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どうする?父親の施設入所22 透析せず

2022春。施設ケアマネさんからの話。
「最近、お父さんは夜中に起きることも少なく、よくて寝ています。食事中も寝てしまうことがあります。リハビリは眠くなくて機嫌のよい時に誘うようにしています。リハビリの時は、娘さん3人の話をよくしていますよ」とのこと。どんな話をしているかは想像したくないです(笑)。

父も85歳。年齢が進んで寝ている時間が多くなったのは、祖母の時と同じでした。このままゆっくり衰弱していくのかな。

コロナ禍の2022年夏。
高血圧と脳梗塞の後遺症以外は、特に持病がなかった父ですが、このころから次第に腎機能が落ちていき、秋には施設から「この数値だと人によっては、透析するような数値です」と言われました。この介護老人保健施設では、透析の対応はしていません。

わたしは「もう85歳ですから特に積極的な治療は…。このまま、よろしくお願いします。長く居させていただいたので、顔見知りの方がたくさんいます。今から知らない施設や病院に変わるのは、本人も望んでいないと思います」と答えました。医師も「それがいいと思います」と言ってくれました。

コロナ禍2022年10月の面会。

コロナ禍 ガラス越しの面会室

平日週2回だけリアル面会(といっても刑務所の面会室のようなスクリーン越し。触れることはできない)になっていたので、わたしは1ヶ月に一度、面会にいけるようになりました。車いすを押されて面会室に来る父は、見かけるスタッフに「おう!おう!」と手を挙げて、大きな声で挨拶しています。

わたしにも「遠いのにいつもサンキュー!」と声をかけてくれます。10分の面会のため、5時間かけてくるとわかってのことです。

私「ごはんはおいしい?塩辛くない?」
父「おいしいよー。煮物がおいしいよ」
私「リハビリ、行ってる?もうええわとか言ってない?」
父「最近、あまりやってないなぁ…」
私「寒くなってきたから、ここでいると助かるよねー。家は寒いで」
父「せやなぁ」
私「わたし、こないだ植木鉢を足の上に落として骨折したんよ」
父「アホやなぁ。気をつけなあかんなぁ」

自分や親族の近況を話し終えると、もう話題がなくなります。もともと父とは会話が続かないので、気にすることはないけれど。コロナ前に部屋で面会できた時は、買ってきたお団子を一緒に食べたり、一緒に能トレをしたり、雑誌を読んであげたり、父の足のむくみ具合を確認したり、室内履きの匂いを嗅いで、交換時期だと思ったり…。それは些細だけど、代えがたく大切で、もう取り戻せないものになっていました。救いなのは、父がわたしとの会話にうわの空になる一方、スタッフさんの動きには気を配っていることでした。ここで、父は自分なりの関係を築いていて、ここが、父の最期の場になるのだろうと思いました。

つづきは、こちらの記事で。



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