銘菓ひよ子の食し方
福岡生まれの私にとって銘菓の「ひよ子」は、父の土産の定番でした。
最初の頃は大喜びで食べていましたが、「ひよ子」ばかり買ってくるので、小学生の私はとんでもない食べ方をするようになりました。
かわいい頭部だけを二つ先に食べ、その胴部を並べて「ブーツ」と呼んで眺めていました。
誠に罰当たりな食べ方です。
時は流れ、縁あって関西に嫁いだ私は「ひよ子」のことをすっかり忘れていました。
そんな折、あの「ひよ子」を大阪のデパートで見つけ、懐かしさのあまり早速買い求めました。
一口食べると、ふるさとのことが思い出され、実家の母に用もないのに電話をしました。
電話を切った後、急にあの食べ方をしたくなり、二個の頭部を食べました。
きれいな「ブーツ」ができました。
あまりにきれいにできたので飾りました。
夜に帰宅した夫に驚かれましたが、また絶対にしようと思っています。
<了>