トラベルナースの思い出
トラベルナースとは
トラベルナースとは、期間(3か月・6か月・1年)、施設(病院・老人施設・訪問看護ステーションなど)を決め、看護師/准看護師として働くものです。即戦力が求められるため、臨床3年以上の経験が必要です。ほとんどは人材派遣会社を通しての応募になりますが、全国展開している某病院は、直接募集をしているようです。ちなみに、「応援ナース」と呼んでいる派遣会社もあります。
以下、派遣会社を通す場合の流れです。(遠方に住んでいる例)
・派遣会社へ登録する。
・上記会社が掲示している求人から自分で希望を出すか、担当者から紹介される。
・紹介先施設担当者(看護部長など)との電話/オンライン面接をする。
(近所の場合は、対面面接を言われることがあります。)
・採用が決まったら、引っ越し日、勤務開始日を双方で決め、引っ越す。(ケースによりますが、大体1か月以内)
・引っ越し日に、まず施設へ行き看護部長(施設長)/事務へ挨拶、白衣(スクラブ)試着、部屋の鍵を受け取る。(施設によるが、この時に契約書サイン、オリエンテーション、職場挨拶がある。か、勤務開始までの後日。)
・借り上げアパート/マンション/家へ行く。(ほとんどの場合、電気・ガス・水道は自分で契約。)
・勤務開始する。(だいたい、引っ越しから3日以内に勤務開始。)
・契約終了の際、だいたい退職日から1週間以内のアパート退去となる。
上記補足
・雇用は、施設との直接雇用になるので、給料は施設から支払われます。(期限付き)臨時職員扱いになるので、ボーナス、退職金は出ません。厚生年金、社会保険、雇用保険などは加入になります。
・ちなみに、派遣ナースの場合は派遣(斡旋)会社との契約になり、派遣会社から給料が出ます。・・・ドクターxとかこれかな。
・派遣会社からの紹介は、無料です。代わりに、施設から派遣会社へ紹介料として〇十万円/人が支払われます。基本的に契約期間中に辞めることは出来ません。「嫌で辞める」などの理由の場合、ペナルティが課せられます。一例として、赴任費用の返還を求められていました。
・はじめて応援ナースをするときは、希望に沿わないこともあります。なぜなら、初回は、ある程度紹介実績のある施設(受け入れ側が慣れている)、そして先輩応援ナースがいるところ(応援ナースとは?を教えてもらう)に行って欲しいからです。
・面接は、ほぼ採用です 笑。先に情報いっていますし、求める人ではない場合、面接に至りません。(空き部屋がなくダメな時はありました。)
・看護師免許証は原本がいるので、引っ越しの時はお忘れなく。
・引っ越し(荷物)代や飛行機/新幹線代(これらは自分で手配)、駅から病院までの交通費など、赴任費用が支給される場合、必ずすべての領収書を取っておき、入職後に精算する。(ほとんどの場合、上限10万出ました・・・というか、10万出るところを選びました。)
トラベルナースのメリット
・短期間で稼げる。(夜勤4回/残業有で手取り月40万程度、夜専になると手取り月50万ほど。)
・期間が決まっているので、契約終了であとくされなく辞めれる。
・例えば、東京に移住したいと思った場合、まず応援ナースで移住し、ゆっくり就職先/賃貸を探せる。
・夏は沖縄(マリンスポーツ)・冬は北海道(スノボー)などで、稼ぎながらアクティビティーを満喫できる。
・友達が増える。
・・・などなど。
トラベルナースのデメリット
・お察しの通り、人員不足な施設なのでシフトがハードだったりする。(けど残業代が稼げる。)
・お察しの通り、人員不足な施設なので人間関係が悪かったりする。(けどある意味、期間限定なので興味深く観察できる。笑)
・引っ越しが疲れる。(荷物詰めて、ほどいて、また詰めて、またほどいて・・・モノを増やせない。)
・長く応援ナースを続けると、普通の常勤に戻れなくなる。(辞め癖がつく。)
・ボーナス/退職金/出世(?)はない。
・・・などなど。
トラベルナースをする理由ランキング ㊟個人の感想です。
①次の仕事(やりたい仕事や良い職場)までの繋ぎ。
②留学前後で、また海外に行きたいと思っている。
③移住したいor趣味のため。(主に離島や北海道)
④起業を考えている。
⑤夜専や残業でバリバリ稼いで、早期リタイアを考えている。
・・・以下少数派
・離婚で家を出たので、ひとまず住処と仕事が必要。
・海外から日本へ出稼ぎ。(野沢直子的な?)
・彼氏・彼女を追いかけてきた。
・・・などなど。
私の体験
アメリカ留学から戻った時、自費留学でしたので、30代にして貯金はスッカラカンでした。働かねばなりません。そんな時、応援ナースをしていた友人がトラベルナースについて教えてくれました。なるほど、私にぴったり!ということで、さっそく始めました。
最初の紹介先は、トラベルナースの常連(笑)病院。配属先の病棟だけで3人の応援ナースがいました。住居は寮(アパート)があり、そこへ入居となりました。その職場は、先輩(管理職も含め)が後輩を怒鳴る・・・マジで・・・その当時にしても、「やり過ぎでしょ」ってくらい酷かった!「みんな、よく辞めないな」と思うような病棟でした。が、トラベルナースが怒鳴られることはなかったです。まぁ初回でしたし、良い人を演じて(笑)いましたから、わたし。残業は毎日2時間ほどありましたが、普通に週休2日だったので、休みの日は応援ナース仲間で観光/遊びに出かけていました。
結局5つ以上の病院で(ズルズル)トラベルナースを経験しました。当時、看護配置7:1(患者7人に対し看護師1人を配置すると、病院への報酬が加算されるもの)がはじまったあとで、どの病院(そこそこイケてる病院)も、一時的な人員増員を必要としていたこともあり、上記のようでない、一見良さげな病院もありました。が、そんな職場は人気なのですぐ決まります。前職の契約が切れるタイミングで募集がないと入れない感じでした。
3施設目くらいになると、派遣会社の新たな顧客(病院)を紹介されるようになりました。良い前例を作るため(笑)に、ベテランのトラベルナースが紹介されるのです。紹介先の看護師はトラベルナースの給料を知っています。ちょっとネットで調べればいくらでも出てきますから。(病院オリエンテーションで絶対言うなと言われますが。笑)なので、はじめは「この看護師にその給料の価値はあるのか」「どう接して良いか分からない」「どうイジメようか」・・・などなど、あからさまに感じました。が、まぁ、私は面白がるタイプなので(笑)。喧嘩して辞めた(もちろん退職理由は別のもっともらしいもの)トラベルナースも、もちろん多くいます。退職のタイミングは最短半日~2か月とさまざまですが・・・辞めるならお互いのために早い方が良いのでは?と、私は思います。
私は、とりあえず働く(稼ぐ)必要があり、でも、また海外に行くことも考えていたので期限付きで働きたく、かつ、地元ではないところに住んでみたかったので、この形態はピッタリでした。また、看護師の人間関係を俯瞰的にみれたこと、さらに、どうせ辞めるから(笑)いろいろな関係構築を試してみたことは、私にとってよい体験になりました。(私って・・・)
トラベールナースの体験では、たくさん思うことがあるので、また、リフレクションしていこうと思います。
また、お読みいただけると嬉しいです。
Thank you!
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