#61 ひとことの厚みで保育に違いが生まれる
たったひとつの単語にある、人それぞれの背景や物語。
ひとつの言葉が語るのは、ひとつのことではなく、まだ語られていない、そして語られることのない背景がある。
「ひとつの言葉」に、こんなにも幅や厚みがあるんだと実感できた体験は、他者の言葉の聴き方に違いをつくります。
これは私たち保育者にとって大切な感覚であり、スキルでもあります。
そして、相手の背景に触れる感度や深さは、自分自身の背景に触れた経験があるか、その感性が開くようなことをたまにしているか、そんなことが問われるのでしょう。
また、相手の声(言葉以外も含む)をどのように聴くかには、保育観・子ども観・倫理観などが影響を与え、相手の声をどう聴いていたかは私自身の言葉になって現れてきます。
そんな「言葉」の奥深さを味わうために、保育学生と1か月かけてある一言に向き合ってきました。
" ゆたかさってなんだろう?"
「ゆたかさ」の幅や深さに触れるために通ってきたのは4つの体験。
ゆたかさってなんだろう?の問いから派生して出てきた112個のキーワード。
私にとってのゆたかさ、他者にとってのゆたかさ、私たちにとってのゆたかさの探究。
「私にとってのゆたかさ」をマインドマップで表現してみる。
対話型の鑑賞を通して、ゆたかさについて言葉にしてみる。
テーマ設定の背景
保育を学ぶうえで「ゆたか」と言う言葉はよく使われるますが、あまりなじみがなかったり、改めて「ゆたかさとは何か?」と聞かれるとうまく言葉にできなかったりするのではないでしょうか?
保育所保育指針解説でも「豊か」というワードはたくさん出てきます。
「豊かさ」の一言にどっぷり浸かってみて、言葉と自分とのつながりを感じられることができたら、保育指針を読んだ時の感覚も、豊かな保育を実現しようとするときの実践に違いが生まれるだろうと思い、「ゆたかさ」を選びました。
「私にとってのゆたかさ」保育学生ver.
1ヶ月「ゆたかさ」に向き合った学生たちの言葉を紹介します。
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保育は人生そのものだ!
私にとっての「保育」という存在にも向き合っていきたい。子どもにとっての「保育」も、保護者や社会にとっての「保育」も考えていきたい。その営み…
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