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#7 創造性が育まれるプロセスとは?

主体的に生き(遊び)、探究する。
仲間と協力し、何時間でも夢中になる。
遊び心あふれる創造的なものを生み出す。

ミッチェル・レズニック教授(マサチューセッツ工科大学)の研究グループ「ライフロング・キンダーガーテン(生涯幼稚園)」

幼児期の子どもたちの学ぶスタイルとして特徴的な「創造的なプロセス」

このプロセスは、個人の人生だけでなく、企業やコミュニティー、社会にもインパクトを与えるものであり、それは幼児期の子どもたちから学ぶことができる。

状況が急速に変わる時代。将来、どのようなスキルが必要になるかを読むことは難しい。だからこそ、創造的に考えて行動したり、予期せぬ事態に革新的なアプローチで臨んだりしながら成長していくことが必要になる。

だが、学校での学びはどうだろう?座って授業を聞き、画一的な指導や教師が与える指導への偏りが強い場所のままである現場は少なくないだろう。

「米国では今や幼稚園も学校化し、算数の課題などをこなす場所になりつつあるが、私たちの望みは、学校が幼稚園のようになることだ。」(レズニック教授)

創造性が育まれる環境を考えるならば、幼稚園のように学校が変わっていくことが望まれるというのだ。

そして、AI時代に、コンピュータができない創造性を磨くことは、仕事面だけでなく、充実した人生を送るためにも必要になる。

創造性が育まれるプロセス

以下は、プログラミングを通して、創造性の花が開いていく学習法となるのだが、様々な学びに共通する部分があると思っている。

まずは、レズニック教授が提唱するクリエイティブ・ラーニング・スパイラル(創造的学習スパイラル)

創造性プロセスは次の一連のプロセスから成り立っている。

・Imagine(発想)
・Create(創作)
・Play(遊び)
・Reflect(内省)

例えば、子どもがブロックで高い塔を作ろうとする。〈発想〉

この時、設定としての発想もわかれるだろう。

塔に人物がいて、その物語を楽しむ。

高さを出すことを目的とする。など。

〈創作〉と〈遊び〉では、成功と失敗を繰り返し、仲間と協力する新しい場になれば、共有と協働を繰り返す。

うまくいかないときは、「どうしたらもっとうまくできるか」を〈内省〉する。

そして、新たな発想を生む。

このプロセスがらせん状に続いていくことで、創造性が育まれていく。

これがクリエイティブ・ラーニング・スパイラル(創造的学習スパイラル)である。

私としては、発想の前に受動の体験が充実しているかも大切だと思っている。

様々な素材との出会い。

心が動く感動との出会い。(エモーショナルな激しいものではなく、静かな水面に水が一滴落ちるような)

美しい言葉との出会い。

などの豊かな受動があるからこそ、湧いてくる発想がある。

そして、これまでの経験による「今、持っていること」

「今、周囲のある環境」を組み合わせて未来を描く。

発想とは、過去との付き合い方と、今を活かす感性で、未来を創る種が生まれる。そう考えている。

創造的思考力を育む4つの原則

研究グループ「ライフロング・キンダーガーテン(生涯幼稚園)」が開発した子ども用プログラミング言語「スクラッチ」2019年にはスクラッチの次世代版「スクラッチ3.0」を立ち上げた。

子どもたちがコンピュータでプロジェクトを生み出し、自己表現ができるプログラミング言語のオンラインコミュニティー

スクラッチを使って、創造的思考者として成長していく基本原則が以下の4つのPとなる。スクラッチを使わなくても、学びが充実する原則と言える。

・Projects(プロジェクト)
・Passion(情熱)
・Peers(仲間)
・Play(遊び)

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私にとっての「保育」という存在にも向き合っていきたい。子どもにとっての「保育」も、保護者や社会にとっての「保育」も考えていきたい。その営み…

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