謎のキャッチコピー
約半世紀前、「うなぎパイ」は関西に住む小学六年生の私にとって謎のお菓子でした。
それは「夜のお菓子」というキャッチコピーのせいです。
当時はその意味が十分理解できず、色々と良からぬ想像をしていました。
そんな折、父親がお土産でもらったうなぎパイを夜に布団に隠れて初めて食べました。
これから自分に何が起きるのかと期待に胸を膨らませましたが、バターの香りとあまじょっぱい味に包まれて、いつの間にか眠ってしまいました。
翌朝、布団の上に散らばった食べかすを母親に見つかり、「なんで、こんな所で一人で食べたの?」と聞かれました。
「これは、夜の一家団らんの時に食べるお菓子なのよ」と教えられ、あっけなく謎が氷解しました。
<了>