札幌ラ・サンテのホワイトアスパラフルコース
ただいま発売中の「北海道生活」夏号、最後まで読み終わった方には、最後の編集後記で私が撮影した写真が載っていることをご存知だと思います。
そう、毎年この時期に熱愛する札幌「ラ・サンテ」のホワイトアスパラのフルコース。
編集後記を書いている頃は毎日コンビニ生活で、「終わったら、行くぞーーーー!」とよだれをがまんしながら昨年撮影した一枚を載せました。編集後記とは何の関係もありません(笑)
昨年は緊急事態宣言中のため、ノンアルコールでいただいたフルコース。しかーし、とってもとってもおいしいので、ワインで酔うこともなく最後までじっくり味と向き合えるよさを感じたものです。
そうして、今年もやってきました!
札幌 ラ・サンテ「ホワイトアスパラガスとミルクラムを楽しむコース」
毎年まったく同じコースではないのです。今回おどろいたのが、ウエルカムスープ。
ホワイトアスパラの皮からとったダシ。ホワイトアスパラのダシはおいしくて、この時期、リゾットなどに使う方も多いんです。
いきなり、このダシにやられました。……おいしい……。
「今年も安平町・八木さんの露地物のホワイトアスパラです」と高橋シェフ。私が勝手に八木姐さんと尊敬してやまない、自分の中では一番おいしいホワイトアスパラをつくってくれる生産者さん。今年も最高においしいホワイトができたと、このスープから伝わりました。
お次は、ホワイトアスパラガスの収穫…
畑に見立てたとかちマッシュのパウダーとムースから、ホワイトアスパラを掘り出して楽しむアミューズ。
わくわく感が始まります。
そして今回は、もう一つのサプライズが!
ホワイトアスパラに見立てたクッキーが、皮の中からにょきっと生えた一皿も登場。
こういう遊び心も、高橋シェフの大好きなところ。
そしてお魚料理のメイン、トキシラズのスモークとエゾアワビとホワイトアスパラのサラダ。
サラダ、というより、皿だ。どーんと鎮座するホワイトアスパラに、しっとりしたトキシラズのスモークがのっかり、脇にはエゾアワビが肝のソースとともに存在感を放ちます。
まわりを盛り上げる野菜たちの中でも、ラディッシュは「もうすぐ始まる北海道神宮例大祭では、二十日大根を食べる習慣があることから、この時期に添えてみました」と高橋シェフ。
札幌のレストランにいることを、季節感や歴史とともにさらりと気づかせてくれます。
茹で上げのホワイトアスパラとウニとマッシュルームのクリームソース
こちらもこのコースでははずせない定番。ウニといっても、いかにもウニでございますと載せるのではなく、あくまで茹で上げたホワイトアスパラを引き立てるマッシュルームと合体した旨いソース。
夢中になってワインのことを忘れていましたが、ここで合わせたのは「YAMAZAKI WINERY」ケルナー。今はもう手に入らない希少なワインです。ドイツ品種のケルナーは、アスパラにすっごく合うのです。きっとドイツ人の方もそう気づいているのではないかと思う、北海道らしい爽やかで旨みもしっかりした一杯でした。
さて、このお皿が登場すると、本日のメインイベント!
↓
この白いお皿は、アスパラを愛する高橋シェフの自作。ここに、ホワイトアスパラのメイン「笹で包んだホワイトアスパラの塩釜焼き」が登場するのです。
どれだけ好きなんですかー!もう!私も大好きです!
思い出すたびによだれが出そうになります。八木姐さんのホワイトアスパラ、その実力をシェフが最大限に引き出したスペシャリテ、本当に本当においしすぎます。本当に美味しいので、「おいしい」しか言葉が出ません。
次のお肉に行く前に、今回は厚沢部町「ジェットファーム」のグリーンアスパラのローストが出ました。
道南にある厚沢部(あっさぶ)でグリーンアスパラだけを育て続ける長谷川さんは、まさに情熱の生産者。アスパラといえば、自分の5本の指にはしっかり入る、すばらしいアスパラの生産者さんです。
さあ、お次は第二部。足寄町(あしょろちょう)石田めん羊牧場のミルクラムの料理へとバトンタッチ。
すね肉・ハラミ肉・アキレス腱のゼリー寄せ
ラム(仔羊)よりも小さい、赤ちゃんのミルクラム。その繊細でピュアな味わいを、大切な命をあますことなく紹介してくれます。
内臓のアンドゥイエット、50日のミルクラムの薪焼き
シェフから一つ一つの部位の説明をきくと、ミルクラムがいかに小さいかがわかります。
どれも繊細でやわらかいお肉、その上にのせているのは昨年秋に獲れたというキノコ「ボリボリ」。このときはブルゴーニュのピノ・ノワールといただきました。羊のクセはあまりないのですが、羊肉とぴったり合います。
そして、バスク風 羊乳のプリン「マミヤ」
オリーブオイルと塩でいただく、〆の一皿。杏仁豆腐のようにみえますが、ミルクラムを育てる羊乳のおいしさまで味わえる一品です。
最後のデザートは、昨年の「北海道生活」で紹介した栗山町のルバーブを使ったスープ仕立ての一皿。昨年はハスカップで今年はイチゴでした。
と思ったら、アミューズにハスカップのマカロンが出てきました!
今年もおいしくいただきました。ワインのペアリングも最高でした。
なんとか一年過ごせたなあ、とか、なんとかもう一回来たいなあとか、様々な思いで胸がいっぱいに。
シェフ、お店のみなさま、生産者のみなさま、たくさんの幸せに感謝します。ごちそうさまでした!
(編集長)
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