北海道ニセコ高等学校
脱アバランチ!!
こんにちは!北海道ニセコ高等学校です。私達が住むニセコは全国屈指のリゾート地で、ウィンターシーズンには良質なパウダースノーを目的に世界中からスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。
そんなニセコではスキー場として管理されていないエリアでのスキー "バックカントリー”が人気です。しかし、皆さんも一度は目にしたことがあるでしょう。毎年のようにニセコ町ではバックカントリー中の雪崩による死亡事故が多発しており、ニュースで度々報道されています。その被害者のほとんどは外国人スキーヤーで、現地のスキーヤーほど知識や危機感を持っていないことが原因と考えられます。実際に町内では雪崩ミーティングという事故の防止を目的とした講習会が開かれていますが、日本人が主催する日本語での講習会なのです。そこで、私たちは“脱アバランチ!!”というタイトルで、外国人向けの雪崩事故防止セミナーを実施したいと考えました。
〈防災活動内容〉
上記にも記載した通り、セミナーの対象者は外国人観光客です。講演はニセコ高校生に加え、雪崩のプロフェッサーやスキーのインストラクターの方々にも協力して頂くことが理想です。開催期間は冬季(12月〜3月)で、場所はスキー場のロッジや観光客が多く滞在するホテルでの実施を考えています。
ニセコにはもちろん英語圏からの観光客だけではなく、アジアやヨーロッパから来られる観光客もいます。基本的にどんな人種の外国人であっても“英語が通じる”という考えは一般的なことなのかもしれませんが、これは雪崩事故防止セミナーです。“命”に関わる大事な話は明確に捉える必要があるため、出来る限り母国語で理解したいものです。そのために英語のみの対応だけではなく、中国語やスペイン語といった多言語対応が求められます。ニセコ高校生にはトリリンガルの生徒が複数名おり、地域には国際交流員と呼ばれるマルチリンガルな外国人スタッフも在中しているので、地域の人々を巻き込みながら外国人スキーヤーの命を守れるセミナーを目指します。
〈協議〉
私達は、根室高校様と協議をしました。根室市とニセコ町は、約400kmほど離れていて、気候や文化も全く違う土地です。このような、お互い全く接点もないような土地の高校どうしでの交流・協議は、新たな視点や観点を私達にもたらしてくれました。
私達は、「ただのセミナーでは参加してくれる人が少ないと思う。より人を呼び込むための工夫を知りたい。」という質問を設定し、根室高校様には、
・「さらにSNSを活用してもいいのではないか」
・「地域のお店でのあらゆる言語での宣伝をしてみてはどうか」
・「まずは観光客の子供に雪崩教育をし、それを親に伝えてもらうことで外国人観光客の雪害への防災意識がつくのではないか」
という意見をいただきました。この三個の意見という、私達では思い浮かばなかった意見を得ることができとてもありがたく感じました。
根室高校様、今回はありがとうございました!
〈感想〉
今回の防災サミットに参加した私たち3人は、今年の5月末に兵庫県神戸市に防災を学びに行ったメンバーです。その際学んだ内容を活かし今回の防災サミットの内容を考えました。
まず、防災サミットを通じて大切だと感じたことは、地域ごとによって異なる防災活動の在り方があるということです。「この地域ではどのような災害によってどのような被害があるのか」それらを考えることはその地域で暮らす上でとても重要なことでありながらも、意識が薄いのが現状です。だからこそ、防災サミットを通じて私達が住むニセコ町ではどのような災害が起こり得るのか考えられるきっかけとなりました。また、この活動の中で「他の地域ではどのような災害が起こりやすく、どのような防災活動をしているのか」とあらゆる視点から考えアクションプランを作成することができました。そして、改めて自然災害の怖さを実感するとともに、避けられないからこそ、災害による被害を最小限にするために多くの人が災害とどう向かい合っていくべきか考える機会が必要だと感じます。
今回防災サミットに参加できたことを機に、私たち高校生という若者から広める防災意識の重要さを私達が住むニセコから発信していければと思います。