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テファリキ5つの要素⑤探索 振り返りの質問の訳

ニュージーランドの幼児教育や保育の指針にあたるテ・ファーリキから、5つの要素にある保育者の実践のための「振り返りの質問(p.50)」を勝手に訳しています。今日は、要素⑤探索 です!

Strands 5 Exploration / Mana aotūroa
要素5 探索 / マナ・アオトゥロア

要素5には、子どもは環境への積極的な探索を通して学ぶこと、遊びを通して学ぶことなどが書かれています。ニュージーランドで主流な保育はプレイベースドカリキュラムといって、遊びから学ぶ(Learning through play)という考え方をもとに、子どもが自分の興味関心に沿って自分の事やこの世界の事を知っていくためにはどうすればいいか?を考えて行う保育実践です。そのほか、マオリの世界観から、自然、地球の資源を大切にすることなども書かれています。

» How might children be encouraged to connect with and care for their worlds in ways that are responsive to Māori values?
マオリの価値観に応えるかたちで、子どもたちが自分たちの世界とつながり大切にするためには、どんなサポートができるでしょうか?

» How might children explore the natural and living worlds while remaining respectful of the cultural beliefs and world views of others?
子どもたちは、他者の文化的信念や世界観を尊重しながら、自然界や、自分たちが生きているこの世界をどのように探求できますか?

» How might kaiako provide opportunities for children to develop and extend their physical capabilities with confidence?
子どもたちが自信を持って身体能力を発達させ、伸ばす機会をどのように提供していますか?

» How do kaiako empower all children to pursue challenges in ways that acknowledge their current physical and cognitive abilities and strengths?
子どもたちそれぞれの現在の身体的および認知的能力の強みを認識した上で、更なる挑戦を追求する姿勢をどうやって応援しますか?

» In what ways might kaiako show children that their play and imagination are valued?
どのように遊びと想像力が大切であることを子どもたちに示しますか?

» In what ways are children free to explore and be creative with a range of media?
子どもたちはどのようにして自由に探索し、さまざまな素材を活用して創造的になることができますか?

» How might kaiako make thoughtful decisions about which of children’s spontaneous play, interests and working theories might be used to create curriculum experiences?
子どもたちが体験するカリキュラムづくりにおいて、子どもの自発的な遊び、興味、およびワーキングセオリーのどの部分を使用するかについて、保育者はどのように思慮深い決定を下すことができますか?

注:テ・ファーリキによるとワーキングセオリーとは、子どもが初めての経験を納得しようとしたり、理解しようとするときに生まれたり、磨かれたりしていくアイデアや理解の方法です。

» In what ways can real tools (such as gardening tools, saws, microscopes) be used confidently for exploration that leads to meaningful learning and sense making?
子どもたちが自信を持って、ガーデニング道具やDIY、顕微鏡などの道具を、有意義な学びと理解につながる探索のために使用するには、どのような方法がありますか?

» How might kaiako encourage children to see a range of strategies they might adopt for exploration, thinking, reasoning and problem solving?
子どもたちが自ら探求、思考、推論、問題解決をするときに使用する可能性のあるさまざまな戦略や方法にはどのようなものがあるか、どうやって子どもたちに教える(見せる)ことができるでしょうか?

» What domain knowledge would help kaiako to recognise, respond to and extend children’s generation and refinement of working theories?
外からは見えにくい子どもたちのワーキングセオリーの生成や洗練を、保育者が認識したり、反応したり、拡張したりするのに役立つ専門知識はどんなものがありますか?

注:ワーキングセオリーは特に子ども自身が不確実なものを探求していくとき、自分で納得することによって発達し続けていくので、そのために保育者はどんな専門知識を持ってその発達をサポートできるか?という質問で、子どもが自分の興味関心を探求するには?という質問の発展形だと言えると思います。

» How might kaiako create and model a culture of inquiry amongst children?
子どもたちが自ら質問したり探求したりする文化をどのように作り、保育者自身がロールモデルとなってこの文化を根付かせることができるでしょうか?

» What opportunities exist for children to participate in longer-term projects that support the development of their working theories?
子どもたちが彼らのワーキングセオリーの発展をサポートする長期的なプロジェクトに参加するために、どのような機会がありますか?

注:長期的なプロジェクトというのは、だいたい数週間から数か月のものを指します。通常、プロジェクトは複数同時進行していて、子どもたちの興味を見ながら活動を重ねていった結果、短期で終わるものや長期間続くものがあります。

以上、要素5の振り返りの質問でした。5つの要素はすべてが密接に関係しているので、ぜひ要素1~4も読んでみてくださいね☺ ありがとうございました!

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海外で保育士 Naoki
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