おいしいごはんが食べられますように

すごく良かった。

日頃他人との関わりの中で感じるモヤモヤを、こんな解像度で言語化できたならば人生はもっと楽になるはずだ。

確かに二谷も押尾さんも、性格が悪いのかもしれない。芦川さんの行動を、恐らく正確に分析している。かたや芦川さんはそれを無意識にやっている。無意識に、自分の手を汚さず、決して泥はかぶらない。

嘘のない可愛い芦川さんが、他人のためにケーキを焼くのだから、芦川さんは性格が良いのだ、という評価基準で世間は回っている。そもそも、半ば業務の中でケーキを焼くのってどうなの?なんて物事の是非を根本から考えたりするのは性格の悪いやつのやることで、おじさんおばさんはそれを求めていない。
この、なんともいえない世間の気持ち悪さを、見える人には見える芦川さんという鏡に、映してみせてくれたのがすごく良い。

しかしそんな芦川さんは異性としては魅力的で抗えない。最後のシーン、クソみたいな状況の中、クソみたいなセリフを吐き続ける芦川さんが最高に可愛いかったりする。そして多分二人は結婚する。言語化しきれていないこの状況が、個人的になぜか妙に理解できる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?