昔の話⑮

昨日の続きを。

中学1.2年の担任に割と気に入られてた私が、一気に嫌われる出来事が起こりました。

中学2年の冬ごろだったと思うんですが、生徒会役員選挙があって、2年になるとクラスから役員候補を2人くらい出さなきゃいけなかったんですね。

僕はもちろんやる気ゼロだったので候補を選出するクラス会議の際は気配を消して時間が経つのを待ってたんですが、そうしてるうちに候補が決まって、「よし終わった」と思ってたら意外な展開に。

担任が「じゃあ早速今日の放課後から選挙活動をしましょう」とか言い出しまして。

なんかアレですね、どこの学校でもやってんのかはわかんないですけど、校門の前で下校する生徒に向かって「〇〇候補の〇〇をよろしくお願いします!」みたいなのをみんなで言うみたいなヤツです。あのアホ丸出しな光景です。

誰だってやりたくない行動です。そして間の悪いことに、その時期とテスト期間が被っていました。

僕が通っていた中学校では、テストの1週間前は部活動が完全に禁止され、家帰って勉強しとけっていうシステムになってました。

何回か前の記事に書いたんですが、その頃僕が所属していた野球部では砂の詰まったペットボトル(2ℓ)を持って走るという拷問のような練習が架せられており、毎日とにかく練習を休みたいという気持ちしかありませんでした。

そんな僕達にとって、テスト期間というのは唯一の救い。久しぶりに与えられた自由だったのです。

「こんな貴重な自由の時間を、あんなアホ丸出しの選挙活動なんかに使ってられるかよ」

そう思った僕は、逃げました。

シンプルにバックレました。

バックレついでにその時渡されてた「〇〇候補 2年〇組 〇〇〇〇」と候補者の名前が書かれた紙(選挙ビラ)をクシャクシャに丸めてその辺へ投げ捨て、ついでに踏んづけて帰りました。

その翌日も、「朝ちょっと早く来て選挙活動しよう!」ってなってて、普段より20〜30分早く来るようにって言われてました。

もちろん無視しました。

通常通りの時間に投稿しました。学校の近くまで来ると同じクラスのヤツ2〜3人と会いました。彼らはシンプルに忘れてたか、寝坊したのでしょう。

あーゆー時って「あっ、自分だけじゃなかった」ってわかると凄い安心しますよね。会った瞬間ホッとした空気が流れました。

遅刻チームで校門をくぐった瞬間、担任が仁王立ちで待ち構えてました。怖い顔してました。

その時小雨がパラついており、担任は傘をさしていました。

僕達に気がついた担任は1人ずつ遅刻の理由を聞いていきました。

他のヤツらは「すいません。寝坊しました」「すいません。うっかり忘れてました」と理由を伝え、「明日からは気をつけなさい」と軽めにお叱りを受けた後に釈放されました。

最後に僕が理由を聞かれました。

「アンタはなんで遅れたの?」

僕は正直者なので思った通りのことを言いました。

「もうハナっから来る気ありませんでした。選挙活動したくなかったので」

担任は続けてこう言いました。

「アンタ昨日の放課後も勝手に帰ったらしいな」

どうも僕が先に帰ったのを見てたヤツがチンコロしたようです。チンコロはどこにでもいるもんですね。

僕は正直者なのでこう言いました。

「はい。アホくさかったので」

そう言った瞬間、担任は持っていた傘を地面に叩きつけながら激怒しました。

叩きつけられた傘はバキバキに折れていました。

「まあ怒るだろうな」と思ってた僕はケロッとした顔でヘラヘラしてました。

「マンガみたいなキレ方するなこの人」とか思ってました。

烈火の如く怒られてましたが僕は淡々と思ったことを言っていました。正直者なので。

「アンタは自分が同じことされても腹が立たんのか!」と聞かれたので、

「はい。なんとも思いません」と答えました。

「お前は自分の名前が書かれた紙を丸めて捨てられてそれを踏みつけられても何とも思わんのか!」と聞かれたので、

「はい。何とも思いません。自分はその人に嫌われてるんだなぁって思うだけです。それはもう、受け入れるしかないことなので、いちいち傷付いたりしないです」と答えました。

紙捨てたところまでこと細かくチンコロしてたみたいですね。いらんことしいが。

その後も罵倒は続きましたが、のらりくらり交わしてました。どうもその担任は僕のことを正義感のある人間だと思ってたらしく、「裏切られた!」みたいなことを言ってた気がします。

「お前にあるのは正義感じゃない!利己心だ!」って言われたので、

「そうですけど?」って答えました。

誤解の無いよう言っておきますが、何も僕は自分から「僕は正義感があります!」なんて言ったことは一度もありません。完全にその担任の思い込みです。「思い込みでそんなこと言われてもなぁ」「あなたの人を見る目がなかっただけでしょ」って思ってました。多分この辺は口には出さなかったはず。流石に。

一通り怒られ、僕が1ミリも反省しなかった結果、僕の行動は野球部の顧問(ほとんどヤ〇ザ)に上告され、その後バッチリ酷い目に遭わされました。

その展開を予想できていなかったのが当時の僕の浅はかなところですよね。今考えれば当たり前ですが、クラスの中だけで収まる話だと思い込んでたところに甘さがあったなと思います。

流石に当時の僕では絶対的恐怖の前では口も回りません。相手は治外法権で来るわけですから、とにかく殴られずに済む方法を、被害を最小限に済む方法を考えるしかありませんでした。無条件降伏でした。

しかし担任のやり口は汚いですね。自分の言うことは効かないなと思ったからと言ってより強いヤツを呼んでくるとか。自分に指導能力が無いって言ってるようなモンなのに。

やり方としては喧嘩に負けたからって兄貴呼んできて復讐して貰うのと同じですよね。ダサい。

教師っつっても大したことねぇなと思いました。

この一件以降、この担任と僕が口を聞くことはありませんでした。その後特に関わる事なく卒業しました。

あの担任は今何やってんだろうな。映画は撮れたのかな。

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めちゃめちゃ長くなってしまった。

読んで下さった方ありがとうございました。

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エイプリル
読んでいただいてありがとうございました。退屈しのぎにでもなっていれば幸いです。