あのひとに習ったグラタンを日本のごはんに寄せてみた。
彼女は生粋のパリジェンヌ。
秘密めいた、床にモザイクが施されたパッサージュや、夜の教会でのパイプオルガンのコンサートにわたしを連れて行った。本当のパリをマサエに見せたいと言いながら。
これは味わないとね、と、連れていってくれた店は、牛の骨の髄がスペシャリテ。
はじめての味のそれは美味しかったことよ。
食べ終わるのがもったいなくて、ゆっくり食べていたらゆっくりすぎてマダムに皿を下げられた。
彼女は言った。
「彼女は遠い日本から来てパリの味を満喫してるっていうのに!次回、骨を1本サービスしてもらわなきゃ。」ショップカードに1本サービスと書いてもらった時にはパリジェンヌの真髄を見た気がした。髄つながりだわ。
わたしは帰国前にオペラ座の天井桟敷のチケットを2枚買って彼女を招待した。演目はラ・バヤデール。アジアとヨーロッパを繋ぐようだと、わたしたちはちょっとはしゃいだ。
さて、ある年、思いがけず17年振りに会えた時に作ってくれたのが、こちら。
アッシパルマンティエです。
ひき肉とつぶしたじゃがいもを重ねてオーブンで焼いた、フランスの国民食といっていい普通の家庭料理です。日本の肉じゃがといったところです。
この時はバゲットと赤ワインに合うアッシパルマンティエでした。もちろん。
帰国後、米さえあればなんとかなる!が信条なわたしは、ごはんにあうグラタンにしてしまったのです。どうですか?
食べてみたくありませんか?
それでは作っていきましょう。
👉じゃがいもは皮をむいて、2cm角に切ります。
👉鍋に入れて牛乳を50㎖(半分ね)、ひたひたの水を入れて中火にかけ、
じゃがいもがやわらかくなるまで煮ます。
水分がほぼなくなったら、バターと残りの牛乳を加えてつぶし、やわらかめのマッシュポテトにしてください。バターの香りがたまりませんねぇ。
👉しめじは石づきをとって、たまねぎ、にんにくとともにみじん切にします。この時はぶんぶんチョッパーを推奨します。
👉フライパンにオリーブオイルとしめじ・たまねぎ・にんにくのみじん切り、塩を一つまみ入れて、中強火で炒めます。
しんなりしたらひき肉を加えてしっかり炒めてください。
👉すぐ食べたいくらいに炒まりましたか。
日本の調味料、味噌・醤油。そしてこしょうを入れましょう。調味料が混ざりやすいよう少しの水、小さじ2くらいも入れます。
水分を飛ばしながら味をなじませます。
👉耐熱皿に半分のマッシュポテトをしいて、その上に野菜+ひき肉を乗せます。残りのマッシュポテトでカバーしてください。
👉チーズを乗せて、210度のオーブントースターで10分ほど焼いたら出来上がり。チーズの焼けるにおいがたまりませーん。
書いているだけで食べたくなる一品です。
バターと牛乳がしみたマッシュポテトが
醤油、味噌、ソースでしっかり味付けした野菜とひき肉と合わさって。
とろりと溶けたチーズは焼き目もあって。
全部が口の中で初めて、とろけるように混ざります。
書いていて、たまらなく食べたくなってきたので、これにて失礼。
作ります。
よかったらお試しを~。
北海道新聞に掲載されたレシピをがっつりリライトしました。
北海道では豚肉をよく使うので、豚肉で作りました。
お好きなひき肉を使ってください。
読んでくださったり、♡してくださったりありがとうございます。北海道の生産者や素材、加工品を、noteでご紹介するのに使います。よろしくお願いいたします。