作業BGM-Classic編
私は、仕事するにも勉強するにも、基本的にBGMが欲しくなるパターンの人間です。
学生の頃は図書館でウォークマンを手放さず流行りのJ-POPやかじった程度の洋楽を聴き、そして社会人になりソースコードを昼夜問わず書きなぐっていた頃、特に追い込みの時は「アップテンポ」「歌なし」のテクノがお供でした。追い込んで追い込んで、とにかく、書くべし、書くべし、書くべし。あの頃は若かった。
しかし業務のステップとしてソースコードを書かなくなってからは、少し緩やかなBGMが欲しくなりました。そこで、クラシック音楽の登場です。
好きな曲をとにかく集めてみたら、案外たくさんありました。とはいえ、頭の中で曲は鳴っているのに、タイトルがわからない曲やすっかり忘れてしまっている曲はまだまだあるのでしょうけれど…。
ピアノ弾きだった兄の影響でピアノ好き&マウリツィオ・ポリーニ贔屓なので前半は大分偏っていますが、後半は様々な演奏者・作曲家の好きな曲をピックアップしました。(きづけば15時間半のプレイリストになっていた。)
難しいことは抜きにして、クラシック音楽は「やさしく、華やかで、禍々しく、壮大で、静かで、騒々しい」とにかくいろんな側面からドラマ性を感じる音楽がたくさんあってとってもおもしろい世界だなあ、と思っています。
というのも、例えばまんが等で「演奏から風景が見えるわ」なんてセリフがありますが、私の場合は小学生の頃に聴いたポリーニの弾くのショパンのエチュードOp.25-12に「紫色の夜の、荒れ狂う海の上に浮かぶでっかい船みたいな曲だなあ」という風景が見えたのです。そして大人になってからその曲が別名「大洋」であることを知り、まぁあながち間違っていなかったんだなと感じました。曲がそもそも波のようですしね。
その、小学生の頃に「練習曲なのに練習曲じゃないみたいにすごい感情たっぷりに弾くんだな!」と思ったポリーニですが、それから20年以上経ってから遂に来日公演を観に(聴きに)行った時は泣けましたね。目を閉じ、目の前に浮かぶ美しい風景に佇みたい気持ちと、その匠の技を目に焼き付けたい、という気持ちで心の中が大忙しでした。
そうそう、最近よく聴いているのはアリス=紗良・オットの「NIGHTFALL」。夕暮れをイメージした、ドビュッシー・サティ・ラベルの曲を集めたアルバムですが、これを毎日の夕方の作業BGMにすることが多いです。ドビュッシーの「夢想」や「ベルガマスク組曲」は有名どころですが、初めて「いい曲だなあ」としみじみ感じたのです。このアルバムを通して聴くと、群青色・スカイブルー・オレンジのグラデーションの夕暮れが目に浮かぶようです。そして、どんなに大変な時期でも、毎日心安らかに仕事を終えられるありがたみを実感する今日このごろです。
そういや、見出しでお借りした画像はベーゼンドルファーですね。男気のある低音が響くピアノというイメージです。小さいころ、一度だけ発表会で弾かせてもらったことがあったなあ。というか、もう一度ピアノ、習いたいなあ。で、その流れから当時一緒に習っていた1つ上の女の子がめちゃくちゃ上手だった事を思い出しました。もしかしてプロになってるかも?と思いグーグル先生に尋ねてみたところ、プロの演奏家になり世界をかけめぐり、今はドイツで暮らしている、というところまでは分かりました。リアルな「のだめちゃん」みたいだなあ。