日本企業のとりくみの違和感〜エコプロ2019に参加して〜
こんにちは。HOKAGO.comのDaisukeです。
前回、「環境に配慮することが当たり前の世の中にする」ことを目指していること、その経緯をお話ししました。
今回は、先週開催された日本最大の環境サービスの展示会であるエコプロ2019を回って感じたことをお話しします。(来年は出展者側で参加できるように事業開発頑張ります!)
私は毎年エコプロに参加しているのですが、今年は例年に増して脱プラを謳う取り組みが増えたと感じました。逆に温暖化対策はややトーンダウンしていて、「CO2 “も” ○%削減できます」という表現が多かった印象です。
今までCO2ありきだった日本企業が多かった中で、脱プラなど多面的に環境対策を打ち出すようになった点は良い変化だと感じました。
一方、違和感を感じたのは、脱プラの方向性。ほぼ全ての企業が、使い捨て容器の素材を既存プラから生分解性に替えることを謳っていました。
確かに、自然界で分解されにくい既存プラの使用量を減らすという意味では、意味のあるアプローチだと思います。
しかし、私は、本質的に目指すべきなのは大量生産大量消費からの脱却と考えます。
エコプロで見た生分解性プラや紙製品の容器は、使い方から見るとあくまで使い捨てのため、大量生産大量消費の枠を出ていません。
いくら環境に優しい使い捨て製品であろうと、作る以上は環境負荷が発生します。世界的に人口が増加することが避けられない以上、一人当たりの消費のボリュームを減らすことはSDGs達成に向けて必須ではないでしょうか。
私は、世界がSDGsの2030年までの達成に時間がないと言っている中で、このような過渡期のアプローチに躍起になっている日本企業に違和感を覚えました。
余談ですが、日本企業がこういう過渡期の対策にこだわってるものって結構あります。日本が世界の潮流に逆らって石炭火力の輸出に拘っているのも、「途上国がお金がないことを理由に石炭火力を使わざるを得ないのだから、日本の最新技術で少しでも削減に貢献する」ためです。もし、2030というリミットを共有できていれば、少なくとも選択肢に石炭火力が挙がることはないはずです。(再エネだけとは思いませんが)
日本が毎年化石賞を受賞しているのは、この緊急度の認識が世界と異なるのが原因と思います。
そんな中、面白いと思ったのが、米国テラサイクル社のサービスであるLooopという容器詰め替えサービスです。シャンプーなどの容器をデポジット制で提供し、なくなったら郵送して洗浄後に中身を詰め替えて送り返すというものです。
Loop の展示品(筆者撮影)
使い捨て容器の厚みを減らしたり、代替品に替えるというものが多い中で、“脱使い捨て”にコミットしてる数少ないサービスと思いました。
でも、この取り組みも宅配に係るCO2排出量の増加とか、考えないといけないことは多いんですけどね。
このような過渡期のアプローチで止まってしまう一つの原因は、SDG17のパートナーシップを重視してないことが原因に思えます。
脱プラを一企業で取り組もうとするから、自社のできる範囲でやらざるを得ないので、メーカーなら新素材の開発で止まってしまうのだと思います。
そもそも、ものの消費を減らすという方向性は、経済活動的には受け入れにくいのは当然です。だからこそ、コミュニティ全体で最適化を図り、得られた利益をシェアするようなモデルが必要なのだと考えています。
以上がエコプロを回って得た感想です。
まだ日本はSDGsで目指す未来と、自社でできることを繋げ切れていない企業が多いと感じました。
次回は、コミュニティ全体でSDGsにコミットするための具体的な方法に触れられればと思います。
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