やさしいひと
私が最も嫌いなもの。
気遣いに溢れるやさしいひと。
忖度だなんだと周りの人間を幸せにするため、己のことを後回しにするどうしようもないひと。
要らぬのだ。そんなもの。
全く無駄なことだ。
奴らが最後に残してゆくのは、つまるところ悲しみだけ。
「あいついいやつだったのにな」なんて声が枯れるくらい泣かせるくらいなら、快哉を叫ばれる方が良いと思わない?
私が愛して止まないもの。
気苦労に倒れるやさしいひと。
苦しいくせに、笑っているの。
”それは誰の為?くっだらない。”
愚かで――哀しいひと。
私は。
そんな奴らを笑ってやるの。
嘲笑いながら――嗤いすぎて、涙がでるのだけど。
けしてあなたのためなんかじゃないから。
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