[場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)・緘動(かんどう)・発達障害・不安障害・不登校などの生きづらさ]への理解 第6話 「最高潮のパニック」
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長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※)を発症しました。※:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。
症状のでかたや困難さはそれぞれかと思いますが、娘の場合を伝えていきます。
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少し口を尖らして、肩に隠れるように首をすくめて立つ姿は、何も考えていないように、何も感じていないように見えたかもしれません。
言葉をかけても何もしゃべらず、動かない様子は言葉の意味がよく分からないように見えたかもしれません。
娘は動けない間、頭の中ではいろんな思いや考えがグルグル浮かんできたと言います。
みんなに見られて恥ずかしい
光がまぶしい
私、変じゃないかな
早くお母さんのところへ行きたい
私はどうしたらいいの……….
ドクターは例えて言いました。
パソコンなら、多くの情報を処理しきれず、容量オーバーでフリーズした状態。
一見、何も思わずじっとしているだけのようでも、「場面緘黙症・緘動」は、"最高潮のパニック状態"だと。
場面緘黙症の原因となる背景は様々ですが、場面緘黙症・緘動という状態はそういうものなのです。
話さず、動かず、感情さえあるのかどうかも分からないように見えるかもしれません。
しかし、声はしっかり届いています。
思いに気づいています。
そして、応えることのできない申し訳なさや、やるせない気持ちがあふれています。
ですから、例えば「なんで話さないの?」とか、「○○って言ってみて」などの質問や要求は苦しいことだと思います。
関わりたくないと拒絶しているわけではありません。
関わりたい、関わってほしいと感じている場合が多いと思います。
優しさのある関わりは安心です。
それでも、やはり話せず自分からは動けないかもしれません。
それでも共に過ごす仲間と一緒に、楽しいと感じたいときっと思っています。
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例は、娘のケースです。
すべての場面緘黙症・緘動の症状にあてはまるわけではありませんが、知ってもらうことはとても大切だと改めて感じています。
(注)私たち家族は長女が診断されて以来、下の二人の娘も含め、療育、相談、医療の機関に定期的にカウンセリングに出向き、登校できなくても、在籍する学校の先生と連携を取っていただいています。