介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第9回 「マネージャー論 成長につながる「機会」の与え方③」
こんにちは。ラボ事務局の杉田です。
今週もラボ代表及川による「介護新聞」連載企画（第9回）をお届けいたします。
第9回のテーマは「マネージャー論 成長につながる「機会」の与え方③」です。
先々週、先週に続き、部下の正しい育成方法についてお話をいたします。
↓↓ 前回第7回、第8回の原稿はこちらからご覧いただけます。↓↓
部下が働く中で継続的に成長していけるために気をつけていきたいこと、今回は依頼する仕事の「難易度」に焦点をあてて解説を進めていきます。
また、仕事を振って終わりではなく、きちんと状況を把握し続けることの重要性についても触れています。
今回の内容も実務ですぐに試せるものになっておりますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います！
介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる‼
連載第9回「マネージャー論 成長につながる「機会」の与え方③」
継続的な成長につながるようなちょうどよい「機会」となる仕事は、部下の経験や能力、キャリアプランなどを理解し、それを踏まえて内容を判断しなければなりません。その内容は、難しすぎても簡単すぎてもよくありません。
難しすぎる仕事とは、例えば本来の仕事と関係のない、持っている知識を活かせない仕事とか、それまでの経験が全く活きない部署での仕事といった、無理難題の内容が該当します。
このような仕事を与えてしまうと、本人の成長につながる可能性が低いばかりか、絶望的になり、逃げ出す原因になるかもしれません。一方、簡単すぎる仕事とは、例えば単調で技術や経験が身につかない仕事や、問題解決を行う必要がない課題をこなすだけの仕事などが該当します。
程よい難易度で成長につながるような課題を与えたとしても、そこから逃げても何とかなるような状況、例えばその課題を解決せずに過ごしても他の仕事で頑張れば相殺できるような状況では、簡単すぎるのと変わりません。
このように、慢心したり、手を抜いたりしては、本人の成長につながる可能性が低いです。できるかできないかギリギリの課題を与えられた場合に、人は最も大きな成果を出すそうです。
成長につながるような仕事とは、「無理難題を押し付け、逃げ場をなくすような難しさ」や「手を抜いてもできるような簡単さ」ではなく、「やらなくても済むよう逃げ場」もあってはいけないのです。
では、具体的にどの程度がいいのでしょうか。これまで関わってきた仕事と同じ仕事でありながら担当分野を少し変える、といった仕事が望ましいです。法人営業であれば、小規模事業者担当から、より詳細で複雑な分析や提案が望まれる大規模企業担当の部署に異動させるといった感じです。
それまでの経験や知識を活かすことができますし、部署が変わるので、「それまでの顧客との仕事でお茶を濁すようなやり方」が通用しません。このように、難しすぎず簡単すぎない仕事を与えることが、部下の継続的な成長につながる「機会」になるのです。
さて、程よい難易度の仕事を与えたら、後は本人に任せておけばよいのでしょうか? もちろん、そうではありません。その後も、継続的に部下の状況を「把握」する必要があります。 仕事開始当初は本人にとって適当な難易度であったとしても、仕事を進めていく中で、難易度が適当ではなくなってくることも大いにあり得るのです。
その理由は、職員ごとに性格や、成長スピードが異なるためです。例えば、性格面では難題にぶつかった時に適度に人のサポートを受けながら自分で解決していける部下であれば良いですが、ストイックに課題に向き合うタイプの場合、自分を追い込んでしまい、解決できないままトラブルになるまで抱え込んでしまう可能性があります。
そのような場合、状況を見ながら上司の方からサポートを提案することが必要でしょう。逆に、仕事の習得は早いが、慣れてくると慢心したり手を抜きがちなタイプの場合、課題の難易度を調整して手を抜けない環境づくりを行う必要があります。
ちょうどよい機会とするためには、常に部下の状況を把握しながら、必要に応じて課題を調整したりサポートしていくことが必要です。これが、上司のとても大切な役割なのです。決して「課題を与えて、後は期末面談で確認するだけ」ではいけません。そのような状況では、継続的な成長に繋がらないばかりか、退職という最悪の結末が引き起こされる可能性もあります。
職員には成長してほしいし、長く定着してもらいたいものですよね。今回説明した内容を、無理のない範囲で実施していただくことで、お役に立てたら嬉しく思います。
http://wwu.phoenix-c.or.jp/~medim/kaigo/2023/202303kaigo/kaigo20230324.html
今週もご訪問いただきありがとうございました！
また次回、第10回の記事でお会いしましょう！
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