包括職員の結婚観を考える保健師黒井
包括あるある。
担当している方から「結婚しているの?」と聞かれる。
昨今の世間の状況としては、こんなにはっきり聞かれることは減っているのではと思う。
しかし、高齢者の方は容赦ない。
「結婚している」と答えれば、「おこさんは?」と聞かれる。
「結婚していない」と答えれば、「いい人はいる?」と聞かれる。
油断禁物。
包括職員として高齢者の方の話を聞きに来たのに、
いつの間にか自分の話ばかりしている、そんなことになりかねない。
黒井が結婚について聞かれたときの常套手段。
結婚している人には
「私は結婚していますよ。〇〇さんはおいくつくらいで結婚されたのですか?」
結婚していない人には
「私は結婚していますよ。でも最近は結婚しない人も増えていますよね。」
などと言って、すぐに相手の話に戻す。
中には一筋縄ではいかない人も。うまくかわし切れず、質問が続く。
「どの辺に住んでいるの?」「ご実家は?」「旦那さんは何している人?」など。
返答に困ることもあるが、包括での経験知の一つに
「自分の情報をある程度開示した方が、相手も色々な情報を話してくれる」
ということがある。(心理学の話でもよく聞く話)
なので、相手の情報を聞くために、黒井はふわっと自分の情報を開示することにしていた。
・住んでいる場所→市内の北の方
・実家→車で20分くらい
・夫の仕事→普通の会社員 等と答えていた。
包括職員の中はふわっとした話ですら嫌な人もいれば、逆に自分のことを話しすぎてしまう人もいて。
コミュニケーションの加減は難しいなと思う。
でも、妙齢の包括職員の結婚に関して、既婚の高齢者の方たちはとても気にされる。
結婚についてあれこれ聞かれることが嫌だった大橋先輩は、
「私は普通の会社員と結婚していて、こどもはいない、という設定にしている」
と言っていた。
大橋先輩曰く、結婚していると知れば、高齢者の方は一安心。
こどももいないとなればそれ以上は何も聞かれないので楽なのだと。
それくらい、結婚のステータスは高齢者の方にとって結構重要なのだ。
結婚の有無で人の価値が変わることはないが、相手にとってその情報が安心材料になって、その後の支援がスムーズになるのであれば、ある程度の作り話もテクニックの一つ。
色んな質問を経験しながら、専門職としての絶妙な自己開示スキルを身に着けた黒井でした。
(タイトルと最終的な結論がなんかずれている気がするけどまぁいっか)