから、前例にとらわれず新しいことがやりやすくなってきていることも魅力だと思います。
活動内容について教えてください。
協力隊として主な業務は、ユーチューブチャンネルの運営で、現在は月8本程度投稿しています。また町内に会社を設立し、宿泊施設やコワーキングスペース「ジンバ」の運営、映像関係の仕事もしています。お陰様で現在はどの事業も忙しくなってきました。まだまだやりたいことは多くあるのですが、同級生と二人で切り盛りしているせいか、手の回らない事が多くなってきました。
コワーキングスペース「ジンバ」とはどのような場所ですか。
訪問客と弟子屈町民をつなぐ機能を持つ場所です。観光目的でふらっと立ち寄る場所というよりは、移住や定住などを念頭に置いている方が来られた方が、より良い結果が得られると思います。ジンバ近郊にはホテルもあるので、中長期的な利用も可能です。日中は無人店舗として営業しており、今後はさらに多くの人と人が繋がることができる拠点にしたいと考えています。
今後はどのような活動をしていきたいか教えてください。
テレビ局勤務時代と比べて視聴者がとても身近にいると感じており、また、最近、町民の皆様が「まちづくり」に対して主体的になってきていることに嬉しさを感じます。任期後も弟子屈町に残り、町の「魅力」や「気づき」を引き続き発信していきながら、今の取組をより拡大させて、「まちづくり」に関わっていきたいです。
この記事は、「創る」第27号発行時点(令和6年3月時点)の内容です。