見出し画像

#8 新米教師が感じるオーストラリア教育の素晴らしさ〜オーストラリアの学校現場から〜

みなさんこんにちは。オーストラリアでアシスタントティーチャーをしている2児の母、ホジコです。

2023年、未就学児の娘を保育園にも預けず、夜な夜な資格取得の勉強に励み2024年、教育実習先のローカルの小学校からありがたく仕事のご縁をいただき、新米アシスタントティーチャーとして働き始めました😊

プレプライマリー(小学ゼロ年生、日本で言うと幼稚園年長さんの5歳児)クラスでの勤務と並行して、先生が病気や休暇でお休みする場合の代行役(当地ではリリーフティーチャーと言います。)を行っていました。
特に冬の時期は風邪が流行るので、リリーフの仕事が本当に忙しく、毎日違うクラスに行くような生活をしていました。その結果、幼稚園から小学校4年生までほぼ全クラスを経験させていただき、短い期間でオーストラリアの公立小学校の全体像を掴むことができました。

そんな中で、やっぱり私はオーストラリアの教育は素晴らしいな、と思うし、私もオーストラリアで生まれ育ってここで教育を受けてみたかった。と思ってしまう程です。その理由を簡単に2点まとめてみたいと思います。

1 圧倒的な自然に囲まれて遊べる、学べる幸せ

幼少期は外遊びが何より大事だと考えている派の私ですが、それが当然のように叶うのがオーストラリアだと思います。(私が住んでいるエリアは郊外の森なので都市部の学校とはまた話が違うとは思いますが。)
学校の敷地や校舎は大きく開放的。敷地内には緑が溢れ歩いているだけでも気持ちがいいです。

芝生が広がる校庭を生徒は裸足で走り回ります。

私が働いている学校のプレプライマリーとキンディー(5歳、4歳児)では、いわゆるお勉強のような時間は朝の30分くらいで、後は工作やゲームをしながら新しいことを学びます。そして1日の大半は外遊び。ランチも外でピクニック形式です。
しかも私の学校では外遊び時間は全員靴を脱いで裸足になります!!

ざっくり6時間の就業時間(4歳、5歳児)を分類するとこんな形です。
●3時間(50%)  :外で自由に遊ぶ ※ランチ、フルーツ時間含む
●1.5時間(25%):クラフト、アート、ゲームなど
●1時間(17%)   :室内で自由時間 ※アクティビティーの順番を待っている間などは友達と室内で自由に遊びます。
●30分 (8%)   :英語や算数の授業時間

オーストラリアの4歳、5歳児、ずーっと遊んでいますね。笑
自由に遊んでいると言っても、私たち先生がついて遊び方をリードしたり、遊具を用意したり、みんなで仲良く遊べるようにサポートしたりしています。
特に私が気に入っているのは、外遊びの際に子供たちはほとんど制限がなく自由にすることができる点です。例えば木登りをしてもOK。咲いているお花を摘んで遊んでもOK。水をホースから出してもOK。のような感じに。先生たちは子供たちを見守りますが、NOと言うことはあまり多くなく、やりたいことをやらせてあげている印象です。その中で子供たちは自由な発見をしていきます。
例えば、「昨日は蟻が木にたくさんいたのに今日はいない」とか「他のお花は白色なのになんでこの花だけピンクなの?」とか、「この道具を使えば簡単に重いものを運べる」とか、「砂場の下は冷たくて気持ちいい」とかとか。

キンディー、プレプライマリーだけでなく中高学年になっても、休み時間は基本的に外。教室に残る子はほとんどいません。中高学年になるとサッカーやバスケ、鬼ごっこ的なグループで遊ぶことが多くなりますが、外で体を使ってしっかりと遊ぶ子は、授業にもしっかりと集中している印象です。
また、授業中詰まってしまった子に対して、先生が外に出て気分転換することを勧めたりもします。

昼休み中の木登りは定番の遊び方

2 個性を尊重し伸ばしてくれる。個性がコラボレートする学び方。

2点目は個性を大事にしてくれる点です。オーストラリアの学校ではその子の「好き」「興味」を大事にしてそれを伸ばしてあげる教育です。

日本では好きなことを伸ばすのと同時かそれ以上に、苦手なことを克服し人並みにできるようになることを大事にしてるように感じます。例えば算数のテストで悪い点数を取った場合、できなかった部分ができるようになるまで特訓するみたいな形ですよね。
こちらの場合は、算数のテストが悪かったとしても、「あなたは理科が得意よね。」といった感じであまり咎められなかったりします。子供一人ひとりが「私は●●な子」と特性を自覚してそれを誇りに思っている印象があります。うちの息子くんは数字が得意なので友達から”Mr Computer”と呼ばれているそうです。

4年生のクラスで算数のプリントをする時間がありました。1人の女の子が、今日は気分が乗らないとのことで先生と相談して、犬の絵を描く作業に切り替えていました。獣医師になりたい彼女が今一番やりたいことだったんだと思います。緩いなーとも思いますが、無理意地させないスタイルです。
また、同じクラスの成績優秀な男の子が、日頃の授業が簡単すぎるとのことで、毎日朝15分程度、他の生徒とは別の課題をやっていました。授業中も先生はこの子に対してはみんなが答えられないような難題な質問をしていました。先生の負担がかかるにも関わらず出来る子を伸ばしてあげようという姿勢が伝わります。
また、自閉症などの特性を持っている子には特に「好き」をきっかけにして勉強に引き込むことが推奨されています。例えば車が好きな子に対しては、例題を車を使って作ったり、車のビジュアルを用意してあげたりしています。

このような例からも分かるように、オーストラリアでは先生や親が子供の個性を理解して、何をしてあげたら伸ばしてあげられるかを日々考えているように感じます。
日本では平均値にいることが美徳とされている気がしますが(考えが古いですか?!)オーストラリアではみんなの強みがコラボレーションして社会が成り立っている気がします。
4年生のグループワークでも、「マダガスカル」という国を調べてグループで発表するという課題に対して、仕切るのが得意な子がリーダーになり、パソコンが得意な子がリサーチをメインで行い、計算が得意な子が国の人口などの比較を行い、絵を描くのが得意な子が発表用の紙に絵を描くという形で分業しながら最終的には完成度の非常に高い発表をしていました。

余談ですが、私は小学生の頃ピアノを習っていました。そんなに好きでもありませんでしたが、母親が音楽好きで子供にはピアノをという考えだったのでなんとなく8年程続けました。
本当はスポーツやダンスが好きで、新体操やバレエを習ってみたかったのですが、お金がかかるから、とか、そんなのいいわよ、と言われるのがわかっていたので言い出せませんでした。オーストラリアで育っていたら堂々と自分が好きなことを親に伝えられる子になっていたのかなあ〜などと考えてしまいます。

校庭にあるシンボルツリー。
ornamental pearだそうですが桜のようでとても美しいです。

いいなと思ったら応援しよう!