挿絵を描くこと② 〜その先にあるもの〜 ウミネコ童話集
「真夏の四ツ辻」クララさん
その物語をひとめ読んだ時から
心が離れなかった
白い花のヘッダーにしっとりとした
大人の童話
大切な人をなくした悲しみと喪失感の
その先にあるもの
私の心の深い部分にいつもあるそれと
重なった
その言葉たちは水のように
するすると私の心に沁み込んでいった
絵を描きたいと申し出た私にクララさんは
「お花とパラソルを描いてくださったら
それでしあわせ」と言ってくださった
私は夢中で絵を描いた
私は、物語の要の四ツ辻を描こうか描くまいか
迷っていた
そんな私にクララさんは
「hohoさんの感性にまかせる」と言ってくださった
クララさんは私の「青」が好きだと言ってくださった
だから私はどうしても「青」をお届けしたかった
私がクララさんご自身へお贈りした絵は
白い花ではなかった
「白は青に見えるときがある
全てを内包している色
だからきっと見たい色が見えているんだって
そんな風に思いました」
その言葉が印象的で何よりうれしかった
*
後日私は
また青い花を描いていた
挿絵ではないけれど
私がただただ
描きたかった絵
月明かりに向かって凛と咲く花
人の生きる姿
行ききった後に残すもの、残るもの
それは花の一生に似ている
このたびウミネコ童話集の掲載作品
クララさんの童話に挿絵を描かせていただきました。
自分の内面と向き合い、喪失感のその先にあるものに目を向けられたような気がしています。
クララさん、そしてこの素敵な出逢いをくださった
ウミネコ制作委員会さんにとても感謝しております。
本当にありがとうございました。
素敵な本になるのでしょうね。
とても楽しみにしています🍀
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