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保育園に看護師は必ずいるの? 園内看護師の配置基準や役割、園内でやっていることを紹介!

看護師が常時いる園は安心して預けられますね。

認可保育園には、看護師がいる保育園とそうでない保育園がありますが、あまり知られていない「園内看護師」について、保活ライターが解説します。

看護師だけど、保育も行う「園内看護師」

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園内看護師(または保健師)は、0歳児の担任としてカウントされていることが多いようです。それは「看護師または保健師は、1人だけなら保育士とみなしてよい」というルールがあるため。

看護師が看護の仕事だけでなく、保育士として現場に出るのもOKとしたことでことで、看護師不足+保育士不足を補い合っているわけですね。

 園内看護師のおしごと① お熱やケガをみてくれる

日々のケガや体調不良に対応しています。おさんぽ中に転んでケガをした、毛虫をさわって皮膚がかぶれてしまった、お昼寝から覚めたら熱が出ていた…。突発のトラブルの手当てをしたり、体調不良の子どもを別室でやすませるときにそばにいたり、大きなケガをして保育園からそのまま病院へ!というときも、園内看護師が付き添ってくれます。

 園内看護師のおしごと② 薬を飲ませてくれる

本来子どもの薬は、保護者が飲ませるものというルールがあります。ですが、1日3回飲まないといけないものや、喘息、熱性けいれんなど突発自体の薬については、園内看護師が管理をして、ひとりひとりの服薬をサポートしています。※園内の与薬は行わない自治体もあります。

園内看護師のおしごと③ 身体計測をしてくれる

「おおきくなったかな~?」。身長体重を測って、子どもたちの発育を確認する身体計測も園内看護師がやってくれます。かかりつけの園医が健診をするときのサポートもしてくれます。

 園内看護師のおしごと④ アレルギー児に対応してくれる

乳や卵、小麦など、アレルギーのある子どもさんの場合も、園内看護師がいると安心ですね。調理スタッフと連携を取りながら、アレルギー対応をしてくれます。

 園内看護師のおしごと⑤ 職員の健康管理

保育士のほかにも調理師、用務スタッフなど、園内にはたくさんの職員が働いています。園内看護師は職員のケガや体調不良にも対応。子どもたちを安心して預かることができるように、環境を整えてくれているんですね。

 看護師の配置は「義務」ではない

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現在、看護師(または保健師)の設置は義務ではありません。努力目標、つまり「なるべく看護師を置くのが望ましい」という、ふんわりした定義となっています。

ただし、かつては園内に保育士を置くことが義務付けられていた時代もありました。1977年から1998年、保育所保育指針の3回目の改正までのことです。


看護師の配置が義務だった時代は、保育園が増えにくかった

かつて、0歳児が9人以上いる保育園には看護師または保健師を必ず配置するのが義務でした。

ところが、この厳しい基準が足かせとなったのか、0歳児クラスのある保育園の開設がなかなか進まず、待機児童問題が深刻化していったのでした。

看護師はもともとお給料が高いため、通常の相場で雇うとどうしても経営を圧迫します。かといって、保育士と同じレベルのお給料にすると、人材が集まりません。

看護師がいるのはベストではあるけれど、設置を義務にしてしまうと保育園がなかなか増えないよね…ということで、保育園をスピーディに増やすため、設置基準がゆるめられたわけです。

 やがて准看護師もOKに!

この規制緩和によって保育園は増えましたが、園内看護師はあまり増えませんでした。看護師はもともとお給料が高いため、相場で雇うと経営を圧迫しますし、保育士と同じレベルのお給料にすると人材が集まりません。

看護師は欲しいけど、そんなゆとりない…っ!

そんな現場の声に応えるように、2015年(平成27年)、准看護師もOKになりました。

下のグラフは、佐賀県の特区で「准看護師の規制緩和」を取り入れた結果を示したもの。保育の現場に医療職が増えることで、保育の質や安心感が向上したことが伺えますね。

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内閣府『地方分権改革・提案募集方式 取組・成果事例集(平成30年3月)事例7より

園内看護師がいると、安心&保育の質も高まる

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全国保育協議会の2016年(平成29年)の実態調査によると、保健師・看護師、栄養士・管理栄養士、事務職員は、平均人数が1人未満。つまり、すべての園に必ずいるわけではありません。系列園が近隣にいくつかある保育園は、グループ内のいくつかの園をかけもちしている看護師や保健師、助産師などもいるようです。

全国保育協議会 会員の実態調査 報告書 2016より

園内に医療職がいることで、子どもや親が安心できるのはもちろん、保育士も安心して保育に専念できますね。

保育園の見学に行ったら、看護師がいるかどうかを必ず確認しておきましょう!


ライター:飯田陽子(保活ライター)コピーライター/ライター歴20年+α。広告制作やライティング業務のかたわら、2015年から保活講座を実施。子育て支援施設や保育園、マンションギャラリーなどで地域の保活情報を提供し、保活中のママ・パパに「保活のコツ」や「情報収集のポイント」をレクチャーする。
WEBサイト:http://www.meshiya.com/

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