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保育園?幼稚園? 働きながら幼稚園に通わせることはできるの?

以前であれば、共働き家庭は保育園へ、そうでなければ幼稚園へという風潮がありました。

しかし、幼稚園と保育園の両方の特徴を合わせ持つこども園ができたことや、幼稚園でも預かり保育を行うようになったことで、共働き家庭でも幼稚園を利用することが可能となってきました。

しかしながら、可能とは言っても現実的にはどうなのでしょうか。

今回はそれぞれの役割や雰囲気の違いなどを中心にお話ししていこうと思います。

保育園と幼稚園 一体何が違うの?

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まず最初に保育園と幼稚園の役割の違いについて見ていきましょう。


出典: ベネッセ教育情報サイト「表で比べる!幼稚園と保育園の違いはココ!」https://benesse.jp/kosodate/201601/20160111-1.html

目的

保育園は就労している保護者に代わって保育を行う施設ですが、幼稚園は子どもに発達を促すための教育的な意味合いの強い施設です。

つまり簡単に言えば、保育園は生活の場幼稚園は教育を行う場だと言えるでしょう。

対象年齢

認可保育園では多くのところが生後57日(2ヶ月)から入園することができます。

一方で幼稚園では満3歳からですが、プレ保育(未就園児クラス)で2歳から保護者と一緒に短時間通うのが可能な園もあります。

保育時間

保育園は標準保育時間が8時間以上に対し、幼稚園は4時間以上となっています。

保育料

認可保育園は保護者の所得に応じて変化しますが、延長料については各施設で自由に設定することができます。

また無認可保育園については保育料・延長料ともに設定が自由です。

幼稚園の場合は園によって様々ですが、公立と私立では2倍近くも保育料に差があります。


給食

認可保育園の場合は給食が必ずあります。

しかし、無認可保育園の場合はお弁当のところも少なくなくありません。

また幼稚園においてはどちらか1つよりも「火曜日と木曜日はお弁当」などのように、お弁当と給食の両方が取り入れられているところが多くあります。


資格

保育園は保育士資格、幼稚園は幼稚園教諭免許です。

保育士は1人で0歳児3人、1,2歳児6人、3歳児20人、4,5歳児30人を見ることができます。

また幼稚園教諭は1つの学級(35人まで)に1人の専任教諭です。
 

所轄、根拠法令

保育園は厚生労働省が管轄している児童福祉法に基づく児童福祉施設で、幼稚園は文部科学省が管轄する学校教育法に基づく教育機関と位置付けられています。

実際に利用してみた人の声は?

ここまでは法律や制度などの少し堅い違いについて見てきました。

では実際の園の様子や雰囲気はどのように違うのでしょうか?

ここで、実際に共働きをしながら幼稚園を利用している保護者の方の声を聞いてみましょう。

品川区に住むAさん
4歳(女の子)

幼稚園は最初に入園式があるのを知り、親としてはすごく楽しかったです。
保育園には無い行事だったのでとても新鮮でした。

保育園でも運動会やバザーなどの行事はありましたが、幼稚園では親子遠足や餅つきのように親も参加して親子で一緒に楽しめる行事が多く、見るだけの行事が基本だった保育園よりも楽しめます。

今年はその行事もコロナの影響で無くなってしまいましたが、来年こそは!と楽しみにしています。

他にも制服があるのは毎日の服選びがないので楽です。
本人も制服を気に入っているようで、毎日玄関の鏡の前でポーズを決めてから幼稚園に向かうのが日課になっています(笑)

ただひとつだけ気になっていることがあって、うちの幼稚園は延長保育を利用する子がうちの子を含めて3人しかいません。

いつもお迎えに行くと広い部屋に先生1人と2,3人で遊んでいて、なんとなく子どもに対して申し訳ない気持ちになってしまいます。

娘はあまり気にしていないようですが、親目線ではちょっとどうだったかなと思ってしまいました。

またうちの園は夏休みや冬休みのような長期休みの間は預かり保育がないので、近くに住む私の母親に見てもらっています。

知り合いの通っている幼稚園では長期休みの間も毎日登園できるらしいですが、うちのところは無いのでそれは残念です。

それでも家では落ち着きのない自分の子が座って先生の話を聞いているところを見ると、幼稚園に入れて良かったなって思います!

大田区に住むBさん
5歳(女の子)と3歳(男の子)

子どもたち2人は毎日とっても楽しそうに幼稚園に通っています。
保育園の時よりも土日で家に友達を呼んだり呼んでもらったりすることが増えました。

保護者同士での交流がすごく多くて、深い付き合いができるのは幼稚園の良いところだと思います。

でも振り替え休日の多さには正直辛いところがあります。

どんなに少なくても月に1回以上は平日が休みになってしまうので、仕事を休んでどうにかなる問題ではないなというのが通う前に思っていたのと大きく違うところでした。

なので平日の休みは祖父母にお願いして見てもらっていますが、どうしても無理な時は仲の良い友達に預かってもらっています。

あとはお弁当を作る日が週に3日あるのが結構辛いです。

幼稚園からは「保護者が子どもにのために時間を作ることも必要だ」とか、「お弁当を通して子どもの食事について知ってほしい」とか色んなことを言われますが、正直今はそんなことよりも負担が大き過ぎるという気持ちの方が強くなっています。

他にも延長保育の前に周りの友だちが帰り始めると、「僕も帰りたい!」と下の子はほとんど毎日泣いているようです。

保育園の時はみんなが自分と同じ17時ぐらいにお迎えだったからか泣くなんて聞いたことありませんでしたが、今は周りと自分が違うことが気になってしまうこともあるみたいです。

そして今最も大変なのは係です。
保育園ではそんなものはなかったのですが、幼稚園はどこもあるみたいです。

保護者は1人1〜2つの係を担当しなくてはいけなくて、運動会係みたいな行事を運営する係もあれば、絵本係のように日常生活をサポートする係など色んなものがあります。

ちょこちょこ集まって話さないといけない事も多いので、フルタイムで働いている人間にとってはかなり辛いです。

幼稚園は保育園に無い魅力的な部分がたくさんありますが、私にとっては大変な部分の方が多かったかなという気がします。

以上が2人の方から頂いた利用者の声でした。

子どもたちが通っている様子や、保護者同士の関わり、行事などには大満足のようですね。

しかしその一方で、平日の振り替え休暇であったり、保護者が出番が多かったり、お弁当を作る必要があったりと、保育園には無い大変さも多いようです。


まとめ

共働き家庭で幼稚園を利用することは可能ですが、フルタイムで働くには教育方針の他にも下記のような項目について確認しておく必要があるようです。

・預かり保育の有無とその利用者数
(通常の日だけでなく、長期休暇の間や入園式の前の預かりについても要確認)

・保護者の役員や係について

・保護者が参加する平日の行事の数

・給食の有無

入園後に困らないためには見学の際にこれらを最優先で確認し、自分たちの生活スタイルに合う幼稚園かどうかを見極めていくと良いでしょう。


ライター:中村大我(保育士・保育ライター)
東京都の23区内で働く保育士。子育て支援のための活動を精力的に行っている。最近はnote(うほうほ保育園)に子育てノウハウの記事を書いたり、絵本の制作協力を行ったりしている。
「口だけではない子育て支援」をモットーに日々力を入れて活動中。24歳、2児の父。
note(うほうほ保育園) :https://note.com/back_hoikushi


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